体質の古い職場と機能不全家族の共通点
みなさんは、年功序列の職場で勤務された経験はありますか?私は、販売職を経験後に医療業界に転職したため、医療業界特有の雰囲気がすごくストレスでした。医療業界でも複数の職場を経験し、その中でも「古い体質」の職場の特徴と、機能不全家族の特徴が似ていることに気付きました。経験に照らし合わせてご紹介したいと思います。
独特の縦社会と閉鎖的な環境
医療業界は、特に専門職の場合、技術を目上の先輩から習うこともあり、縦社会です。私が国家資格取得の際、実習先の施設によっては、ムダにキツい性格の職員や、入りづらい雰囲気を醸し出す職員と、いかに打ち解けて教わるか、という感じでした。これは、働くようになってからも同じでした。
ルールを守りながら働くのはどの業界も同じだと思いますが、「閉鎖的な環境」で「独特のルール」に従う必要もあり、この価値観が機能不全家族と似ていました。
年功序列が生むパワハラ気質
ここで、機能不全家族と古い体質で年功序列の職場の共通点を挙げてみます。
①「古い人間が正しい」前提で目下の人間を教育するところ
②閉鎖的な環境で価値観が押し付けられ、外からは見えない
これらの特徴は、問題のある状況の際に浮き彫りになります。まず、古い人間には、「他ではこうしている」という意見が聞き入れられることがありません。目下の人間の指摘や意見に対して、全く耳を貸さないか、場合により否定してくるからです。
要は、古い人間は変化を嫌うんです。その理由として、
①自分達の能力を超えることは今さらしたくないから、理由をつけて取り入れない
②目下の人間の意見を取り入れたら、立場が逆転するなどと考える
③改善するつもりがなく、自分達がやりやすいことを優先する
などが挙げられます。
従順でない人間に高圧的になる
こうやって、古い体質で年功序列の環境では、従順なイエスマンか、1人で業務を遂行できずに常に人に頼るタイプの職員しか残らなくなります。
業務は回らず、仕事ができる人(中間管理職などの立場)に業務が集中し、その人達が疲弊していきます。上に現実的な改善を訴えても、古い人間が上司なら、耳を貸さないか、高圧的な対応になり、仕事ができる職員の離職率が高くなります。もちろん、こんな環境では人を補充しても続きません。
こうやって、変な強さの縦社会が、パワハラ気質の環境を作っていきます。
閉鎖的なのが環境悪化を助長する
機能不全家族も、古い体質の年功序列の環境も、どちらも「閉鎖的な環境」であることが、さらに状況悪化を助長します。特に、医療機関は守秘義務などもあるため、余計にそういった環境を作り出します。
そういった体質では、問題やミスが起こった時に「形式上」の対応をするだけで、ズレた価値観を変える意識もないため、改善もほとんどされません。いくらリスクマネジメントの組織があったとしても、響かないんです。
外部から指摘されたら収束させるために対応しますが(改善する意識があるかどうかは別です)、閉鎖的なので外部に漏れない限り、指摘されることもありません。
不健全な環境からは離れる
機能不全家族も、体質の古い年功序列の環境も、そういった価値観は引き継がれていきます。非があっても認めず、改善されることもありません。最初は、改革する熱い気持ちがあったとしても、だんだん理不尽な気持ちや、ストレスで疲弊する気持ちが蓄積していき、否定的・高圧的に対応されることが続くと、いつか心も折れます。
機能不全家族が連鎖する理由の一つに、「耐えることは美徳」とする日本特有の考え方も関係しているのではないでしょうか。私の母親は、寺という環境で耐え続けた結果、性格や価値観が歪んだ方向に染まり、凝り固まっています。「ここまで耐えて、義両親も亡くなって、やっと自分の代になった」と、うるさく言われず行動の自由度が増えたとしても、「苦労は自分の代で終わらせよう」とは思わないんです。
機能不全家族も、古い体質の職場も、長く留まると心身を蝕みます。家庭環境の場合、離れることは難しい場合もありますが、子どもの立場なら自立できる年齢になれば家を出ることはできます。職場も、そこだけにすがるのではなく、転職を視野に入れて離れることを、ご自身の健康のためにおすすめします。
私は、どちらも離れてから、一層客観視できたことで「あの環境はやっぱりおかしかった」と改めて強く思うようになりました。
苦しい価値観を後世に伝える必要はない
伝統や風習を後世に伝えることと、間違えた価値観を伝えることは別です。機能不全家族には、この感覚が欠けていると思います。特に実家の寺のような場合は、特有の習慣や付き合いなどもあり、簡単に変えられないこともありますが、「変えるためにできる方法」を検討し、少しずつ変えていく意識を持つことが大事だと思います。
気付いた時から、意識を変え、関わり方を変え、最終的に行動を変えていく。まだ私は、この途中の段階にいるので、少しずつ変わっているところです。それまでの価値観は、そう簡単には変わらなくても、少しずつ変われていることに目を向けたいと思っています。
長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました。
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