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詩集『微熱期』の御書評をまとめました
私の第四詩集『微熱期』(思潮社)。刊行後に、素晴らしい書き手であり、読み手である詩人の方々に御書評をいただきました。
書評はとても気力、体力のいるお仕事だと、私自身つねづね感じています。
時間的な制限のあるなかで、たくさんの詩集が刊行されるなかで、お書きくださいましたこと、大変ありがたく、感謝しております。
感謝を込めて、御書評を下記にまとめました。一冊の詩集のさまざまな読み方を味わっていただけたら。
私自身、これらの御書評から、自分でも気づかないことを多く教えていただきました。詩を続ける手がかりをいただいたと思っております。
◆和合亮一さん
「毎日新聞」2022年6月23日 夕刊 「詩の橋を渡って」
「浮かんでは消えるような印象の連なりが、新しい現実のリアリティーを生み出そうとしていることが読み進めていくうちに強く実感できるだろう。……それは単純なものではなく、生きる者みなが抱えている根源的な意味へと向けられている気がした。それがあるからこそ、心に強さを与えてくれる。詩へと向かわせようともする」
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◆カニエ・ナハさん
「読売新聞」2022年7月2日 夕刊 「詩を遊ぶ」
「幼少の眼差しと成熟した思考とが繊細に縒り合わされ、現れては儚く消えてゆく雪の一片一片のような柔らかい微熱の言葉が、私たちの記憶の奥底にまで届き、降り積もっていく」
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◆城戸朱理さん
「共同通信」7月 「詩はいま」
「ときおり、世界の終わりという終末への意識が表れるが、それを諦念とともに受け入れるのではなく、世界の新生に向けて言葉を紡いでゆく」
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◆野村喜和夫さん
「公明新聞」2022年8月1日 詩集評
「ポエジーにはまた謎の提示という面もあると考えるが、『微熱期』からも深い謎が浮かび上ってくる。端的にいえば、作中の「あなた」とは誰だろう。……ひとりの生を超えた生の広がりを、「そらのみみ」を、いや、それこそ他界からの「さざなみの震え」を、今ここにもたらしてしまう媒介者、であるかのようだ」
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◆松下育男さん
「交野が原」93号(2022年9月1日発行)
「人に伝えうる言葉の可能性を、さまざまな形式の組み合わせによって広げようとする意欲的な試みの詩集だと、ぼくには見える。むろんその試みは、詩集全体に流れる作者の揺るぎない叙情によって支えられている」
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◆青木由弥子さん
「詩の中庭」2022年8月18日記事
「はるかな場所からやってきて、やがてまた(おそらくはそこへ)去っていくであろう人の営みに寄り添うように、心の奥底にしまわれている水辺の記憶、揺らいでいた思いの世界を呼び覚ましてくれる“あなた”あるいはもうひとりの“わたし”が呼び出されていく」
◆時里二郎さん
「森のことば、ことばの森」2022年9月2日記事
「『微熱期』で試みられているのは、《私性》のポリフォニーとでも呼ぶべき多声的な「わたし」を話者とすることで、言葉のさらなる沃野――とりわけ新しい抒情詩――へと詩を導こうとすること」
◆カニエ・ナハさん
「詩客」2022年8月27号 短歌評
カニエさんは、『微熱期』の短歌部分についてもお書きくださいました。
詩集『微熱期』の御購入について:
全国の書店でのご注文のほか、Amazon、ジュンク堂書店(honto)、紀伊國屋書店、出版元の思潮社のサイトからも御購入いただけます。
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