全然重い意味じゃなくて毎日自分の半身を探している
自分の思考を見透かされるのは腹が立つけど、察して汲み取ってもらえると好きになってしまう。もっと言えば、同じタイミングでお腹が減ってくれると好きだし、同じスニーカー狙ってるって知ったら嬉しいし、同じ境遇の人間を見付けては、一定の安心感とささやかな自己肯定感を得ているのです。
僕は人間としては欠点の方が多くて、働きたくないし、察したくないし、弁えたくない。完成形を100パーセントとするなら、その半分くらいしかパーツが無いまま中途半端に大人になっちゃったって感じです。そんな僕は自分の欠点を補える真逆の存在であったり、ただただ自分と少し似てる所のある人を探しています。見つけたからといってこれと言って僕の中以外には何一つ作用しないんですが。
前振り死ぬほど長かったですが、先日YouTuberの岡奈なな子さん(普段自分の中で話題に上がる時は呼び捨てしてる)のエッセイ集を読みました。エッセイ集って買っても読み終わった試しが無い苦手ジャンルなんですが、割とすんなり読み終わることが出来ました。
登録者が50万人を超えている人気YouTuberですが、初エッセイ?のためか自己紹介的な要素も盛り込まれていて、読者が勝手に彼女のひととなりに触れることが出来る楽しいエッセイでした。中学生の頃に不登校状態に陥っちゃうとこや、自分は自分だって頑固なことや、祖父母の古い家に一人で生活しているところなど、境遇がちょくちょく似ていて、勝手にウキウキしておりました。僕の住んでる家は曽祖父母の家なので古過ぎて、人が住むのは危険との判断で建て替えられたため、昭和的な風情は無いですが。
こうしてエッセイを読みながら、自分の半身にマッチしそうな破片を見つけては、あてがって見て「うんうん〜」と、変に納得して、だけどそういう破片ってお持ち帰りすることが出来ないので、元あった場所に戻して、今日も僕は半身だけで社会生活を営んでいきます。友達でも恋人でも先生でも、もう一人の自分になり得るもう半分を今後の人生一生探し続けるのかと思うと、終わりを定めず永遠にキャンピングカーで旅行しているセミリタイア済みのセレブみたいだなって思いました。最後まで読んでいただいてありがとうございます。