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【無名人インタビュー】笹川真生と君島大空、パノプティコンについて話した19歳女子大生

今回ご参加いただいたのはロクシナさんです!
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▷イントロ

問題作っていうか別に問題ではないんだけど、40過ぎたおっさんがさ、そりゃインターネットで知り合った19歳の大学生の女の子と話してたら、そりゃちょっと声も弾むわ。
それは隠さない!!!
ということでロクシナさん回です。
冒頭いきなりフーコーの話が出てきて面喰らい、そのあとはただただひたすら音楽雑談するというめちゃくちゃ楽しい雑談でした。
読んでいただいているあなたの好きな音楽が見つかれば私もうれしいです!!

1、パノプティコンって知ってる?

qbc:どのようなインタビューにいたしましょう?

ロクシナ:無名の人でもインタビューできるっていうのがすごいおもしろい試みだなって思ったので、無名代表として、1人の女子大学生の話をしようかと思います。

qbc:年齢おいくつなんですか?

ロクシナ:年齢は、先日19歳になりました。

qbc:おめでとうございます! ついこの間じゃないですか。一昨日?

ロクシナ:一昨日ですね。

qbc:おめでとうございます!

ロクシナ:ありがとうございます。

qbc:今のところ無名人の最年少ですね。

ロクシナ:あ、本当ですか。

qbc:21才が最年少だったんですけど、記録更新しました。
でインタビューですが、どんな感じにしましょうか?

ロクシナ:私、中高一貫校に通ってたんですけど、そこの教師が私の親だったんですよ。

qbc:ええー。中高一貫校だと。6年間一緒だったってこと?

ロクシナ:そうです。実際に授業を受け持ってもらったことはなかったんですけど。ちょっとタブーなとこがあったから、今ならもう言えるなあと思って。

qbc:あ、隠してあったんですか?

ロクシナ:隠してはなかったんですけど、あんまり表立っては言ってなかったんですよ。

qbc:なるほどね。

ロクシナ:中高って人の目をすごい気にする時期じゃないですか?

qbc:うん。

ロクシナ:パノプティコンって分かります?

qbc:え? 分からない。なんですか。

ロクシナ:誰から見られてるか分からない刑務所なんですよ。

qbc:はい。

ロクシナ:私自身も得体の知れない、誰かに見られてるかもしれないっていう不安があった。気にしすぎていたんです。目に見えない叱責というか。

qbc:はい。

ロクシナ:今は、一般的には個性を活かそう、っていう風潮があるじゃないですか。だけど、私は、自分の他人とちがう部分が、気持ち悪くて嫌いだった。いまでもそうです。人と変わってる自分の「個性的」な部分を人に開示するというのが、苦手なんです。
個性は、対人に適応できる形で表現できない限りは、害になる気がするし。
人ってみんな、近づくほど本質的には気持ち悪いしうざいものだと思っています。相手に理想をみるから、そう思ってしまうというか。そこがいいところで、好きなところでもありますけど。

qbc:なるほどね。うんうん。

ロクシナ:だからその、人と関わる時に支障をきたしそうな部分、お互いの関係を円滑に進めるために支障をきたしそうな部分っていうのは、ちょっとマイルドにして適用させていくと思うんですよ。
「あいつは人と関われないな」っていうんじゃなくて、ちょっと変で変わってる、でも面白いぐらいまでマイルドにさせて、人と関わっていくもんだと思うんですよ。

qbc:なるほどね。はいはいはい。

ロクシナ:それの元になるのは、やっぱり人の目なんだと思います。

qbc:はいはいはい。そうね。

ロクシナ:だから、人と関わることで、相手と自分の違うところとか、これは好きだなと思うこととか、これは違うなって思うものが分かっていくんだと思って。

qbc:そうですね。

ロクシナ:私は多分、自己開示が下手なんですね。noteも匿名だし、書いている内容も友達には話さない内容です。
私自身、人の趣味こそ人の本質的な気持ち悪かったりうざかったりする部分だと思っています。
趣味って、プロではないぶん絶対にすこし痛々しかったりするような部分があるじゃないですか。
私にとっては、noteに書いてあることとか、音楽の趣味っていうのは、自分の中で羞恥心を感じてる部分でもあるんですよ。

qbc:なるほど。

ロクシナ:私は芸人の太田光がすごい好きなんですけど、その人が言ってたんです。
落語の談志師匠が絶対に人情系の話をやらないそうで。
それは、正義を語って共感を得るっていう予定調和に対して、恥ずかしいって思うからだそう。
その感覚の元になってるのは、日本人的な感覚というか、羞恥心であって、それは美意識でもある、みたいないうことを言ってて。

美意識か、と思うと少し楽になりました。
自分のアイデンティティとは、一番恥ずかしい、人に見せたくない部分でもあるんですね。
だからこそ、その人の良いところを、良さとして出していくのはすごく難しいなとも思います。

qbc:なるほど。

ロクシナ:変な話、例えば友達同士とじゃれ合う程度でちょっとたたき合うことってあるじゃないですか。
そのレベルのことをできる友達がいない人っていうのは、逆にすごく臆病になって攻撃的になると思うんですよ。
犯罪とかに走る人とかもやっぱ孤独な人が多い。
だからちょっとぶつかれる程度の人がいないと言うか。
だから人と関わる事ってめっちゃ大切だけど、関わることでかえって孤独になる相手もいると思うんですよ、私は。

qbc:なるほどね。

ロクシナ:私にはずっと仲良い友達ってのが二人いて、一人は私と嫌いなものが似てるんですよ。
その人は嫌いなものがたくさんあるけど友達が多くて行動力がある。
嫌いなものをがんがん言うタイプではなくて、ある程度諦めて人と付き合ってるみたいな人なんですよ。

qbc:はい。

ロクシナ:もう一人の友達っていうのは、私の言ってること考えてることを何でも肯定してくれる友達なんですよ。
全くタイプが違うけど、その二人っていうのは関わることで孤独になるタイプの相手じゃなくて、関わることで帰属感を感じることができます。だからずっと尊敬しているし、感謝もあります。やっぱり大人になるにつれて意見する事って減ってくし。

qbc:どういう意見?

ロクシナ:うーん、例えば目の前の人の言ってることが矛盾してるなって思うじゃないですか。ちょっと立場が上の人で。
その時にあんまりぶつかっていけないじゃないですか。
このままだとそれが正しいってことになっちゃうなっていうのが分かってても、立場上難しいっていうことがどんどん増えていくんです。

qbc:はいはいはい、なるほどね。

ロクシナ:それこそ太田光みたいに孤独になってでも自分を貫ける人ってのはすごい大切だと思うけど、私はそれができないから。

qbc:でも19才でしょ?

ロクシナ:こう考えてるんだってことをあんまり周りに言えないんですよ。

qbc:なるほどね。はいはいはいはい。

ロクシナ:言ってもそこまで伝わらんだろうなって、ぶつかるのが怖いんだと思います。
noteにもちょっとだけ書いたことがあるんですけど、共通点が教養だけだと人って深く話すのが難しいんですよ。

例えば学校とかで習うレベルの話って「カレーは美味しい」ということ。
みんなはだから「カレー=美味しい」っていうのが常識で正しさだと思ってるんですけど、本当はカレー自体にも色んな種類があって、美味しいって思うかどうかは今までいろんな説があると、私は思ってる。
でもやっぱりそのカレー、どんなカレーがあるかっていうのは専門知になってくるし、美味しいかどうかっていうのは知識があっての自分の思想とかになってくるんですよ。
相手に思想の話をするのは難しいんですよ、やっぱり。
カレーが美味しい自体が前提としてあるから、そこで私がカレーが美味しくないって言ったら「あ、この人は分かってない人だ」ってなるんですよ。

qbc:なるほどね。

ロクシナ:だから学校っていうのは教養を競わせる場で、思想を競わせる場ではないと思うんですよ。
議論の場ではないから。でもただそれが社会でも同じようになってる。
例えば収入が多い人の方が、言い方が悪いですけど、人生勝ち組みたいなのがあるじゃないですか。
その人の前提として根底にある価値観で、無意識にその人は人と話をしてるんです。
その根底の価値観って、要は「カレーは美味しい」と一緒なんですよ。

qbc:はいはいはい。

ロクシナ:人は、教科書に書いてあったことを暗記するようにその常識を覚えていってるだけ。
要は時代に好かれているってだけなんですよ、そういう考え方って。自分の頭で考えているようで、正しさを暗記しているだけ。
だからそれ自体が正しいってなってる限り、私が言ってることってどう頑張っても間違いにしかならなくて。
そういうところですごくニュートラルに私の話を聞いてくれる人っていうのを、インタビューで言葉にしてもらって、あぁ共感できるなみたいな人がいたらいいなって思ったりしてます。

qbc:なるほど。でも比較的、ロクシナさんの考えに共感する人は多いんじゃないのかな、無名人インタビューの読者って。
そもそも日本に住んでなかったり、アウトローだったりする人もいるし。

2、笹川真生及び音楽の話

ロクシナ:ちなみにその、笹川真生好きなんですよね、確か?

qbc:好き好き。でもつい最近かな。
Soundcloudで見つけて聞きだした。こんな感じの音楽ってあったんだって。
もともと私ニコ生主だったりして、ニコニコ好きだったど離れちゃったんだよね。
初音ミクも好きで、この笹川さんもボカロPだったわけですけども。
あのボカロの人間離れした音楽性を10代のころから浴びていると、こういう風な音楽を作るようになるんだなあって思って。
むちゃくちゃ転調したり、人間が歌えないような高音出したりとか。
で、これをまた人間が歌ったり演奏しようとしてるっていうのがおもしろい。
もうこの世のものじゃないよね、やりたいことがね。

ロクシナ:そうですね。はいはいはい。

この世のものじゃないぽいてこういう感じの。

ロクシナ:私は日本のシューゲイザーは好きですよ。

qbc:シューゲイザーって何を指して言ってるの?
ごめんね20年歳くらい差があるからさ。シューゲイザーという言葉自体をまだ使ってるんだって感じなんだよね。

ロクシナ:若手のシューゲイザーバンドだと「17歳とベルリンの壁」とか。

qbc:分かんないわ。

調べましたこれです!

ロクシナ:音楽のくくりってすごくざっくりですよね、ロックとかパンクとかも厳密にいうとよく分かんないし。

qbc:レディオヘッドとかは分かるの?

ロクシナ:いや、分からないんですよ。聴いてみた方がいいみたいなのは、いつも言われるんですけど聴かずじまいで。

出たー聞いてみたほうがいいよマン。でもこれは聞いたほうがいいよ!

qbc:聞いてみた方がいいとは言わないけど、シューゲイザーの語源は知ってるんでしょ?

ロクシナ:シューゲイザーは靴を見る人っていう意味ですよね?

qbc:うなだれて歌って、靴のつま先見てギター弾くからシューゲイザー。

ロクシナ:笹川真生さんは何の曲が好きなんですか? 映像は?

qbc:ロクシナさんのTwitter見て映像作る人だったんだ、と思った。

ロクシナ:漢字表記になってからだいぶ変わりましたよね。

qbc:そうなんだ。それすらも知らないからね。

ロクシナ:そうなんですよ。「ねぇママ」っていう曲すごい好きです。

これ「ねぇママ」

qbc:はいはい分かる。

ロクシナ:あ、分かりますか?

qbc:今まさに、ついこの数ヶ月で知った人だからめちゃめちゃ聞いてる。

ロクシナ:あれとか聞きます? 採用ハウスとかは分かります?

qbc:タイトルまでは分からない。

ロクシナ:採用ハウスっていう笹川真生とキタニタツヤ分かります?

qbc:分からない、ごめんなさい。あ、ユニットなのね?

ロクシナ:配信で笹川真生とキタニタツヤとニシハラスンホっていうアーティストが3人でやってるんですけど、お酒を飲んで暴れてるやつですごい面白いんでぜひぜひ。

qbc:へぇ見ます見ます。

ロクシナ:音楽は趣味合う人、私いなくて周りに。

qbc:これはでもいるんじゃない? これはっていう言い方変だけど。いないんだ?

ロクシナ:なんか私の周りちょっとパリピが多いんで。いい人ばっかりですけどね!

qbc:そうなんだ。じゃあそうかもね。

3、女子大生とインターネットの話をする昭和50年代生まれのqbc

ロクシナ:何の話を振られてもなんとなくは話せるし、だけどこれに夢中になれる!って物はすごく少ない。飽き症だし。
それに自分の好きな物ってなると、踏み込んで話せる人はあんまりいないですね。
だから話したくて仕方なくて、Twitter始めたんですよ。

qbc:なるほどね。

ロクシナ:DTMとかはやられないんですか?

qbc:私自身は全然。音楽は聞くだけの人。

ロクシナ:ちょっと話ずれるんですけどミルナさんって分かります?

qbc:分からない、ミルナ?

ロクシナ:インターネットでやってる、人形作家の方なんですけど。加工ありきの表現っていうのをやってる人で。

この方ですね!

ロクシナ:自分の顔を色々と加工して作品を作っている方なんですけど、バーチャルYouTuberみたいなこともやってるし。
仮面をかぶって体は自分で人形で表現をしたり、自分の顔にインターネットで人形ぽい加工をしてその表現したり。
すごくポストヒューマン的で面白いなぁって思うんですよ。

qbc:はいはいはいはい。

ロクシナ:私は割と、結構人間ってもう一段階いけるんじゃね!みたいな考え方なんで。
倫理的にはちょっと良くないかもしれないですけど。

qbc:うん。

ロクシナ:例えばだけど、音楽にしても、めちゃめちゃ高音域まで声が出せるようになるけど、ものすごく安全な薬が開発されたりとか。
そうしたら表現の幅ってすごい広がるじゃないですか。

でもその一方で、表現って結構人を殺すものでもあると思ってんるんですよ、私は。
一番最初の「人の本質的な気持ち悪さうざさ」の話に戻るのですが。
要は、自分自身の目指す芸術性に自分をあてはめてしまうと、そこからはみ出た個人性というか、人間らしい部分はどんどん薄れていく。芸術性に反するうざさが見えなくなって、神様みたいな存在になっていくんです。ビジュアルバンドのメンバーからプライベートが見えないように。カリスマって言われる人たちは、それを地でいく人だと思うんです。
あと、芸術性は、特殊性癖みたいなところがあると思うんですよ。

qbc:性癖の話って時々するけど、特殊性癖じゃない人はいないんだよね。
性癖はみんな特殊だよ。人それぞれ違う。

ロクシナ:そうなんですよ。それがすごい本質としてあると思ってるから。
だから表現は人を殺すし、活かすんだと思う。今までの話からは矛盾するかもしれないけど、型から外れた人を別の型に入れてるのって、すごい意味ないと思うんですよ、私。

qbc:面白いね。なるほどね。でも、そんなに人と合わないんだ? いっぱい合う人いると思うけど。

ロクシナ:本当ですか?

qbc:うん。同世代ではないにしても、ロクシナさんは、笹川さんとかのやってる表現は分かるわけじゃん。ミルナさんとかも。
そういう風な表現を分かる人って、当然他にもいっぱいいるわけだからさ。

ロクシナ:なるほど。
無名人インタビューなのに、あんまり質問すると今度は逆に私がインタビューしてるみたいになりますよね。

qbc:最近そういう傾向多いかな。
私自身に興味を持ってインタビュー受けていただいてるパターンですね。
このインタビューを始めたきっかけの一つが、芸能人の方と仕事をする機会がある時期があって、その時に雑談とかしてて「あ芸能人も普通の人だよな当たり前だけど」と思ったんですよね。

ロクシナ:なるほどなるほど。芸能人の人ってすごくあれですよね、人から求められる像と自分の本質的なところでのギャップみたいなのが、すごいしんどいんでしょうね。

qbc:人間を商品にしたらだめだよって思うんだよね。辛くなっちゃうよね、ストレスで。

ロクシナ:SNSもそういうところありますよね?

qbc:え、SM?

ロクシナ:SNSが。

qbc:あ、ごめん。

ロクシナ:今とか特にYouTuberがテレビに出たりするじゃないですか。
要は受け口が広がったと言うか。植松務さんて分かります? ロケットを作る人なんですけど。

この人です!

ロクシナ:すごく高学歴な方ではないんですよ。
小さい頃から勉強は苦手だったけど、ロケットの知識だけはすごい好きでいっぱい本を読んでて。
たまたまその知識が大学の教授に「あなたにしか分からないことがあるから手伝ってほしい」って言われて、夢を叶えた人なんですけど。

qbc:はい。

ロクシナ:ロケットを作るっていうと、そもそも成績を良くして、これこれこういう機関に入ってっていうのが進路としてありますけど、それってあくまで一つの手段に過ぎないんだなって。
目的のために、例えばテレビに出ようって思った時に、今までだったら芸能プロダクションに入るっていうのが主な手段だったのに、自宅からインターネットに配信するっていう色んな選択肢が増えていったみたいな。

qbc:なるほど。

ロクシナ:自分の得意なものを突き詰めていくことで、正規ルートではなくても成功できるっていう、可能性が広がったんだなと思います。
表現的な部分はどっちかっていうと突き詰めていくタイプじゃないですか。
逆にお笑いだったり芸能人だったりとかっていうのは、より大衆に受けるようにある程度デフォルメしてっていうところがあるじゃないですか 。

qbc:いわゆるキャラクターだよね。

ロクシナ:そうですね。文章だったりとか趣味だったりっていうのは、突き詰める側なんじゃないかなと思います。

qbc:なるほどね、すごいね。やっぱり物心ついた時からインターネットにふれている世代は感覚が違うね。

ロクシナ:SNSって多くの人が使うようになってサブカルチャーじゃなくなってきてるじゃないですか。
匿名性も薄れてきたし、割とトップカルチャー寄りになってきたから、メインカルチャーと変わんないんじゃないかっていう気はしますよね。

qbc: 変わんないと思ってますけどね、私も。

4、詩を書いてます(女子大生)と君島大空

ロクシナ:今までのインタビューで面白かったインタビューあります ?

qbc:皆さん面白いですよ。それぞれ、 色んなパターンがありますね。
最初は66才の方で。人と話すのが苦手という人や、海外在住の方とか。

ロクシナ:すごいですね!

qbc:自分の考え方を周りに知ってほしい、リアクションが欲しい、という方も多かったですかね。
ロクシナさんもそれに近いところはあると思うんですけども。
ちょっと普段は隠してる部分だけど、話してみたいとか。

ロクシナ:なるほど。はーはーはー。

qbc:ロクシナさん自身は、何かを作ったりとかの欲求はないんですか?
今日小説をアップしてましたけど。やりたいことっていうか。

ロクシナ:笑。私はすごくアウトプットに対して羞恥心があるんですよ。

qbc:はいはい。そうか。

ロクシナ:だから自分を冷めた目で見てて、プロじゃないのにこんなことしてるのってどうだろうというのがあるから。
誰かの為っていうんだったら、俄然やる気がでます。
例えば私が文章がうまいから、今度例えばコンテスト出るからそれの紹介文書いてくれない? とかいうのだったからやるんですよ。
面白がってくれる人がいない、自分からっていうのは無理かもしれないですね 。

qbc:なるほど。

ロクシナ:私は今のnoteの1個前のnoteで、普通の日記を書いてたんですよ。
感覚としては、最初ちょっと一般に受けるようなことを書いて、だんだん絞っていこうと思って。
結局フォロワーが20人ぐらいいった時にやめたくなって 。
そのnoteをやっていた時に、たまたま同じバンドが好きでインターネットで知り合った人が、すごい私の文章を褒めて下さって。
私は、趣味で書いてるだけで、人に見せたことっていうのはなかったんですよ。
インターネットにあげるのもシンプルに自分のモチベーションにしようと思ってやってたんで。
まだそこが中学生高校生の感覚が抜けてないのかもしれないですけど。
やっぱり自作の小説を書いたりする人を笑う人っているじゃないですか 。

qbc: まだいるんだそんな人。

ロクシナ:すごくかっこ悪いなーっていうのが自分に対してあって。
本当は小説っていうよりか、1人で詩みたいのを書いてるんですよ。
私、音楽を聴くのが好きだし、歌詞も好きなんですよ。
高橋源一郎もすごく好きで、詩が好きだったから、人に言えないことを、自分が消えてしまいそうで怖くて自分で言語化するみたいな。

ていうのを一人でしてて、それをすごくすごくかみ砕いて、分かりやすく文章にしてnoteにあげてたんですけど。
それに関しては、未だに大学1年生にもなってnoteにポエム書いてるの恥ずかしいー! みたいのがすごいありますね。

qbc:何でー? まあ、そういう恥ずかしいものか。

ロクシナ:そうなんですよ。私がすごくそうなんで。

qbc: ま、そうか。とにかくまあ、詩の価値が低いよね。

ロクシナ:そうですね。でもこれ言ったらあれだけど、一般受けするのって、「詩」よりも「詩プラス曲」だと思うんですよ。

qbc:歌詞はOKなんだよね、なぜか。

ロクシナ:そうです。だから、詩集を出すよりも曲にした方がまだ受けはいいというか多くの人に分かってもらえるみたいな。

qbc:そうね。

ロクシナ:受け口は広がるんかなーって思いますね。

qbc:まーでも全然違うからね。

ロクシナ:まーそうですね。ジャンルが違うから。

qbc:そうね、笹川さんて、谷川俊太郎が好きなんだね。wiki見たら書いてあった。

ロクシナ:笹川さんは、結構「生きる」肯定派なんですよ。生きること肯定派で、キャスとかでもちょっとだけ言ってるんですけど。
「ねぇママ」とか「官能と飽食」とか、笹川さんって性別は男ですけど、すごく母性的なことを感じるんですよ。

qbc:はいはいはいはい。

ロクシナ:母性って、絶対肯定だと思います。人間の生に対する。
生きることに対する絶対肯定みたいなものを。笹川さんの曲からは感じるから、すごく、いいなーって思います。

qbc:えーと全然違うと思われるんだけど、私、中島みゆきをちょっと感じてるのね、笹川さんに。笑

ロクシナ:あーなるほど。

qbc:中島みゆきの「生きていてもいいですか」っていうアルバムがあるんですね。知ってる?

ロクシナ:いや知らないです。

qbc:知らないよね、多分5枚目とかだと思うんだけど中島みゆきの。
恨みますっていう歌知ってる?


qbc:9曲位入ってるやつで、1曲目が恨みますで入るんですよ。で、最後の2曲がすごくて。
エレーンていう歌と異国っていう歌なんだけど。
エレーンっていうのは外国人売春婦が殺されちゃって、その人達の事を笑えないでしょって。
そこの歌詞に「生きていてもいいですか」って歌詞があるんだけど。
その後の「異国」っていうのが外国人売春婦が異国に来てどこにも行き場がないみたいな、死んだ側から歌っているような歌なんだよね。
でね、中島みゆきはがっちがちに版権管理やってるから音源がインターネット上に存在しないんだけど、カバーしてる人ぐらいしか聞けないんだけどさ、いわゆる女性系、女神系というかこの世にいない感じの歌い方をするじゃないですか。性別越えちゃってるというか。

ロクシナ:はいはいはい。

qbc:で、面白いのは、中島みゆきの卒論は、谷川俊太郎なんだよね。

ロクシナ:そうなんですね。

qbc:そうそうそう。

ロクシナ:そうですね。表現するっていうこと自体が、生への肯定であってほしいですよね。

qbc:基本的には生への執着。出方は違うにしても、否定してたとしても肯定だと思うけどね。だったら何も言わなくなっちゃうはず。

ロクシナ:そうですね。

qbc:笑。こういうこと話せる同世代の友達ができるといいね。
私も全然話してて楽しいけど、もったいないないなと思って。ごめんね、どうぞ。

ロクシナ:アーティストとかがエモいって言われるの嫌うじゃないですか。

qbc:あ、表現がシンプルすぎて嫌ってことね。もっと具体的に伝えてよって。

ロクシナ:でも、ある表現に対して何かを表現するとなると、新たな表現を作るってことじゃないですか。
感想に関しては、「心が動いた」以上の言葉は蛇足だとおもえませんか?

qbc:いや、そんなことないでしょ。他の言い方があるでしょ。

ロクシナ:エモいっていうのは、感覚的に平安時代の「もののあはれ」とちょっと似てると思うんですけど。

qbc:うんうん。

ロクシナ:「もののあはれ」って、音楽とか聞いてて涙が出てくるみたいな。その感覚全般みたいな感じなんですけど。
根本的には、表現、音楽にしても絵画にしても文章にしても、いいなーって思う感覚自体はもう純粋経験と言うか。言葉にして新たに作り直して、時間で美化されちゃうと、それはその人の作品になっちゃってるから。

qbc:ああーなるほどね。

ロクシナ:作った本人側としては、やっぱりちゃんとした感想が知りたいっていうのは分かるんですけど、でもやっぱりもののあはれ以外なくて。
言葉を尽くせば尽くすほど、違うものになってちゃうなーってすごい思うんですよ。

qbc:なるほどね、そうか。でも自分の外の世界に対しての敬意みたいな感じに思うけどね。感想を具体的に伝えるというのは。
お互いに双方が打ち合うのがコミュニケーションと思うので、一方的に受けてエモいとか感動しましただけだと、ちょっと違うかな。
動かされたからには、動かされた何かを返さなきゃねと。

ロクシナ:あーなるほど。多分私はあんまり語りたくない人間なんですよ。本当は何も語りたくない。 口から出る言葉や行動のすべてが嘘臭くて、幼稚ではずかしいと思ってしまう。

qbc:それで人当たり良くたって、表面的だったらどうしようもないでしょ。

ロクシナ:違うんです。本心で違うって思ってるというか。

qbc:あーエヴァンゲリオンに似てるね。
親子コンテンツだよね。親も見ていて、子供も見ている。私が高校生の頃に見ていたアニメですよ。

ロクシナ:エヴァンゲリオンはPK Shampooっていうすごくハマったバンドがあって。そのバンドのボーカルの方がすごい影響を受けていたから。

京都線/PK shampoo

ロクシナ:その作品を見る時に、やっぱりその中の人が影響を受けたものとかも私はちょっと見たいんですよ。
それあっての作品だと思うから。

qbc:私が15とか16の頃に見てた話。

ロクシナ:エヴァンゲリオン、面白いですよね。私普段はめったにアニメを見ないんですよ。
私、小さい頃にポケットモンスターのダイヤモンドパールとか見てた世代で、だから逆に最近のなめらかなアニメに抵抗があって。
エヴァンゲリオンは時代は古いけどちょっと懐かしい感じがあって、それで好き、みたいなのはありますね。

qbc:面白いな。インターネットの面白さって、世代を超えられるところだよね。
昔のアニメを見ようとかって、ネットなかったら難しい訳じゃん。

ロクシナ:そうですね。

qbc:音楽もそう。YouTubeのおかげ。

ロクシナ:多分、相当仲良くならないと喋れないようなことも、かなりすっ飛ばして喋れますからね。

qbc:そうそう。エヴァンゲリオン見てるんだーみたいなさ。
年齢関係なくなって話せるみたいな。面白いねー。

ロクシナ:私、最近はまってるのは君島大空っていう人なんですけど。

qbc:あ、Twitterに流れたの拾って見ました!

ロクシナ:あーありがとうございます。あの人、すごく天才肌の人の若い頃って感じがするんですよ。

qbc:もうひと化けるんじゃないかみたいな感じがあるね。
これで終わりじゃないっていうか。もう1回変わるんじゃないかみたいな。
このままじゃない感がある。

ロクシナ:今ってもろいっていうか、危なっかしい感じがするんですよ。

君島大空、はめちゃくちゃかっこいい。

ロクシナ:これからもっとマイルドになって、しっかり土台ができるのかもしれませんね! 有名になったら。
でも、出だしの頃の、めちゃめちゃ若いし、鋭いし、もろい感じがすごくいいなって思いますね。

qbc:あ、君島さんはコーネリアスとか好きなんだね。コーネリアスは分かる?

ロクシナ:やあんまり聞いたことないです。

qbc:あ、でも知ってる?

ロクシナ:はい。
音楽はなにで聞くんですか。普段どうやって新しい音楽を知ってるんですか?

qbc:今はもうSpotifyになりましたね、このコロナのテレワークになってから。
今までずっとサウンドクラウド聞いてただけだったんだけど、聞く時間が増えたから。
そしたらめちゃくちゃ楽しくて。
昔聞いてた曲とか聞きなおしたりしてさ。

5、エモいともののあはれ

ロクシナ:自分が最初に発見したと思ったことで、調べたら普通にどこかの教授が言ってたことなんですが。
「エモい」が流行ってるのってすごい平安時代の「もののあはれ」が流行ったのに似てると思って。
平安時代ってよさげな枝を折ってよさげな言葉で手紙を書いて、それをエモいエモい言ってたわけで。

それって現代で言うと例えばフィルターを使って写真を撮って、それをエモいって言ってるのと似てるっていうか。

qbc:同調系なのかな? 可愛いとかやばいとか、そういう。
エモいエモいって言い合うことで、その場の一体感が生まれると思いますね。
冒頭の話に戻ると、そこで細かく話をしてしまうと、話が止まっちゃうんだよね、共通の時間がね。

ロクシナ:対立になりますよね、どうしても。

qbc:それは対立と捉える人と捉えない人がいるけれども。
なんかラーメン食べてる時に、食べる前にそれを急に語りだしてしまったらラーメン冷めちゃうんだよみたいな。
旨いって言ってからあとで話してよみたいに思ったりするけど。

ロクシナ:可愛いとかもすごく難しい言葉ですよね。純粋な意味でつかうことがとても難しい。

qbc:そうですね、あ、でも言葉に意味があるのかどうかっていうのは実はとても曖昧で。

ロクシナ:そうだと思います。

qbc:挨拶に意味って無いし。

ロクシナ:それこそ最初言ったみたいに教養と似てるところがあると思います。

qbc:そうかもね、知識レベルを確かめ合うだけの会話みたいなね。

ロクシナ:そうそう。

qbc:声を出す時に意味のない会話するっていうのは健康状態を調べるみたいのがある訳ですよね、お互いに。動物レベルと。
あ、なんかこの人ちょっと健康じゃないかも。みたいな、病気うつっちゃうから近寄らない方が良いかもみたいな。そういう感覚がある訳ですよね声を出すのに。
あとは敵じゃないよねっていうのを確認するっていう。

ロクシナ:カイジって漫画分かります?

qbc:カイジ分かる。うんうん。

ロクシナ:カイジで電流が走っている橋を渡るシーン分かります?

qbc:はいはい、分かる分かる。

ロクシナ:あの時に、それぞれ会話をするけど会話自体に意味はなくて、要はそのお互いが生きてるっていう信号なんだみたいなシーンがありましたね。

qbc:情報の交換って実はあんまないよね、日常的だとね。

ロクシナ:そうですね。
私は、原動力が好奇心なんだと思うんですよ。
エヴァンゲリオンを見たのも、その根本にPK Shampooの曲をもっと深く知りたいから見たわけだし。
私太田光がすごい好きだけど、考え方の全部に賛同しているわけではないんです。
物事を100%好きになれることはないけど、ただあの人にしか喋れないことをあの人が喋るからすごい面白くて、惹かれます。
太田光がその影響を受けたものを知ったら、もっと言ってることが根本的に分かるんじゃないかなとか。

qbc:なるほど。あ、そろそろ時間ですね。インタビューっていうか、お互いの趣味の話をしたっていうだけだったと思うんだけど。

ロクシナ:でも楽しかったです。

qbc:私もすごい楽しかったです。今後、noteでこういうことをしたいとか、ないよね?

ロクシナ:そうですね、ないですね。
アウトプットがすごく苦手なんですけど、面白がってくれる人が一定数いるから、細々と続けれたらいいなって思ってます。

▷アウトロ

なんか中身がないようなイントロを書いてしまいましたが、中身ありましたよね。
特に、
・人間のそれぞれの個性を見るのは気持ち悪い。
・芸能人は一部の性格をデフォルメしてキャラクターにしている。

てところ。
これ、実はすぐ近くにいる他人よりも遠くにいる芸能人を好きになるのは、つまり商品化されてそぎ落とされた個性ではないと、人間は単んを受け入れられないってことなのかもしれないなと。
生の他人を受け入れると気持ち悪いと。
たしかにね、例えば無名人インタビューは疲れますよ。他人の心の世界に入っていこうとするわけですからね。

あと、自分の意見が周りからどう思われてるんだろう? というのもひとつの特徴だったかと。まあ無名人インタビューに参加しようと思うだから、それはそういう方が来て当然というのもあるのですが。
ただ、このインタビュー中に出たキャラクター化するSNSコミュニケーションの中で、本当に自分が心から思っている素の意見を言ったらどうなるんだろう? という気持ちはあるのかもしれませんね。
比較的私は言いたいこと言って人間関係を破綻させるタイプなので、本当のことを言ったらどう思われる欲求はないのですが、ひとつSNS社会の中で生じる欲求なのかもしれません。
私どう思われてる? ってのはもちろん人間にもともとある感覚ではありますが。

で、今回のインタビュー記事の中で何度も現れた笹川真生さん作詞作曲の2千万再生間近曲がこれです。tiktokでバズったらしいんですが、バーチャルシンガーへの提供曲ですね。

きいてよね!!


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