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東大情報理工システム情報学専攻受験記2022(院試浪人)

2022年度に東京大学情報理工学系研究科システム情報学専攻を受験しました。そもそも院試については受験する母数が少なくネット上に情報が少ないです。私が受験に向けて情報収集する上で、ネット上に上がっている先輩方の合格体験記がとても参考になったので私自身の経験も共有します。院試浪人かつ専攻変えというマイノリティなので、何かの参考になれば幸いです。


受験の経緯

東大工学部の学科に所属しています。昨年度情報理工の知能機械情報専攻(研究室持ち上がり)を受験して不合格になりました。体育会系の部活に入っていたために対策の時間がとりづらく、また大学院でやりたい研究についても動機が希薄だったので落とされて当然だったと考えています。部活が12月に終わったので、冬院試を受ける気にもなれず留年という選択をしました。
2022年2-3月は就活を考えていましたが
1. 就職したあとの未来がつまらなく見えてしまった
   (そもそも志望業界が自分に合っていなかった)
2. 大学で深く勉強・研究してこなかったので研究してみたい
3. 興味のある分野を見つけた
ので大学院を再受験することを決めました。
東京大学情報理工学系研究科のシステム情報学専攻と、東京大学工学系研究科バイオエンジニアリング専攻に出願しました。バイオについても気が向いたら記事を出します。

試験対策

システム情報学専攻では英語、数学、専門科目、口頭試問について試験がありました。

1. 英語

 受験時の東大英語は70点程度で東大生平均くらいでした。
TOEFL iBTについて、下記の参考書と中国TPOをやりました。前回はこの参考書を3週間*3時間程度勉強して70点でしたが、今年は中国TPOをメインに2ヶ月*5時間くらい勉強して88点を取りました。具体的には、Listening20回分くらいとReading5回分くらいやったと思います。英語なかなか伸びないし辛いですが、終わってみると前より断然英語が聞けるようになってることに感動しました。
Dec 2020 : R18, L19, S16, W17
May 2022: R25, L24, S19, W20


2. 数学

 情報理工の共通数学を15年分*2周、工学系研究科の数学10年分*1周解きました。ちょうど1か月しかなかったのでこれ以上はできなかったです。黄色本は買ったんですが、明らかにオーバースペックなのでわからない問題があったときに類題を探す辞書として使うことしかできなかったです。本番は5-6割はとれたんじゃないかと思います。去年は全然解けなかったので成長を感じれてよかったです。あとたまたまですが第2問に、工学系研究科でよく出ていた微分方程式の問題が出た(情報理工ではあまり出ていなかった)ので専攻の過去問以外を解くことも案外意味があるかもしれません。

点数開示次第追記しますが、
第一問 線形代数 (4)以降は誘導に乗れず失敗
第二問 常微分方程式 t→-∞の極限の意味が分からなかったけど、極限にすると特殊解しか残らないことに不安 多分全完
第三問 確率 (1)しか分からなかった


3. 専門科目(制御, 回路)

今年は信号処理、回路、制御、力学の4つから2つを100分以内に解く形式でした。対策期間が2週間しか取れなかったため、2点集中で対策することにしました。
一つ目の制御についてはもともと学科の講義で勉強していたので選択しました。雰囲気は掴めていたので下記の

2冊の演習本を大体解いてから過去問を解きました。制御の本質的な意味についての問題がよくあり最後まで分からなかったですが、下記の南さんの講義がわかりやすく雰囲気がつかみやすいのでおすすめです。


次に、信号処理は奇問が多い、力学はパターンが多すぎるということで、一番癖が少ないという評判の回路を選択しました。


回路については高校までの物理+制御を絡めた問題という感じで、とっかかりやすかったです。また過去問の傾向としてオペアンプが頻出なのでまずそこを勉強しました。しかしオペアンプそのものに触れたことがなくイメージしにくかったので市販のオペアンプキットと安いオシロスコープを買って実験しました。実際に信号増幅やコンパレータとして機能してるところを確認できて、有意義だったと思います。参考書は何個か読みましたが、対策にちょうどいいものがないなと感じました。回路学についてはネットで調べたら結構情報出てくるのでそれで充分じゃないかと思います。

以上の制御と回路学について過去問を15年分*2周しました。計60問分を14日間で解いたのでとてもきつかったです。また、過去問の解答がないと勉強の効率が下がってしまうのでなんとか見つけるべきです。内部生は先輩からもらったり同期でゼミ形式で解いたりできますが、外部生はコネクションがない分きついです。頑張って見つけましょう。

本番は回路ほぼ完答、制御5割といった感じでした。

4. 面接

全員5分で終わるため手ごたえが0でした。第一志望研究室の教員に少し質問されて返答したら終わりました。


まとめ


大学受験のときはみんな一緒に受験するため安心感があり、浪人してもそれほど珍しくなく肩身も狭くないですよね。それに比べて院試浪人はマイノリティな存在で、孤独を感じることが多かったです。受験期は毎日朝9時ー夜21時まで図書館で勉強する生活をずっと続けていた中で、就職した友達やストレートに院に行った友達に「何してんの(笑)」とか、「就職から逃げてるんじゃない?」って言われることが一番辛かったです。
しかし本当に大切なのは、自分が何をしたいかです。
私はこの分野の研究をして世界を良くしたいと思っています。自分の内なる気持ちを、周りに合わせる形に曲げて結局後悔する人生は送りたくないです。人生一度きりなので。

これからも自分のペースで研究頑張りたいと思います。

両親、兄、友達、関わってくれた人すべてに感謝しています。この記事がいつか読んでくれた方の役に立てば幸いです。

開示

数学45%程度
専門70%程度でした。数学の採点厳しい、、、

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