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【読書兄弟】剣岳〈点の記〉:新田次郎

兄:山が俺を呼んでいる。
弟:は?
兄:山に登ろう!
弟:ええ?やだよ。寒いし疲れるし。
兄:軟弱者、これを読め!
弟:新田次郎さんの「剣岳〈点の記〉」だね。もう読んだよ。これは一種のサラリーマン小説だね。
兄:まあな。主人公の柴崎さんは役所の仕事で山登りをする訳だし。
弟:そうそう。上司との関係とか、領収書の整理とか、仕事の段取りとか。そんな場面がよく出てくるね。
兄:あと、パーティを組んで冒険するって意味ではRPGっぽいかもしれないな。
弟:伝説やお告げも出てくるしね。美少女はいないけど。
兄:いない。皆無だ。完全にオッサンのみのパーティだ。でも、本当の主人公は山だぞ。新田さん自身が登山家だからこその迫力やリアリティを感じてほしいね。
弟:そうだね。できれば剣岳の写真とか地図とかで予習してから読むとといいかもしれないな。
兄:確かに。俺は途中で迷子になったぞ。
弟:生きて帰れないな。
兄:ああ、山が呼んでいる。俺も登るぞ!
弟:分かったよ。で、どこに?
兄:我々が目指す山は急峻かつ危険である。遭難は名誉ではなく恥である。だから我々は途中までケーブルカーを利用する。
弟:高尾山かよ。

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