道草を食って帰ろうVol.06【松】
この記事は日本仏教徒協会の会報誌『シャリーラ通信』に掲載されているコラムのバックナンバーです。
食べ方ではなく生き方なのだ
巷では松葉が静かなブームになっているらしい。
数年前ブログに松葉の記事を書いたことがあるのだが、今でも定期的に「松葉酒」で検索され読まれている。
Facebookでは松葉を食べる愛好家たちのグループも盛況で記事が毎日大量に投稿されている。
そこではレシピだけでなく松葉の採取の仕方や種類の見分け方などもシェアされている。
ある方が「松葉を採り尽くすと樹そのものが弱るよ」と苦言を呈していた。
大いに共感する。
これは登山アプリの普及によりレアな山野草の写真が位置情報と共にアップされる事で一気に採取され自然破壊が起こっている状況とよく似ている。
一方は健康のため、もう一方はお金儲けのために自然の恵みを採取し尽くそうとしている。
これらは無駄を省きたいと言う合理主義や、コンビニエンスになんでも手に入れたいご都合主義に慣れ親しんだ現代人の悲しいエゴの表れに見える。
ノビルが良い、行者ニンニクが良いと聞くとみな飛びつき採り尽くす。
スギナやドクダミのような異常に繁殖力が高い植物ならまだいいのだが、根っこから掘り起こし株を残さず採り尽くしてしまうようなやり方では来年どうなるのか?
また違う山に入って採り尽くすのだろうか?
「今さえよければそれで良い」という間違った「いまを生きる信仰」があらゆる局面で噴出しているのではないだろうか?
本来、道草を喰うというのは合理性とは正反対の思想である。
最短距離でゴールを目指すのではなく、無駄の中に様々なものを感じ、手間暇の向こう側にしか開かれない桃源郷を発見し、それを味わってゆっくりと人生を歩んでいく生き方であろう。
野草、雑草、薬草、薬樹を食するのはショートカットで健康にありつくためではない。
結果よりもプロセスそのものを楽しむという哲学が道草に含まれている最大の栄養素なのだと筆者は思いたい。
*今日は口うるさいオジサンみたいな文体で書いてみました笑
文章: パン長=柏原 修(日本仏教徒協会会友・パンダ整体院院長)
昭和52年生まれで2児の父親です。
北京中医薬大学提携校・東洋醫学療術専門学院 元師範講師
中医整体師・推拿整体師・レイキティーチャー
シータヒーリング基礎DNAプラクティショナー
占い師(ルーン石、タロット、オラクルカード、マヤ暦など)
【誕生日】12月21日。
同じ誕生日の人は
フランク・ザッパ(天才的音楽家)
本木雅弘(超絶男前)
幾原邦彦(セーラームーンの監督)
【性格】オタクです。知的好奇心のかたまり。
【好きな食べ物】茄子のてんぷら・納豆・たまご
【好きな味噌汁の具】玉子とわかめ