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本のご紹介7

 「ウィリアム・ブレイクの芸術」 アンソニーブラント:著 岡崎康一 訳

 18世紀から19世紀にかけて独自の宗教思想、哲学思想をもとに、稀有の詩と画を結晶させた巨大な芸術家ブレイク。本書は、ヨーロッパ的規模の美術史上の知識を基盤に、152点にのぼる図版を駆使して作品を具体的に検証、画家としてのブレイクの本質にせまる。今日の「ブレイク・ルネッサンス」を基礎づけた先駆的研究、待望の邦訳。  アマゾンの商品説明文だねっ

 アンソニー・ブラント 1907年イギリスに生をうける。美術史家としての視野はヨーロッパ全域に及ぶ。33年の長きにわたって英国王室美術鑑定官を務めたイギリス有数の美術史家である。


 十代最後の頃、歓びの日、日の老いたるもの、戦車の上からダンテに声をかけるベアトリーチェ等の絵画を本で見た時の衝撃は忘れられない。
 掲載の絵が白黒なのが残念すぎで(古本屋で閲覧中それで購入意欲が九割以上削がれたっけなあ。持ってかれますた(苦笑))。衒学学術的な文章ばかりという印象だが、実際のブレイクの人間像を知ってたサミュエル・パーマの記録があり、そこがとてもよい。以下その部分。

 彼は仮面のない人間であり、~彼の眼は私が見たものの中で最も美しく、きょろきょろしたりせずに、輝き、澄んでいて、余念がなく、しかも鋭敏であった。~睨まれると悪知恵や欺瞞はひるんだが、その眼はそんなことにかかずらってはいなかった。~彼の眼は悪知恵や欺瞞を付き通し、追い払った。

glad day又はdance of albion


日の老いたるもの


戦車の上からダンテに声をかけるベアトリーチェ

3章 ブレイクの絵画における夢想と制作
 から、ブレイクの言葉をならべてみよっかな。

「ただ一つの力が詩人を生む。つまり、想像力であり、聖なる夢想である」
「私は、毎日毎夜、天からの使者に指導されている」
時には、人を当惑させるような臨場感のある言葉で霊の訪問を描いている。
「預言者イザヤとエゼキエルが私と食事をともにした。そこで私は彼らに尋ねた・・・」

「万物の中に無限なるものを見る人は神を見る。理性だけを見る人は自分だけしか見ない」
「夢想あるいは想像力とは、永久に、真に、不変に存在するものの表現である。寓話や寓意は記憶の女神の娘たちが作る。想像力はインスピレーションの娘たちに取り囲まれている」
「なんたる馬鹿げたことを。激情と表現は美そのものである」(レノルズの完全な美をもっとも完全な状態に保存しておきたいのなら、喜怒哀楽を表現することはできない に抗してのブレイクの言葉。特有の特徴的な表現は美においてはさしひかえられるべき に反論したのかと思う)

 上記「」内はいずれも著作集からです。

幻視者たるものかくあるべし(お風呂場エコーで あるべし  が木霊してやがて残響は消失する)なんでしょうけれど・・・記憶の女神の娘たちだけでも、うちほうに来てくんないかなっと(笑)なんか色々とはかどりそうで。

 綴っているわたくし、1000文字ほど綴ると疲れちゃう短距離走者でありまして、ここいらで。ごきげんようさようならっ。

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