今、ここを見つめること
なぜかわからないけど、この数年、食に関する学びとのご縁は絶えることがない。
夕食づくりも夫へと手放し、かろうじておにぎりを朝作るだけの私が、なぜ、こんなにお料理教室にかよっているのか?
なかなか、気付かなかったが、実は、自分の中のありたい姿に、みんなで笑顔で食事する姿が、いつもあったのだ。
当たり前の光景なのに、一番見過ごしてしまいがちなこと。
あらためて、その大切さを息子の変化とともに感じている。
2年前に
息子が高校に行けなくなってから、
何が原因なのか、
理由探しばかりしていた。
2回、全日制の高校にトライし、
そこでいろいろな体験をした息子が運んできてくれたご縁で、
近くのお寺の朝のお勤めに右も左をわからないまま参加していた。
ただひたすら、広いお堂に座らせていただき、
目を閉じて、お経に耳を傾けていた。
3日通ってみて、5日通ってみて、1週間通ってみた。
私の体の外側にとんでいた意識が、だんだん自分の呼吸、肺のふくらみ、下腹部のふくらみ、足のしびれ、心臓の音に集中し始めた。
あるとき、「もう、いいんだ」と何かがストンと落ちてきた。
ただ、私がここへ来るために、すべてがおきたのだと。
その後、一番落ち込んでいた時に
船越耕太さんの重ね煮、うどんの会に参加した。
2022年2月、コロナの勢いに周りがザワザワしているときだったけれど、
美味しいを囲む笑顔がたくさんあった。
「おなかいっぱーい!もう、食べれない! でも、あとちょっと、食べようかな?」
今、この瞬間、笑顔が満開になり、幸せでいっぱいになる。
三重県いなべ市でご夫婦で、喫茶ジャスミンを営んでいる鈴木友美さんの主催で
耕太さんのイベントに親子で何度か参加するうちに、子は親の鏡であることにやっと気づいた。
わかっていた言葉だけれども、目の前に何が起こらなければ、それは腹落ちすることではない。そして、その目の前に起こったことも必然的に自分が引き寄せたものであること。
その後、息子は自分の殻にこもっていたサナギのような状態から、徐々に羽化していった
通信制の高校に通うことに決めてから、自分の時間の使い方をさっさと決めた。
通信制の高校の担任の先生とのオンラインでのはじめての懇談で、毎日、好きなことができて充実している様子を話していた。
それでいいんだ。
「自分が自分を最大限に認めること。」
「生きているだけで100点満点。」
2022年、6月17日、友美さんの招致で耕太さんのお父さんである船越康弘さんのお話会が始まった。
康弘さんの「生きているだけで100点満点」を聞いただけで、始まったばかりなのに、涙が自然にわいてきた。
2030年には、笑顔が満開の食事が維持できない可能性がひろがっている。
康弘さんのお話の終わりに、耕太さんが登場して、父と子として葛藤してきたであろうことをいつもの笑いを織り交ぜながらお話していく。
形は違っても、世代間で、確実にその源にある思いは受け継がれている。
その思いは親子の間ではぐくまれた愛を基盤に、この地球環境をより良い未来へ引き渡すことに向けられている。
親も子も、それぞれの形で、表現していくことの大切さ。
お二人が並んだ姿に、少し大人になった息子の姿がタブってきたような錯覚におちいったのは、
私だけではなかったはずだよね。