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身長と体重を聞いてもサイズを決定出来ない理由と採寸の優先順位

アパレルを扱う仕事をしていると、お客様からサイズの相談をされることがあります。その時になぜか、ほとんどの方が自分の身長と体重を教えてくれるのですが、残念ながら身長と体重を聞いてもサイズを決めることは出来ません。今回はなぜ出来ないのかを少しだけ説明したいと思います。

「身長」はある程度、参考になる情報

まずは身長の話。サイズを決める上で情報が身長だけでは正確な選定はできませんが、ある程度の参考にはなります。というのも国内のアパレルのサイズは基本的にJIS規格に則って作られてるからです。

トップスやアウターなら、袖丈や着丈に限界があるので身長を聞いただけでもある程度、合うサイズを予測することが出来ます。しかし、それぞれに胸板が厚かったり肩幅が広かったりするので、それだけではサイズを決めることはできません。

「体重」は全く参考にならない情報

きっと私にサイズの相談をされる方は身長だけを伝えても情報が足りないと思って体重も教えてくれるのでしょう。しかし、残念ながら体重ほど無意味な情報はありません。なぜならば同じ体重でもウエストが細い人もいれば太い人もいるし、胸板の厚い人もいれば肩幅の狭い人もいるからです。

同じ質量でも重さが違う脂肪と筋肉

同じ質量なら脂肪より筋肉の方が重いということは、多分みなさんご存知だと思います。

3辺が10cmの立方体になった同じ質量の筋肉と脂肪を比べた場合、200gの差が発生します。つまり同じ重さであれば、筋肉質の人の方が質量が少ない(細い)わけで「細い-太い」と「軽い-重い」はイコールではないということがわかります。

そして筋肉や脂肪のつき方も人それぞれで違います。お腹に脂肪がついている人もいれば、胸に筋肉がついている人もいる。これが体重がサイズ選びで全く役に立たない理由です。

必ず測ってほしい胸囲とウエスト

では、どうしたらサイズ選びが出来るのか。一番良いのは実際に現物を試着してみることですが、試着が出来ない場合はメジャーなどを使って自分で体のサイズを測るしかありません。その時に必ず測ってほしい部位がトップスなら胸囲、ボトムスならウエストです。

採寸の優先順序

なぜトップスなら胸囲、ボトムスならウエストなのか。それはここの寸法が合わなければ着ることさえ出来ないからです。例えば袖丈や着丈などは長かったり短かったりしても見た目が良くないだけで着れないことありませんが、胸囲が小さいと着ることさえままならない。ボトムスのウエストも同じ理由です。衣類のサイズはまず、ここをクリアして他の部位の寸法という優先順序が基本となるのです。

まとめ

もちろん、胸囲やウエストだけでピッタリ合うサイズを見つけることが出来るというわけではありませんが、少なくとも袖丈などの他の部位よりは信頼性が高い情報と言えるでしょう。ただ、やはりそれ以外の部位についての情報がある方がサイズ選びの精度は上がります。サイズ選びで失敗したくないという方は、とりあえず100均でメジャーを買うことから始めてみてはいかがでしょうか。

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