ユニフォームアパレルが野球のユニフォームを作っていないのはなぜか?
衣食住なんて言うくらいだからアパレル業界って、本来はとても生活に身近な業界であるはずなんだけど、残念ながらあまり知られていません。食や住は国から支援を請けることがあるけど、繊維業界はすっかりオワコン扱いで支援のしの字もないのだから致し方ないのかも知れませんが・・・なんか冒頭からぼやいてしまってスミマセン。
大きく3つに分かれるアパレル業界
そんなオワコン(笑)のアパレル業界は大きく以下の3つに分類されます。
・一般アパレル
・スポーツアパレル
・ユニフォームアパレル
多種多様なジャンルが生まれ、分類することがむずかしくなっているアパレル業界ですが、一応この3つがそれぞれに細分化されて全体を構成しています。
一般アパレルとは
3つの中で皆さんの生活に一番身近なカテゴリが一般アパレルです。家にいる時に着る部屋着から外出する時に着るおしゃれ着まで大体の衣類はここに分類されます。皆さんお馴染みのユニクロやしまむらなどはこの分類に含まれます。2019年の市場規模は9兆1,732億円(矢野経済研究所調べ・小売金額ベース)
スポーツアパレルとは
一番わかりやすいカテゴリがスポーツアパレルで、名前の通りスポーツに関連する衣類。野球やサッカー、テニスやラクビーなどなど、私の趣味であるランニングもこのカテゴリに属しています。ミズノやアシックス、またモンベルなどのアウトドアブランドもこのカテゴリに含まれます。2019年の市場規模は5,618億3千万円(矢野経済研究所調べ・メーカー国内出荷金額ベース)
ユニフォームアパレルとは
で、最後に私の職業でもあるユニフォームアパレル。これが認知度が低く1番わかりにくい。そもそもユニフォームアパレルなのに、なんで野球やサッカーのユニフォームとか作ってないのか・・・と聞かれることはしょっちゅうですからね。2018年の市場規模は5,254億円(矢野経済研究所調べ・国内メーカー出荷ベース)
4つのカテゴリに細分化されるユニフォームアパレル
ちなみにユニフォームアパレルはさらに以下の4つに細分化されます。
・スクールユニフォーム (20.2%)
・サービスユニフォーム (16.9%)
・オフィスユニフォーム (8.5%)
・ワーキングユニフォーム (54.4%)
ざっと見ておわかりでしょうが、大昔、日本のアパレルを分類した人はユニフォーム=制服という認識だったようで、ユニフォームアパレルが野球やサッカーのユニフォームを作っていないのはこのためです。ユニフォームという言葉はラテン語のuniformisが元になっていると言われていて、uniformはuni(ひとつの)form(形・姿)を意味する言葉。だから定義だけで言えばチームスポーツで着るウェアもユニフォームで、会社の制服もユニフォームということになるのですが、生産者や流通ルートの違いなどの背景もあり、分類的にはこのような分け方になっているようです。
まとめ
とは言うものの、最近ではファッションアパレルでも機能性素材などを採用したり、逆にスポーツアパレルが普段着として着られるウェアを発表したりと垣根を超えたカテゴリにとどまらないものづくりがどんどん進んでいるので、なかなかキッチリと分類することが難しくなっています。そろそろ分類自体を見直す時期に来ているのかも知れませんね。
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