子どもの邪魔、していないだろうか…
「子どもの邪魔をしていないだろうか?」
時々自問します。
教師・親といった大人は、没頭する子どもにとって、邪魔ではないか。
子どもの好奇心の火を消していないだろうか。
やる気を押さえつけてはいないだろうか。
「木登りをやめるように」と、伝える時も感じていたこと。
学校内で、「実は大人って邪魔?」と感じる時の話。
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日本語の授業中、時に作文の神様がやってきます。溢れるアイデアに夢中になり、クラスの皆が手を動かしている。
クラス全体が自分の世界に入り込むので、教室はシ~ンとします。
私は、彼らのエネルギーに圧倒されつつ、邪魔をしないよう、存在を消すように身体を小さくしていました。
水の流れも淀むように、時に考えの流れが詰まっているような姿を目にする時もあります。
熟考中の時もあるからね。
まずは、様子伺って。
「ちょっと詰まりをどけた方が良いかな」
そんな時は、静かに声を掛ける。
邪魔にならないように。
その子のフローに、最低限だけ関わるように。
声を小さく、影響も小さく。
詰まりを取って、流れをよくする。
すると、子どものアイデアはどんどんと広がっていく。
おお!
その子らしさが伝わる作品。
奇想天外な話の内容。
どうしたらこの感性を大切に守れるのか。
時間制限は、フローを止める
生徒が乗り始めた頃、「片付け」だと伝える自分の役割のやるせなさ…
次の授業へ、遅れないように。
子どもたちのフローを遮る、止める。
え〜!
やっと神様やってきたところなのに…。
子ども達が波に乗り始めた時、残り授業時間が10分なんてざらのこと。
作文の神様は、オンディマンドではやってきません。
同じ流れに、次の授業で戻れるとの保証も全くなし。
時間を守ることは大切。
時間内で、計画的にタスクを終わらせるのも大切なスキル。
けれど、時間を気にせずにアイデアを爆発させるチャンスを、きっと何度も大人に邪魔されているよね。
「間違い」という枠に囚われ、飛び出さないようになる
ここ、間違ってる。
もっと丁寧に!
間違が無い正確な文章は、読みやすいかもしれません。
けれど、「正確さ」ばかりを気にしていると、アイディアの流れ、止まっちゃいます。
アイデアを思いっきり表現するよりも、「間違えていないか」にエネルギーを使い始めます。
大人が喜ぶ文章を書くようになる。
他の子が思いつかない内容を、漢字やひらがなのスペルミスがありながらも夢中になって書く子。
アイデアが噴出している!
間違いがあるので、文章としては完璧ではない。けれど、伝えたいメッセージが強い。
この感性は、その子のその時だけのもの。
この感性を、大切にしたい。
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間違いのない文章は、AIでも書ける。
その子の訴えが伝わる、その子にしか創り出せない世界。
この力、大切。
(おまけ)
メルボルン、あるYear 8のクラス
色の勉強をしている時のこと。
「あか、あお、きいろ…」
形容詞になると、
「あかい、あおい…」
そこで、一人の生徒が叫びました。
クラス全体に響く声で。
「Ahoy!」
点と点が繋がったんだよね!
思わず、海賊になった気分で、海に向かって声を出してしまったと言う様子。
「あおい」と「Ahoy」似てる、似ているよ!
外国語の言葉を聞いて、反応した彼の感性。瞬発力、想像力、脱帽です。
ここで、生徒がふざけていると指導するか、
一緒に世界観を楽しむか。
彼は「あおい」という日本語、ずっと覚えていると思う。
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