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豆屋②|仕事を探す

さて、勢いで大学を中退したまでは良かったのですが、海外に行くとかバンドでプロを目指すとか、特にやりたい事があって辞めたわけでもないので、ひとまず仕事探しました。

一応アルバイトはやっていましたが、ほぼ毎日遊んで暮らしていたため貯金は無く、かといって実家に居ても親に会わす顔がなかったので、手っ取り早く家を出るために社宅や寮がついている仕事を探しました。

2004年頃は今とは違い、まだまだ紙媒体の求人誌が健在でした。当時はまだスマホもなく、ちょうどネット社会に移行し始めていた時代だったように思います。
パソコンが苦てだった私は、タウンワーク社員などの求人誌で条件に合う仕事を探しました。

「とりあえず営業かな。。」

文系の私は特別な技術や経験も無かったのですが、飲食や接客関係のアルバイトの経験があったため、営業の仕事を探しました。

当時はスーツを着て仕事をしたかったのと、「営業」って響きが何となくカッコよかったのです。

そこで、ふと目に止まった求人がありました。

『 営業職、未経験者歓迎、高卒以上、月給25万以上+賞与+インセンティブ(モデル年収:25才主任 600万円)、独身寮あり、新宿○○タワー4×階、○○上場企業 』(たしかこんな感じ)

「え。。これって俺が探してた求人そのものじゃん?
高卒でいけるし、寮もあるし、給料もかなり良さそう。しかも場所は新宿新都心の高層ビルだし、てか『○○上場企業』って大企業ってことだよな?
・・・これ、カンペキじゃん。。」

一番の決め手となったのは、その求人広告の写真でした。

(ー オフィスビルの谷間で空を見上げながら、颯爽と携帯で電話をするスーツ姿の若者 ー )

求人広告のイメージ

「あぁ、俺もこんな風にバリバリ仕事して、ビッグになりてぇ。。」

世間知らずの24才の若造が決断するのにそう時間はかかりませんでした。

いまいちピンとこなかったのが、仕事内容でした。

『 職種:商品先物取引の提案営業 』

・・・って何?

金融関係ぽいから証券会社みたいなやつかね?

まぁ、条件良いし、会社もでかそうだし、営業なら何でもいっか。気合いがあれば何とかなるっしょ。

…かくして、条件の良さに舞い上がった私は仕事内容など気にも留めず、早速その求人に応募したのでした。

<つづく>



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