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BL界の一大ジャンル「893」を語る 其の二 剛しいら先生「やるっ!シリーズ」

剛しいら先生は、私がBLを読み始めた頃にはもう左岸の人でした。2018年のエイプリルフールに亡くなられたそうなので命日は忘れないでしょう。

やるっ!シリーズは、傾正会の若頭の辰巳鋭二(受)が一目惚れで舎弟にした8歳年下の安藤龍青(攻)と修羅を生き抜く任侠BL。安藤はクスリに狂った警察官に私怨で家族を惨殺され、病んでいたところを辰巳に望まれ、間夫兼舎弟として過ごして10年経つ。

1作目「はめてやるっ!」


1作目「はめてやるっ!」は、新知事が中止させた開発計画を元に戻させようとする話。建設業は大事なシノギなので。知事の息子、笙を拉致誘拐監禁し、ホストのコージに犯させ、知事に動画を突きつけて脅迫する作戦。コージはややお馬鹿だけどあっけらかんとしたキャラで、以後、ムードメーカー的に活躍します。辰巳がコージをつまみ食いしたので、忠犬安藤はコージに毎度がるがる唸ってますが。関係ないですが、今日、11月1日は犬の日だそうです。初読みの時は誘拐されてコージに強姦される笙が可哀想で辰巳酷いと思ったけど、改めて読むとそうでもない。笙にはもともとそういう性癖があったのです。情報の集積、有効利用に抜かりはありません。パソコンオタクの長谷川の仕事でしょう。


二作目「おとしてやるっ!」


二作目「おとしてやるっ!」は、最近ますますリアルに日本に出張ってきた中国の方々からの挑戦を受ける話。グローバルなヤクザものには欠かせないテーマなんでしょうね。新興中華マフィアのボス王大龍がクスリを売り付けに入国して、辰巳を拉致誘拐してヘロイン漬けにするけど、王の手下のシャオが、逃亡の手助けをしてくれる。シャオは歯を抜かれダイヤの入れ歯を持ち、ホルモン注射で女性的な容姿を強いられた王の慰み者だった。王を愛していながら憎んでいて、王を庇って安藤に撃たれて死亡。もう1人の大事な舎弟の中村さんが白木の長刀を振る様が、ちょっとルパンの五右衛門っぽい。もっとストイックで無愛想だけど。性欲皆無で一生童貞なんですね。アセクシャルと言うらしい。
ちなみに王自身は片腕を切られて海に落ちても生き残り、「牡丹を抱いて」で再登場してました。しぶとい。


3作目「やってやるっ!」


3作目「やってやるっ!」は、辰巳の親父(ヤクザのね)である権藤組長の兄弟(ヤクザのね)、三河の失脚劇編。ドンパチ多め。中村は海吉連合の幹部を殺した嫌疑をかけられ警察に拘束され、安藤は撃たれてしまう。さすがに動揺する辰巳だけど、やっぱり強かった。男に抱かれる男だからこそ、誰よりも強くあろうとしているって。三河は海吉連合におもねって裏切り続けてきた厚顔無恥野郎だった。辰巳は権藤組組長を襲名することになりました。正月のヤクザのしきたりが古風です。最上級のおせちが食べたい。


4作目、最終巻「かってやるっ!」


4作目、最終巻「かってやるっ!」は、辰巳の組長襲名前の検察との押し問答編。負け知らずらしい検事の勝崎にターゲットにされ、辰巳は自分そっくりな一般人の一太を使って胃袋を掴ませハニートラップを仕掛ける。勝崎はゲイじゃない筈なんだけど高校生の時に告白してきた後輩を受け入れず自殺させてしまった良心の呵責があって、つけ込まれる。勝崎が一方的に悪い訳じゃ無さそうだけど。辰巳は勝崎に弁護士になって辰巳のブレインになるよう口説く。辰巳は日本で大っぴらにカジノをやるのが夢なんだね。ヤクザに牛耳られる日本になっちゃうのは架空の話だから許容できるけど、公営カジノには反対ですよ。


同人誌がいっぱい出てます。↓リンクを拝借。
「はめてやるっ!番外総集編2」は、駿河屋屋で買いました。1が見つかったら、やっぱり欲しい。同人誌の売買はいけないと思うけど、中古ショップで適正価格で売買するのはギリギリOKでは駄目でしょうかね。

BLCDには手を出してない(Audibleに出てるのは聞いた)のですが、1作目がドラマCDになってます。

読書メーターから、かなりコピペ(もちろん自分の感想を)しちゃいましたね。noteもフランクな文体でやりたいと思います。もう、十分フランクかも。

目次を作りたかったけど、いまいちやり方が分かりませんでした。(^^ゞ

ハッシュタグに本の題名が入らなかったので、NGワード設定なんですね。

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