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豆屋⑦|文面

さて、先輩衆の異様なテレコール風景を見て面食らっていたところ、班長から「これで読んでテレコールの練習しといて。」と、テレコールの文面を渡されました。

以下、テレコールの文面です。



『初めてのお電話で失礼いたします。
わたくし、〇×商事の小林と申しまして、今年の春に〇×大学を卒業して、営業の仕事をさせて頂いているのですが、まずは〇×大学の先輩方にご挨拶で回らせて頂いているんです。』

(※ここで少し雑談を入れる)
例)大学の話題や趣味の話題など

『ちなみに〇〇先輩は、資産運用など何かやっておられますか?
そうですよね、今は銀行に預けてもゼロ金利で金利はほとんど付かないですしね。』

『そんな中、一つだけ、安全に利益を出せるマネープランがありまして、
実はこれが「金」なんです。』

(※金に対するうんちくなど話す)
例:金の安全性、価値が上がっている等

『…最後に一つだけ、金の値段の見方の「3つのルール」というのがありまして、簡単なので最後にちょっと一緒に覚えて頂きたいんですが、お近くに新聞と何かメモが出来るものはありますか?』

(※新聞とメモ用紙をもってきてもらう)

『では、私の申し上げる通りにメモに書いてください。』

・東京金 1,500円
・単位 1口 1,000g
・元金 1口 10万円

『ありがとうございます。ルールは以上になります。
たとえば、仮に10口の元金で、金が10円値上がりした時にどれくらいの利益が出るのかという計算なんですが。。』

『上がった10円に、単位の1,000gを掛けます。これに10口なので10を掛けます。そうしますと、〇〇さん、いくらになると思いますか?』

(相手:「100万円」)

『…正解です!
〇〇さんだったら、100万円あったら何に使いたいですか?』
(などと、最後に軽く雑談をしてクローズする)

『本日は長々とお話をさせて頂き有り難う御座いました。ただ、いくら金の状況が良いからと言って、いつでも利益が出せるわけではありません。「時期とタイミング」が大事なんです。その時にはまた改めてご案内させて頂きますので、新聞で金の値段を見ていてください。』
(終話)


…たしか概ねこんな感じだったと思います。
(2年間、毎日朝から晩まで読み上げていたので20年経った今でも大体覚えています。(-_-;))

ちなみに後述しますが、「あえてアポを取らずに終話する」のがポイントです!

新人は練習あるのみ!

基本的にこの文面を読み終える事を目標としてテレコールをしますが、無論、ほとんどの相手は出て10秒以内に電話を切られます。

…つまり逆を返せば、おとなしくこの長文を聞いてくれる時点で「人が良い=客になりやすい」という事になり、文面をどこまで読めるかがその見込み客のバロメーターになるのです。

新人だった私はこの文面を毎日読み上げて、一緒に中途入社した同期とテレコール練習に励みました。

<つづく>



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