道草を食って帰ろうVol.05【梅】
この記事は日本仏教徒協会の会報誌『シャリーラ通信』に掲載されているコラムのバックナンバーです。
梅仕事は日本のお家芸…ではない
梅仕事の季節ですね。
皆さんの食卓にも梅シロップなど並び始めた頃でしょうか。
中医学では梅は気を助けると考えます。気が消耗すると水分代謝が悪くなってむくみ、だるさ、眠気、眩暈の原因に。
そんな時こそ梅がおすすめです。
梅の酸味が気の巡りを良くしてくれるし、消化を助ける働きにより「気血の母」である【脾】をサポートします。
そんな梅の代表的な食べ方は梅干し。
青梅を塩漬けした後で紫蘇に漬け込み、土用に天日に当てて完成。これは海に囲まれ良質な塩がたくさん手に入った日本の風土だからこそ生まれた梅の利用法です。
では、おとなり中国ではどのようにして梅が使われてきたのでしょう?
漢方薬に「烏梅」というものがあります。中国読みでウーメイ。
おや?なんだかウーメイとウメって音が似てますね。梅は大昔、中国大陸から日本にやって来たそうです。
青梅を燻製して甕に入れて土中で寝かせた真っ黒の梅ウーメイ。その異様なルックスは鳥梅というネーミングにも現れてまして、烏=カラスですから真っ黒な梅という意味合いなんですね。面白い。
この真っ黒で薬効のある梅が日本にやって来た時、音読みのウーメイが日本語に訛りウメとなったのではないか?
というのを白川静さんと梅原猛さんの対談本の中で書いてたような…出展はうろ覚えですが、名前がローカライズされていくあれこれも面白い。
さて、このウーメイを利用した夏のさっぱりドリンクが中国や台湾にはあります。
酸梅湯(サンメイタン)って聞いたことありませんか?甘酸っぱいウーメイ入りのジュース。
脂物の消化を助けて暑気払いにもなるそうですよ。
梅は大陸でも日本でもいろんな形で用いられる薬樹です。
まだ梅仕事間に合いますよ。
今年は梅シロップ漬けてみませんか?
文章: パン長=柏原 修(日本仏教徒協会会友・パンダ整体院院長)
昭和52年生まれで2児の父親です。
北京中医薬大学提携校・東洋醫学療術専門学院 元師範講師
中医整体師・推拿整体師・レイキティーチャー
シータヒーリング基礎DNAプラクティショナー
占い師(ルーン石、タロット、オラクルカード、マヤ暦など)
【誕生日】12月21日。
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【性格】オタクです。知的好奇心のかたまり。
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【好きな味噌汁の具】玉子とわかめ