暁斎の緻密な眼、そこから生まれるユーモア。〜河鍋暁斎展‐躍動する絵本〜
美術展にもなかなか足を運べなかった(正確には時短や人数制限などで今でもなかなか行きづらいけども)今年、久々に向かった展覧会は太田記念美術館の「河鍋暁斎〜躍動する絵本」。
本当はこの直前までの国芳展(没後160年記念展!)に行きたかったのだが、時間切れ。暁斎は始まって早々に行っておくとこにした。
明治期に出版された絵本を中心に、その確かな観察眼、緻密に描き出す力、たっぷりのユーモア、豊かな故事への知識、そして明治という「新しい」時代の新しさそのものを取り込む柔軟さ、温故知新の姿勢など、小さな企画ながら、暁斎の面白さをじっくりと味わえるよい展覧会。
COVID19対策で通常の展覧会なら使用する展示スペースや地下の視聴覚室は使用せず、非常にこじんまりとした展示数。
そのかわり、ひとつひとつ、じっくりと覗き込むことで生まれる楽しさに溢れていた。
会期二日目。土曜昼間、ちょうどよく、ひとりひとりが一つの展示をゆっくり見ながら回れる、いいペースの入場状況だった。
ゆっくりじっくり覗いて1時間程度。
事前に太田記念美術館のTwitterで「単眼鏡持参をオススメ」とあったのに、うっかり忘れて大後悔。
眼鏡をかけたりはずしたり、忙しかった。
「暁斎画譜」の明治摺が美しかったな。あの緑は明治期だからなのかなー。
「百鬼夜行」を描いた「暁斎百鬼画談」が思わず買いたくなる楽しさと色彩。
人体をスケッチした中に、リアルな観察による「真」の絵と、それをベースに絵として描き崩した「画」の絵が並んでいるものがあって興味深かった。
まさに、型があっての型破り、基礎があっての破天荒だ。
展示の中に「大森彦七鬼女と争うの図」があるのだが、これは成田山に額絵を依頼されての元絵とか。
ん?成田山? わし、明日行くじゃん!
ということで、成田山霊光館で見られることを願いつつ。
国芳展は見られなかったが(くっ…)、グッズは買った。
大好きな金魚の「ぼんぼん」(花火のぼんぼん上がる様に見惚れる金魚)のアクキー!
可愛すぎて死ぬかと思った。
あーほんと行きたかった。
さて、太田記念美術館さんはNoteにて解説やオンライン展覧会などを開催されている。ぜひ。
暁斎についての記事はこちらなど。
河鍋暁斎展は前期は11/23まで。入れ替えがあって後期は11/27-12/19。大人800円。
追記。オンライン展覧会決まったそうな。
帰りにそーいやもう何年も参詣してなかったな、と(何しろ暁斎展を見込みよりかなり早く見終わったもんで)明治神宮へ。
とにかく夕陽と雲の美しい日だった。
実は家を出る直前まで「進撃の巨人」を読んでいたので、この雲を見ながら「始祖の巨人のアレみたいだなー」などと思っていたら、前で女性三人組がえらく興奮しながら同じく雲を撮っている。
何事かと思ったら「ほら、虹が!」
…えぇ…?
いや、ただの始祖の巨人っすよ…?
どうも、スピリチュアル系の方らしく、ほらあそこに虹がー!と主張し続け、おとものかたは「ほんとだー!」と感激し、引き続きパシャパシャ撮っており…
そ、そっすか。
僕には見えないっす。
ぜひそのスマホのカメラロールの中身、Twitterとかで見せてほしいな、と思いつつお茶して次の予定に向かったとさ。
御朱印は今は書き置きのみ。初穂料500円。なぜが神職に1000円札出したら「アラアラ」と言われた。…なんでだろ。お釣りめっちゃ用意してあったのに。予想とはずれたのかな、
この焼き団子と甘酒、すごくおいしかった。
というか、いつのまに明治神宮に杜のテラスなんてオサレなものができたんだ。ビックリだ。
結婚式も七五三も何組も見かけたし、観光客?も多く、混んではいないがガラガラでもない、程よい人出でホッとした。
原宿も以前の週末ほどではないが、道にはたくさんの人がいた。
さらに「日常」が近くなってきている。
嬉しく思う週末だった。
いただいたサポートは私の血肉になっていずれ言葉になって還っていくと思います(いや特に「活動費」とかないから)。でも、そのサポート分をあなたの血肉にしてもらった方がきっといいと思うのでどうぞお気遣いなく。