オフィーリアの影響を受けて：ミハラヤスヒロの靴とワンピース

2012年春夏コレクションのメゾンミハラヤスヒロから、「ハムレット期」と呼ばれるシリーズの中で登場したフリル半袖ワンピースを入手。このコレクションはシェイクスピアの『ハムレット』に登場するオフィーリアの悲劇をテーマにしていて彼女が人生の終わりに見た夢や幻想がデザインに反映されている。個人的にオフィーリアの物語はとても好きで彼女の儚さや美しさがこのワンピースを通して表現されているところに惹かれた。

イギリスの画家ジョン＝エヴァレット・ミレーの代表作「オフィーリア」

ファッションとは永遠の夢であり、楽しく、そして儚いものである。

ワンピースのデザインはイギリスの画家ジョン＝エヴァレット・ミレーの有名な作品「オフィーリア」の雰囲気を感じさせる繊細さが特徴的。特に柔らかく波打つフリルが水面に漂うオフィーリアの姿を思わせて着るたびにその世界観に引き込まれる。色味も淡く、どこか夢の中のようなぼんやりした印象がありつつもディテールは非常に精巧。ミハラヤスヒロらしい独特の視点が随所に光っていてまさにアート作品を身にまとう感覚。

2012SS Maison Mihara Yasuhiro "ハムレット期" Ruffled Short Sleeve Dress | UNKNOWN powered by BASE

自分がミハラヤスヒロと出会ったのはアルチザンブームが訪れた頃だった。この時期、ファッション界は本当に熱気に包まれていて特にコムデギャルソンの川久保玲がポールハーデンとコラボしたことが印象的だった。あの独特なデザインには当時の僕も衝撃を受けた。コムデギャルソンが絶頂期にあったこともあって街中がストリートファッションからドメスティックへと流れが変わっていった。

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