バンコクで駐夫(ちゅうおっと)している人
むかしむかし、日本のある村に暮らす幸太郎(こうたろう)という男がおりました。幸太郎は心優しい夫でしたが、仕事がなかなか見つからず、妻の華子(はなこ)が家計を支えていました。
ある日、華子が言いました。「幸太郎、私がバンコクで仕事をすることになったの。あなたは家で留守番をしていてくれる?」
幸太郎は驚きましたが、妻を支えたいと思い、こう答えました。「分かった。僕は立派な『駐夫』になって、君の後押しをするよ」
こうして幸太郎は、はるか遠いバンコクで働く妻を日本で待つ「駐夫」となり