【本との出会い】「おいしい」という言葉を使わずに食べ物のおいしさを表現する文章とは
わたしは図書館や本屋さんへよく行きます。
紙の本が好きですし、たくさんの本の並ぶ陳列棚をみていると思いがけない本との出会いがあります。
先日ふらっと訪れた図書館で、webライターやブログ、noteなどの書くことに向き合っている方におすすめしたい本を見つけました。
今回ご紹介するのは、近所の図書館で出会った本「フードライターになろう!」(浅野陽子著 青弓社刊)です。
たくさんの人に読まれるための文章術を勉強中
現在わたしはブログやnoteで、文章を書いています。
そのため、たくさんの人に読まれる文章を書くにはどうすればいいのかを日々考えています。
小説を書くための文章術だったり、ライターをめざす人のためのライティングテクニックの本だったり、いろいろな文章に関しての本を読みあさっているところです。
そんなわけでふと目についたのがこの「フードライターになろう!」という本です。
著者の浅野陽子さんは、出版社での食メディアの編集ディレクターの経験があり、フリーのフードライターとしてご活躍をされています。
この本では食分野での特化ライターになられた経緯や、これまでのフードライターの仕事について、詳細に書かれています。
「おいしい」と言わずにおいしいと伝える文章とは
わたしが最も興味を持ったのは、”食べ物の魅力を「おいしい」や「美味」「うまい」という言葉を使わずにおいしさを表現する文章術”についての章です。(第4章こんなに教えちゃっていいの?フードライターの仕事術)
著者は食べ物のおいしさ表現するときのコツを、たくさんの例文を提示して説明しています。
文章を読んだ人が、書き手の感じた味と香りを頭の中で再現できるようにする文章のテクニックです。
たとえば、温度感を伝える言葉であれば、あつあつ、ほかほか。食感を表すにはシャキシャキ、コシの強いなど。
味わいを伝えるには濃厚な、さっぱりとした、甘酢っぱい、など。ここには書ききれないほどの言葉が紹介されています。
”おいしさの表現を伝える言葉のストック”をしておくことで、文章に豊かさや深みを出せるようになる、というわけです。
ここではご紹介できませんが、本の中では他にも多くの言葉のストックと具体例が挙げられています。
また、店内の雰囲気をイメージできる味わい以外の表現を文章に加えることもおすすめされています。食事をとる場所がありありと目の前に浮かんでくるような描写を足すことで、さらにおいしさを伝えることができます。
どんな文章にも応用可能
この文章術は、食べ物以外の文章にも応用できそうです。
具体的な例をあげると、ソファーの感想を書く際に、ただ快適と言うだけではなく、「柔らかく体を包み込むようなクッションの絶妙な感触」を伝えることで、読む人が具体的に想像できるようになります。
また、ソファーに腰掛けた時の目線から、「ちょうど庭の木々の葉が風に揺れている景色が目に入る」などの情景を描写することも同じですね。
深みのある文章を書くことは、”表現を伝える言葉のストック”が自分の引き出しにどれだけ入っているかに関係があるのではと感じました。
浅野さん流 自分軸の仕事の育て方
また、著者の浅野陽子さんは、そのキャリアの早い段階から自分のメディアとしてのブログをつくることにも注力をされていたそうです。
この本の中でも、ブログ記事を積み重ねることが、新たな仕事の依頼であったり、本を出版することにつながったと語られています。
フードライターという仕事に限らず、まずは〇〇の専門家と名乗れるくらい自分の決めたジャンルに徹底的に詳しくなること。
そして、ブログやSNSで根気強く情報発信をし続ける。
それがひいては自分の未来を切り開いていくことに繋がる、というメッセージをこの本から受け取りました。
noteやブログ、webライターに挑戦中の方は、ジャンルが違えど参考になります。是非ご一読を!