無名人インタビュー:20代でネットで独立した人
どどどど独立。たまごかけさんは、youtubeの広告マンガ動画を軸に独立された方です。
年齢は20代半ば。組織にいるよりも、個人で働いたほうが良さそうだ、て感じみたいです。
たまごかけさんは2回目のインタビューで、時々チャットで話す間柄なので、ほんと雑談て感じになりましたわ。
それではたまごかけさん回(前回と名前が変わっていますが)、ご笑覧ください!
今回ご参加いただいたのは たまごかけ さんです!
Twitter WebSite
1、二人はLINE友達なのじつは
たまごかけ:こんばんは。
qbc:こんばんは。お久しぶりです。前回のインタビューから3ヶ月ぶりです。何してました?
お名前も違いますわ。
たまごかけ:良くも悪くもいろいろあったって感じでした。
qbc:あ、ほんと。では、どんなインタビューしましょうか。
たまごかけ:半年間だけだったんですけど、飛び込み営業やって、実際どんなものかって話でもしようかと。
qbc:なるほど。何を売る飛び込みやってたんですか。
たまごかけ:アパート一棟建てませんかって。部屋貸しとかじゃなくて。言っちゃえば相続税対策として投資用とかなんですけど、地主さんとか、資産持ってる方に訪問していく感じです。
qbc:価格帯は?
たまごかけ:土地は別として、2階建て4部屋だったら6、7千万ぐらい。
qbc:売れた?
たまごかけ:売れなかったですね。いいとこまでいったんですけど。建てることは決まってたんだけど、コロナで待ってくれって感じ。
qbc:naruhodo.
たまごかけ:建て替えを狙うんですよ。30年くらい前に建ったアパートを探して。30年前に建てた人だと、不動産業界に対しては景気的に良い印象を持ってない人が多くて。ここでは話せないんですけど、すごい話をいろいろ聞きました。
qbc:どんな話?
たまごかけ:入居者いなかったら補償するって言ってたけど、景気が悪くて会社が潰れちゃうから一部切るとか。リフォーム代金を取りすぎとか。
qbc:営業アタックリストはどうやってあつめるの?
たまごかけ:役所でアパートの地主を調べてリストを作ります。でも、リストを作っていくうちに、勘が働いて何となく分かるようになるんですよ。気持ち悪いんですけど、何となく分かるようになっちゃう。地主に多い苗字とか。
qbc:なるほどねえ。
たまごかけ:忘れられないのが経営者の方で、門前払いだったんですよ始め。奥さんに話しても、分かんないからって。平日、休み、何回行ってもいない。
大体一週間に1回のペースで、10回ぐらい行ったのかな。で、ある時、その社長の会社が20時まで営業してたんですけど、これ逆に19時半に行ったらどうなるのかなって思って行ってみたら、会えたんです。けど、これ以上来られても困るから来ないでって言われて。
で、それを自分の上司に伝えた時、1か月ぐらい経てば忘れてるからって言われて、ほんとに1か月後行ってみたら、警察呼びますよって言われました。
qbc:警察は、呼ばれたことあります?
たまごかけ:ないです。目的があって行く分にはいいらしいです。意味なしにうろつくのはダメですけど、目的がある場合はいいみたいです。
qbc:ノルマはあったんですか?
たまごかけ:半年に1棟ですね。あと、新しいお客さんを発掘するってノルマもありましたね。
qbc:他に何かエピソードあります?
たまごかけ:GPSで監視されてました。
ある日、12時ぐらいに予定していた訪問が終わって、フラフラ16時ぐらいまで公園にさぼりに行ったんですよ。そうしたら、GPSで何分間同じ場所にいると通知が行くらしくて、上司から電話かかって来て「今どこにいる?」って聞かれて、「どこどこのどこどこ歩いてます」ってウソついたら、その5分後に現場に上司が現れたってのがありました。
それで、死ぬほど怒られて。そういうエピソード。
qbc:どういう風に怒られるの?
たまごかけ:何やってんだ! みたいな。根性論とは違いますけど、啓発的なことを言われましたね。2時間くらいわーって言われて、すーって去っていくみたいな感じ。ネチネチ系じゃないんですけど。業界的にはネチネチ系というよりはカラっとしてますね。
qbc:前は仕事、何やってたの?
たまごかけ:前はルート営業でした。小売店に冷凍食品を配送したりのルート営業。それとちょっと新規。
qbc:で、副業でやられていたyoutube広告マンガ動画制作で独立されたんですよね?
たまごかけ:そうです。まあ、ほぼ勢いです。
qbc:でも、生活できるんでしょう?
たまごかけ:生活はできます。今後どうなるか分からないですけど。
qbc:未来はあると思うけど。行動力があるし。
たまごかけ:今は広告マンガ動画が主ですが、広告の運用もやってみようかと。
qbc:なるほど!
たまごかけ:正式な退職までちょっと日数があって、今は有休消化中です。
時間にゆとりあるし、今まで仕事の合間に出していたディレクションがすぐ対応できるようになりました。会社員だった時は、制作から質問があってもすぐ返せなくて、納期遅延の原因になっていたんです。
後は営業できる時間が増えたんで、広がりも見込めますね。
qbc:自分の中での見通しは明るいですか?
たまごかけ:今、募集サイトを作っていて、そこから流入が増えれば問題ないです。勝手にお客さんのほうから来るっていう。他はTwitteからは直接来るし。当分は毎日のように営業しないと厳しいでしょうけど。一度乗っちゃえば安定します。
qbc:手ごたえは?
たまごかけ:あくまで今の段階なんですけど、大丈夫かなと思います。
広告マンガ動画と言っても、これも人間関係の商品なので、1か月後どうなるかは分かりませんが。
広告依頼の案件数も、クラウドソーシングのサイト内での話ですが、若干減ってきていますし。
なので、ターゲットとしては中小、個人事業主さんとか。他の広告代理店がターゲットから外している層しかないと思います。
qbc:私、ラジオの広告とか興味があるんだけどね。
たまごかけ:そうですね。最近ラジオってすごい流行ってて。
qbc:海外ってどうなんですか?
たまごかけ:海外だと、ちょっと数字分かんないんですけど、市場は日本以上に拡大してるらしいです。オーディオブックとかで。
qbc:はーなるほど。オーディオオンリーのコンテンツね。
日本は、テレワークで音声コンテンツの「ながら聞き」が増えてるのかなって思うけど。
たまごかけ:そうですね。ながら聞き。
qbc:私、テレワークでSpotify入ったのね。めちゃくちゃ聞きまくってるよ。ラジオは何聞いていいのか分からないから聞いてない。素人のラジオ聞いておもしろいのかな。
無名人インタビューで「人は誰でも面白い」って言ってる私が言うのもなんだけどさ。
たまごかけ:雰囲気だと思うんです。素人でも雰囲気が良ければ。途中で止まっちゃったり、構成があんまりにもできてないとかじゃなければ受け入れられるんじゃないかな。
qbc:youtube漫画って、一つのトレンドで、今も人気なんでしょ?
たまごかけ:はい。感覚的にはこの1年くらいかなあ。あれはフェルミ研究所からですね。「フェルミ」「アシタノワダイ」から一気に広がりました。
知っている人には紹介するまでもない2大雑学チャンネル。
たまごかけ:その後に一気にマンガ広告が広まって、初期は美容系サプリ系がメインだったんですけど、最近は金融とか不動産家の内装工事とか。
qbc:なるほどねえ。
たまごかけ:あと、ビヨンドっていう3Dアニメーションツールを使ったものですかね。私も扱ったことあるんですけど、ツール側に手数料をかなりもってかれるんですよ。
こちらです。見たことあるでしょきっと!
qbc:いろいろとトレンドがあるんですなあ。
2、サラリーマンしていると気が遠くなりました
qbc:今の仕事でいいなって思うところはなんですか?
たまごかけ:あー。元々、書くってのが好きだったり、営業も好きなので、ストレスがあまりたまらないですね。
逆に、サラリーマンやってる時は、私の場合は未来が思い浮かばなかったんですよね。ずっと同じとこにいて、延々と繰り返しみたいな。なんか小学校みたいな感じ。気が遠くなりました。
qbc:そうか。サラリーマンねえ。
たまごかけ:サラリーマンだと、果てしないっていうか、得体のしれない恐怖感みたいなものがあったんですよ。そういうものが無くなりました。
qbc:でもまだ会社から離れて1週間くらいでしょ?
たまごかけ:1週間くらいです。今の段階ではそういう気分ですね。じょじょに厳しくなってくるとは思いますけど。
qbc:まあ、なんとかなるんじゃない?
たまごかけ:本当に困ったら他の事でお金を稼ぐってのもあるんで。あとは家族の同意が得られれば。家族に支えてもらってる部分があるので、そういうもろもろの兼ね合いが。
なんとか継続的に結果出さないといけないなって思ってます。
qbc:私があんまり心配していないのはさ、営業できて、自分でコンテンツも作っててさ、その経験がこれからどんどん積みあがっていくのが分かってるからだよね。
あと、たまごかけさんに、仕事に対する変な執着がないのも安心かなあ。こだわりがない。そういう人は前に進み続けられるから。
こだわりのある人は、うまくいくかがギャンブルでしょ。
たまごかけ:クライアントさんに会えたら、始めはもちろん自分の意見は言いますけど、最終的にクライアントさんの意見が正しいんで。
qbc:お金だしてるのがクライアントだからね。正しいとか正しくないとかじゃなくて、その人が買ったもの。
たまごかけ:予算オーバーはきついですが。
qbc:予算オーバーは別の話でしょ。内容に関しての話。
たまごかけ:内容に関しては、それは全然やります。やりますっていうか、やることへの報酬なんで。
あとは、飛び込み営業もやったおかげで断られることに関しては慣れました。100回いって99回断られても、そんなに衝撃は受けないです。その経験は良かったと思います。
qbc:ほんとね、取引を開始してもない段階でのお断りなんてほとんどダメージないからね。
その他の、今の仕事で楽しいことは?
たまごかけ:自由にできるってのが一番。もちろん制限はあるんですが、自由にやってます。やりたいようにやりたい仕事ができてます。
会社に雇われてたころは、結局会社の看板でやってて、それが好きじゃなかったんですよね。自分には会社の看板がないほうが魅力的です。
qbc:新しい企画は考えてらっしゃいます?
たまごかけ:サイトを作ってます。ワンストップで受注から広告運用までやりたい。
qbc:紙の広告は?
たまごかけ:チラシとかも案件としては興味がありますね。webと連動させたりして。
qbc:紙はやったことあるんですか?
たまごかけ:ないです。今はやんないでおこうっていうか、難しそうな感じが。
qbc:チラシはね、お金かかるんですよ。先に印刷するから。予算がこれぐらいあるんで、じゃ、これは紙に流しましょうよとか、そういうワンストップサービスができるといいのかもね。このエリアだけ紙チラシまいときましょうかとか。
そうするとTwitterのアカウント運用みたいなのもやってもいいのかもね。
年間でプロモーションしましょうって言って、youtubeは3か月に1回更新、Twitterではこういう風なこと1日1回つぶやいて、内容によってはインスタのほうがいいですね、とか。
トータルでプランニングして。年間で1千万もらいますね、みたいな。
たまごかけ:トータルで、年間契約で。
qbc:それが広告代理店だよね。プランニングもやってあげてさ。今は制作だけでしょ。
たまごかけ:いかにコンサルできるかっていう。
qbc:今、作りたいコンテンツあるんですか?
たまごかけ:VRの広告です。
qbc:あー。もうあるんだ。
たまごかけ:あります。費用とかすごくかかっちゃうけど、やりたいですね。
qbc:VRってヘッドセットつけなきゃいけないんだよね?
たまごかけ:今の段階だとヘッドセットが必要ですね。VRの動画ってあるじゃないですか。その間に流れる広告ですね。
qbc:え、どうやって作るの? VRコンテンツって。
たまごかけ:どうなんろうな。
qbc:あ、ネットで検索してみると、VR動画も50から70万だって。VR撮影も入ってだから、そんな高くないかな。
たまごかけ:元々動画素材があるんだったら。そんぐらいで出来ちゃうかもしれないですね。
qbc:撮影、編集、テロップ、BGMまで入ってその値段。アフレコとかないみたいね。企画構成とかも。ナレーション抜き、企画構成抜き、演出抜き、キャスティング抜き。
「この内容でお願い」って企画渡して、その通りに編集してテロップと音楽つけるってサービスか。
3、本の話
qbc:どうでした今回のインタビューは?
たまごかけ:フリーランスで独立したことを人に話す機会がなかなかなかったので、良かったです。
qbc:あ、そうなんだ。そりゃまあ、そうか。
独立の話はともかく、案外マンガ動画広告のディレクターってのは少ないのかな。絵を描く人も多いし声を出したい人も多い。でも、制作の折衝とか納期管理って、めんどうくさいじゃん。人管理だし。そういう意味では、話せる相手が意外に少ないのかな。
たまごかけ:そうですね。
qbc:現実的で実際的な部分だからさこういうの。まあ、ふだんからLINEでちょいちょい話してるけどさ。
たまごかけ:そうですね。自分は、飛び込み営業もそうですが、独立もけっこう想像してたのとギャップがありました。
ほんとに、分かんないんですよね、やってみないと。だから少しでも参考になればなっていう。こういうこともありますよっていう。
qbc:そうね。たまごかけさんには、なんでもトライしてみてから判断する、てところがあるからね。経験して、そのあと自分なりに吟味してから意見を言うっていうところに関しては、もう、すごく一人前ですよね。尊敬に値します。
たまごかけ:ありがとうございます(笑)
qbc:そうじゃなかったら、私も話さないと思いますよ。何言ってんのこいつってなって。やりもせずに調べもせずに、こうだと思うんですけど、って言って来たら。全然相手にしないから。
たまごかけ:そうですね、取りあえずやんないと。
qbc:そういうガッツがあるから話せるよ。私がそれはあなた知識が浅いよって言っても、まったくへこたれずに「そうなんですね分かりました」ってちゃんと言うし。
こうだと思うんです。ああだと思うんです。それってどういう意味ですか? ってちゃんと受け答えができるっていうのは、対等に話ができる方ですよ。
たまごかけ:そうですか。
qbc:そうですよ。独立に関しても、人のネットワークができるから、独立するならさっさと独立しちゃったほうが早いし。
たまごかけ:動いていれば何かしら縁はできるかもしれない、て感触はあります。それが大きい小さいとか分からないですけど。影響与えるかどうか分からないですけど。良い方向に行っている感覚はあります。
qbc:まあ50、60になってから独立できないのかって言ったら独立できるし、ネット保険を作ったライフネット生命の出口さんなんてそのパターンだよね。
たまごかけ:ネット保険は分かりますけど、その出口さんて人は分かんないです。
qbc:本が今めちゃめちゃ売れてる人だよね。人類史とか歴史の本とか書いてて。めちゃくちゃベストセラーになってる人。
たまごかけ:ホモサピエンス全史とは違いますよね。
qbc:違う違う。でもその類。西洋史とかそういうのではなく、人類史。
こういうのね。
私のおすすめはこれ。
たまごかけ:人類史面白いですよね。大人になってからの感覚ですけど。読む前は勉強みたいな内容かと思ってたら、全然そんなことない。
qbc:そのブームの先駆けみたいな「銃・病原菌・鉄」って本があるのね。ジャレド・ダイアモンドのって人が書いたやつ。
こちらね! 上下巻の上。
下!
qbc:北半球のヨーロッパ大陸って横に長いじゃん、だから横に移動しやすかった。で南半球って南北に長いじゃん、そうすると移動しにくい、気温の違いが多いから。
で、横に移動しやすかった人たちは様々な人たちと遭遇しやすいので、人を裏切ったり戦うことが多くて、その技術が発達したと。
たまごかけ:なるほど。
qbc:人間も生き物なんだよなあと思うよ。夜になれば眠いし、朝になれば目が覚めるしって。
たまごかけ:そうですね。基本的な部分は変わんないですね。
qbc:あ、じゃあそろそろ時間なので!
たまごかけ:そうですね。ありがとうございました。
qbc:こちらこそありがとうございました!
あとがき
インタビューは不思議なもので、なんとなく、同じテーマが続くことがあったりするんですよね。それは単純に、私がそういうテーマを見出してしまうからなのかもしれませんが。
今回の場合、組織と個人についてのひとつのケースを提供してくれたなって思ってます。
あ、たまごかけさんの場合、組織でいるよりも、個人で働いたほうが自由でいいんだよな、って。でもある人の場合は、組織で働いたほうがいいんだよな、とか思ったり。
で、そもそも、どっちが良いとか悪いとかではなくて、さらにその人にばっちり合ってるってものがあるわけでもなく、年齢、収入、その都度でいろいろ変わるんだよなって。
すなわち価値観という問題ではなくて、その都度、適切に選択していくと。
価値観、風習、慣習、文化、時代というワンセットをころころ変えていくイメージを、自然なものにできていったらなあと思い思ってますよ。はは。
編集協力:yurieさん