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あの時に戻れたら
私はこれから就労支援B型の事業所で働く方向で手続きをしている。
昨日、その事業所を見学してきた。
利用者の方たちが活き活き働く姿が、とてもうれしかった。
時を遡り、私があきらかにメンタルの不調を感じたのは、10代後半の頃。中学時代からも人間関係が辛く、高校を中退した後、フラッシュバック、幻聴のようなものなどに悩まされていた。
(あと自分の記録のために残す。自分が生きているのか死んでいるのか分からない不思議な感覚、突如現れる軽い発作の様なものもよくあった。言葉で説明しにくい何とも気持ち悪い感覚でそれは突然現れる。)
しかしその頃日本は、「メンタルのことは気の持ちようだ」という風潮があり、私自身も「自分の努力が足りないから」「気の持ちようでコントロールできる」と信じていた。
だがその当時は、不登校が問題になりはじめた時期で、テレビではNHKを筆頭にいじめ問題が社会現象になっていた。
人との関わりを避け、家から出ることを怖がっていた私に、両親は何度も通信制高校を勧めてきたが、私は頑なに拒否し、その度に大げんかになっていた。
私自身はこうなりたくてなっているんじゃない、この"壁"(おそらく障害)がなかったら、もっと人と関わりたいし、あちこち出掛けていきたい。それを夢見ていた。
そのため相当勇気がいったが、免許を取ってバイトに行くようになったが、働いては辞め、働いては辞めてを繰り返し、貯金を切り崩しながら生活していた。
それから長い年月をかけて、様々な本や人、言葉、詩などとの出会いによってゆっくりゆっくり、バラバラに砕けた心が再生され、傷つき、再生してを繰り返し、少しずつ、本当にゆっくりと自尊心、自信を育ててくれた。
もっと早く良い心療内科に出会えたら、早い段階で就労支援制度というものを知り得たなら、あの長い時間はもっと縮まったのかもしれないと思うとあまりに惜しい。
でもこれが私の運命、私の道なんだ。
今を受け入れ、生きていくしかない。
残念だけど、これは親の無知と社会の風潮がもたらしたものだと思う。でも今更責める気はない。
私を信じて、時にぶつかり合いながらも
待ってくれたのだから。
「待つ」ということは簡単な様で、楽なことではない。とてももどかしいし、イライラすることもある。だからこそ、親には感謝したい。
その人はその人の時を生きている。
人はそれぞれ時計を持っていて、秒針の進むスピードは人によって違う。
それを見守ることもとても大事なことだ。
あなたの人生はあなたのもの。
という言葉を思い出した。昔親戚のおじさん夫婦がくれた誕生日プレゼントに添えられていたカードに書かれていた言葉だ。今でも残っている。
私には就労支援制度、心療内科と言ったヒントを渡すことしかできないけれど、
あなたのスピードであなただけの素敵な人生を送ってほしいと思う。
ちゃんちゃん♪ 完