1輪目「愛のひまわりメイデン」
やっほー!私、花道 陽鞠!この前ブラック企業を退職した24歳の乙女!みんなはひまって呼んでもいいのよ?
ひまはね、同じ境遇で幼馴染の乃空、時雨とサンライトステップ株式会社の職業訓練に通っているの♪
今日の訓練もそろそろ…、
秋元 千咲「はーい!今日の職業訓練はここまで!みんなお疲れ様!」
私たちの担任は秋元 千咲さん!職業訓練の会場であるサンライトステップの社員さんで、元イラストレーター!イラスト投稿サイトではかなり有名だったのよ!
年齢も近いから何かと話しかけやすいし、わからないところは丁寧に教えてくれるし、褒めてもくれるからやる気に繋がるのよね♪
そうそう、ひまなんだけどね、
100社受けてやっと新卒で入社できたと思いきや…、
実はかなりのブラック企業で陽鞠は体調を悪化させてしまい…、
退職したのです…。
転職活動しても、どの企業からも門前払い!!!
世の中ってなんでこんなに厳しいのよー!!!
そんな時、乃空が職業訓練に誘ってくれたの!
今は3人で通う職業訓練が毎日楽しみでたまらない!
先生も美人で優しいし、夢みたーい♡
花道 陽鞠「あー!!やーっと終わった!!」
空園 乃空「そうだね」
美鳥 時雨「さて、もう帰るとしよう」
花道 陽鞠「あっ、そうだ!この後、駅近くのカフェに寄らない?」
空園 乃空「いいね、賛成」
美鳥 時雨「うむ。拙者も付き合おう」
と!いうことで!3人で小夏丘駅最寄りのカフェに向かいましたー♪
花道 陽鞠「ん〜♪このお店のストロベリーラテ、おいちい〜♡」
カフェの店員「いつもご来店いただき誠にありがとうございます!」
花道 陽鞠「いえいえ〜ん♪」
空園 乃空「今日は私が奢るよ」
花道 陽鞠「ありがとー!」
美鳥 時雨 「うむ。感謝する」
帰ろうとした時…、
???「誰か…」
!?
???「誰か…、助けて…」
花道 陽鞠「え…?」
空園 乃空「陽鞠?」
美鳥 時雨「何かあったのか…?」
花道 陽鞠「ど、どこ、どこにいるの?あなたは誰?」
???「公園…」
こ、公園…?
花道 陽鞠「誰かが助けを求めているわ…!乃空と時雨には聞こえなかった?」
空園 乃空「いや…、聞こえなかった…」
美鳥 時雨 「同じく…。だが、昔から霊感が強い陽鞠だ。陽鞠、その声の主のところに案内せよ」
空園 乃空「お願い!」
花道 陽鞠「公園の方よ!」
美鳥 時雨「承知した」
私たちは声のする方へ向かったわ…!
花道 陽鞠「ここね、私たちが昔よく遊んでいた公園!」
???「助けて…」
花道 陽鞠「!!!」
美鳥 時雨「こ、これは…?」
空園 乃空「カ、カニ…!?」
花道 陽鞠「だ、大丈夫?!」
???「み、水をください…!」
花道 陽鞠「さ、3匹!?ピンク、水色…、緑色…!?み、水が欲しいのね!じゃあ、水を汲みに」
美鳥 時雨「待て、まだ飲んでいない予備のペットボトルの水ならどうだ?」
空園 乃空「す、すごい…!用意周到!」
美鳥 時雨「たまたまだ。さぁ、飲むといい」
時雨はカニらしき生き物にお水をあげたわ!
アモル「ふー、助かりました!どうもありがとう!私はアモル。ヒマワリガニというひまわり郷から来た妖精です」
スペース「私はスペース。よろしくね」
フィーデス「フィーデスだ」
花道 陽鞠「妖精って本当にいたんだ!よろしくねみんな!」
空園 乃空「それより、ひまわり郷?」
美鳥 時雨「そなたらは異世界から来たのか?」
アモル「はい…。私たちは悪者から逃げてきたの…」
花道 陽鞠「わ、悪者!?」
アモル「うん。私たちの故郷にひまわりメイデンっていう伝説の戦士がいたんだけど、虫の妖怪集団ツォルセットと戦って負けて…侵略されてしまったの…。…奴らは世界を虫の妖怪の楽園にする気よ…」
空園 乃空「まぁ!酷い!!!」
アモル「私も含めてヒマワリガニは7匹いるんだけど、残りの4匹は別のところに飛ばされていて…、行方がわかっていないんです…」
スペース「ひまわりメイデンさえいれば…」
美鳥 時雨「彼女たちはどうなったかは…」
フィーデス「それもわからない…」
花道 陽鞠「そっか…。…、ねぇ、よかったら私たちが手伝おっか?あ、私は花道 陽鞠!」
空園 乃空「空園 乃空よ」
美鳥 時雨「美鳥 時雨と申す」
アモル「よろしくね!…、そうだわ、今のうちにペアでも作っておきましょう!」
花道 陽鞠「ちょうど3対3だもんね!」
ペア作りはあっさり、色で決まりました♪
パートナーなんだけど、ひまはアモル、乃空はスペース、時雨はフィーデスに決まりました♪
空園 乃空「じゃあ…、ペアが決まったところでそれぞれ自己紹介でもして…」
私たちが時間を忘れておしゃべりしているその頃…、
ツォルセットのボス「…、ほぅ…、この世界のひまわりトーンはこれで全部か…」
???「はい。仰る通りでございます。どうぞ受け取ってください」
ツォルセットのボス「うむ。よくやったな、ホワイトスモールブライド、マリーエよ」
マリーエ「はい、ありがとうございます!それにしても、この世界のひまわりメイデンが弱過ぎたんです!」
ツォルセットのボス「それもあるな…。ひまわりの女神はどうやら人間界にもひまわりトーンを隠したらしい…」
マリーエ「えっ!?人間界にも!?」
ツォルセットのボス「あぁ…。もし、全て集めることができたら…」
マリーエ「はい…」
ツォルセットのボス「お前に素敵な男性を紹介しよう。しかも、イケメンだぞ」
マリーエ「はっ!このホワイトスモールブライド、白きてんとう虫のマリーエにお任せあれ!!ひまわりトーンを全て集めてみせましょう!!」
ツォルセットのボス「期待しているぞ」
マリーエ「ありがとうございます!」
花道 陽鞠「ひまわりの女神様…」
アモル「ひまわり郷で一番偉いお方!その方がひまわりメイデンを選定するんだけど…」
スペース「その方も行方不明なの…」
花道 陽鞠「そんな…。あ、そうそう!なんで、ひま、あんたたちのテレパシー、聞こえたんだろう…?」
美鳥 時雨「気になるな…」
空園 乃空「ひまわりトーンもあの人が作ったのね…。でも、ひまわりトーンってどうすれば見つかるかな?」
スペース「それが…、わからないの…」
花道 陽鞠「そっか…。それほど貴重なんだね…」
マリーエ「あ、でっかい公園!ん?あそこにいるのって…、もしや!!」
空園 乃空「とにかく、そろそろ夕方になるから今日はもう…」
マリーエ「待ちなさい!」
アモル「あ、あいつは…!!」
マリーエ「ホワイトスモールブライド、白きてんとう虫のマリーエよん♡ツォルセットの幹部なの!」
美鳥 時雨「なっ…!!」
空園 乃空「私たちに何か用事?」
花道 陽鞠「あんた、厨二病じゃない?そんなふざけた格好して!」
マリーエ「ふざけてないわよ!私はれっきとしたてんとう虫の妖怪よ!あんたたちから食べてもいいんだからね!」
アモル「こいつの言ってることは本当よ!」
美鳥 時雨「このままではまずい。一旦安全な場所に逃げるぞ!」
空園 乃空「その方がいいわね!」
私たちは時雨たちに導かれて安全なところに向かって逃げたわ!!
マリーエ「ちょっ!?逃げんなー!!私は空飛べるんだから!!!」
美鳥 時雨「む?これでも喰らうがいい!!」
ヒュンッ!!
時雨、たまたま落ちてた木の枝を投げたんだわ!
マリーエ「え?何々!?」
美鳥 時雨「今のうちに!」
花道 陽鞠「うん!」
ダダダダダッ!!!
にしても、先陣を切る時雨…、カッコいい…♡
美鳥 時雨「うむ、ここまでくれば一安心だろう」
アモル「小屋ですね!」
空園 乃空「目立たないからしばらく大丈夫なはず!」
マリーエ「しまった!見失った!!…くー!…空を飛んでっと!!」
キラーン!
マリーエ「お?あそこに光ってるのって…!!もしや!」
スタッ!
マリーエ「まさしくひまわりトーン!!…よーし!太陽の光で輝く花よ、闇に染まれ!!!」
シューッ!!!
マリーエ「あは!おいでー、カラカラヒマワリー!!ここに召喚!!!!!」
カラカラヒマワリ「カラカラ…」
花道 陽鞠「そろそろ諦めてくれたかな?」
スペース「外に出ても大丈夫なのかな?」
花道 陽鞠「うっ!!!!!」
美鳥 時雨「…!?陽鞠!!」
空園 乃空「大丈夫!?」
左胸が…、心臓が急に…!!
マリーエ「見ーつけた!」
フィーデス「!!?」
空園 乃空「なんなのあの怪物!!!」
スペース「カラカラヒマワリっていう怪物だ!!」
フィーデス「ひまわりトーンだったものが無理矢理怪物に変えられてしまったんだ!!」
花道 陽鞠「う、うぅ…!!うぐぅ…!!」
アモル「ど、どうしよう、陽鞠が…!!」
美鳥 時雨「ヒマワリガニたちは乃空に掴まってくれ。陽鞠は拙者が抱える」
えっ…!?
スッ…!
花道 陽鞠「…!お姫様抱っこ!?重くないの!?」
美鳥 時雨「大切な幼馴染だ。大切な人が重いわけなかろう」
時雨、やっぱりカッコいい…!!
美鳥 時雨「よし、皆の者、走れー!!!」
マリーエ「あっ!逃すな!!」
追いかけっこ再開…!!
花道 陽鞠「う…、ぐ…、ん?」
美鳥 時雨「あいつから遠ざかると痛みは和らぐか?」
花道 陽鞠「う、うん…。ありがとう、時雨」
美鳥 時雨「お礼を言うのはこちらの方。いつも陽鞠から元気を頂戴してるからな」
花道 陽鞠「時雨…、あっ!!?」
ドカーン!!!
美鳥 時雨「!?」
空園 乃空「後ろからビームを撃ってきてるわ!!」
美鳥 時雨 「なっ!?」
マリーエ「おらおらおら!植物を蹴散らせ!!!」
ドカンドカン!!
美鳥 時雨「ま、まずい!」
ドンドンドン!!!
空園 乃空「きゃっ!!」
美鳥 時雨「乃空!!」
ドーン!!
美鳥 時雨「なんて、強風、う、うわっ!!!」
花道 陽鞠「きゃー!!!」
美鳥 時雨「陽鞠!!」
ゴロゴロ…、ドン!!
美鳥 時雨「うっ…」
花道 陽鞠「時雨ー!!!!!」
そんな…、
私を庇って全身を打った…!!?
の、乃空もヒマワリガニたちを庇って動けない!!!
空園 乃空「うぅ…」
アモル「乃空!!!」
スペース「しっかり…!!!」
フィーデス「あぁ…!私たちを庇って…」
マリーエ「あはは!!!もう逃げられないわよ!大人しく食べられなさい!!」
私たち、食べられるの?
このまま奴らの好きにさせていいの…!?
世界が虫の妖怪の楽園…?
嫌…、
嫌…!
嫌…!!
そんなの…!!!
花道 陽鞠「…待ちなよ…!」
空園 乃空「…、ひ、陽鞠!?」
美鳥 時雨「む、無茶だ、陽鞠!!」
マリーエ「あーら?悪あがきー?虫の息みたいだけどー?」
そうよ、立つのがやっと…、だって私は…!!
花道 陽鞠「…私ね、小学生までは心臓の病気で入退院を繰り返していたの」
アモル「えっ!?」
花道 陽鞠「病気が治るのにすごい時間かかったの。お友達も全然できなくて悩んでいた…。…そんな時、声をかけて仲良くしてくれたのが…、乃空…、時雨だったよね」
空園 乃空「覚えててくれてたんだね…!」
美鳥 時雨「ありがたい…」
花道 陽鞠「初めてできた友達だもん!忘れられるわけないよ!…それに、私が入院している時、お見舞いによく来てくれたよね…!」
空園 乃空「あの時は病気と闘っている陽鞠に心を動かされたんだよ!」
美鳥 時雨「たとえ自分が辛い状況でも…、誰に対しても優しく明るく接している…」
空園 乃空「それは今でも変わらない…!」
花道 陽鞠「…友達がいてくれたから、怖い手術、何度も乗り越えられたよ。ありがとう…!」
美鳥 時雨「陽鞠…!!」
マリーエ「へー?だから?」
花道 陽鞠「さっきも私、アモルたちを守ってくれた…!!それなのに!それなのに!!」
アモル「すごいオーラ!?」
花道 陽鞠「何にもできないなんてそんなの嫌!!!!!」
キラリーン!!
マリーエ「うぉ!?」
カラカラヒマワリ「カラカラ!?」
空園 乃空&美鳥 時雨「!!」
花道 陽鞠「えっ!?」
アモル「あれは…?」
スペース「ひまわりトーン!」
フィーデス「愛の力で溢れている…!?」
え!?あれがひまわりトーン!?
アモル「私の心と共鳴したみたい!どうやら陽鞠は愛のひまわりメイデンのようね!」
花道 陽鞠「ふぇっ!?ひまが!?」
アモル「そう!さぁ、変身しましょ!ひまわりトーンを胸の真ん中にかざして…、『開花せよ!シャイニングマイピンクハート!』って言えばOK!」
花道 陽鞠「了解!今度はひまがみんなを守るんだから!!…開花せよ!シャイニングマイピンクハート!」
*変身中*
花道 陽鞠「愛を司るひまわりメイデン、陽鞠!開花!悲しみに包まれているあなたたちには陽鞠のラブラブハートをズッキューン♡」
パァァ…。
アモル「お!変身した!」
フィーデス「ひまわりメイデンになったんだ!」
美鳥 時雨「うむ。神秘的なオーラだ。素晴らしい…!」
空園 乃空「すごい…!」
マリーエ「えぇ!!この世界にもひまわりメイデン爆誕!?ま、まずい!!カラカラヒマワリ!!!」
カラカラヒマワリ「カラカラー!!」
アモル「陽鞠!」
花道 陽鞠「うん!はっ!!」
カラカラヒマワリ「カラカラ!?」
ドーン!!!
空園 乃空「怪物の蔦を持ち上げて…」
美鳥 時雨「投げ飛ばした!?」
マリーエ「やーん!やばい!ほら、立ちなさい!」
カラカラヒマワリ「カラカラー!!!」
花道 陽鞠「ほらほら、へなちょこね!」
マリーエ「きー!!!ちょこまかと!しっかりしなさいよ!カラカラヒマワリ!!」
カラカラヒマワリ「カラカラ…」
アモル「陽鞠!チャンス!相手はくたばっているわ!必殺技で対抗よ!『ひまわりよ、私に力を!』って言えばOK!」
花道 陽鞠「りょ!!ひまわりよ、私に力を!」
キラーン!
花道 陽鞠「これって…、マイク…?」
アモル「陽鞠は歌うのが好き?」
花道 陽鞠「もちろんよ!クラスで…、いや、大学で一番歌上手いって褒められたことあるからそれ!?」
アモル「きっとそれ!陽鞠!歌って!敵を浄化するの!!」
花道 陽鞠「うん!私の歌に酔いしれなさい!!ピンクサンフラワーラブシング♡ラー♪」
ヒューン!!
美鳥 時雨「なんと美声!」
空園 乃空「心も体も癒される…!」
カラカラヒマワリ「ウルオウ〜」
花道 陽鞠「あっ!怪物が!」
美鳥 時雨「…なんと!ひまわりトーンに戻った!?」
スペース「そう。奴らはひまわりトーンをそうやって悪用してるの」
空園 乃空「嫌な行為ね…」
アモル「それより!陽鞠!浄化成功よ!元に戻ったひまわりトーンを忘れずに回収しましょ!」
花道 陽鞠「うん!」
これが元に戻ったひまわりトーン!
神秘的…♡
マリーエ「ちょっとあんた!」
花道 陽鞠「何よ!!!」
マリーエ「歌上手すぎよ!!!覚えてらっしゃい!」
ヒュンッ!!
花道 陽鞠「あっ!ちょっ!!…、あ、ヒマワリたちが…!!!」
荒らされた跡がなぜか何事もなかったかのように綺麗に元に戻っていく…!!
スペース「これはきっとひまわりの女神様の御技ね…」
美鳥 時雨「なんと暖かい光…」
花道 陽鞠「そっか…。元に戻してくださってありがとうございます、ひまわりの女神様…」
祈りを捧げた後…、
*変身解除*
花道 陽鞠「さて、悪者をボッコボコにしてやったし〜!」
空園 乃空「私たちも帰ろっか」
花道 陽鞠「うん!」
美鳥 時雨「くれぐれも簡単にヒマワリガニを見せないようにせねばな」
アモル「そうですね!」
美鳥 時雨「では、解散!」
こうして、ひまわりメイデンに目覚めたひまは悪者を撃退させたのでした!
それにしても、私、ひまわりメイデンの時は平気なんだけど…、悪用された姿、つまりカラカラヒマワリが近いと心臓が痛くなるんだけど、なんでだろう???
まぁ、それはさておき!
これからは愛のひまわりメイデンとしてみんなを、世界を守っていくよ!
次のお話もお楽しみにね♪
さて!今回のお話に出てきたひまわりトーンはこちら♡
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じゃ、
またね〜♡