できるひとにはわからないこと。

今、あることを練習している。
そして、少しずつわかりかけている。
私がそれをできなかった理由というか原因。
そしてどうしたらできるようになるかというやり方。

もう少し続けると、私はたぶん、
それをできるようになる。

なのに、私はいま、それを中断して、
これを書いている。

それはなぜか。

たぶん、ひとたびできるようになったら、
できなかった頃のことが思い出せなくなるから。
なんでできなかったのか、わからなくなるから。

子どもの頃。
自転車に乗れなくて。
何度も練習して。転んで。すりむいて。

そしてある日のあるとき、
突然、乗れるようになった。

すると。
もう、乗れなかった自分には戻れない。
なんで乗れなかったのかもわからない。
思い出せない。

その状態に。
今もなるかもと。
どっかで思っているから。

目的が「できるようになること」なら。

それでなんの問題もないはずなのに。

どっかで。

できなかった自分がいたこと。
できないのにはなにか理由というか原因があること。

それを忘れたくない。
その感覚を失いたくないと思っている。