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寺尾沙穂初期の楽曲に歌うたいの永遠が映る

 寺尾沙穂は音楽雑誌で古い録音物に関する連載を持つ才媛で、エッセイも各誌で執筆する。路上生活者支援の為の出版媒体The Big Issue主催でのライブへの継続的な参加、原発労働者に関する著作「原発労働者」等(近年の著書は「日本人が移民だったこと」)でも知られるシンガーソングライターだ。
 日本フォークから流れ来る良きエッセンスに初期の作風は寄り添っている印象でデビューアルバムは大貫妙子が賛辞を送り。その突出して優れた幾つかの歌曲を聴くたび毎にこの御方が職業的歌うたいの音楽家として世にあることに対し、深い感謝の想いを抱く。
 近年は 冬にわかれて でのユニットとしての活動も行う。
 初期作品に後世に残るだろう楽曲がある。個人的な推挙になるけれど「道行」「山帽子」「狂女」「月の海」等。誇張抜きに十年にひとりの歌うたいである。
 この僅か数曲の楽曲。すこしだけ柔らかく溶け 意味をあたえられては豊かになるだろう。


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