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「化粧品学習」の、はなし。#40

今年度に入って仕事で美容商材を担当することになり、最近はよく美容誌に目を通すようになった。

キラキラした憧れの詰まった誌面上では、おんな心をくすぐる演出に翻弄されて、ページをめくりながらポチポチと、スキンケアにコスメに、気がつけば数多の商品をECサイトの買い物かごへ入れてしまう。

私はこれまで、人並み程度の熱量でしか化粧品を追い求めていなかった。
どんなに高価な商品にチャレンジしようとも、その良し悪しのすべてを理解しているわけではなく、
権威ある美容家が推奨しているらしいとか、有名なモデルさんが使っているらしいとか、
そんな表面的な情報で好きになり、表面的に使用感を確かめながら、
ある程度日が経てば、また次のお目当てが現れる、という具合の距離感だった。

しかし、美容誌を眺めるようになると、少しずつ“化粧品愛”も育まれて、
肌や成分に関する化学的な知識も、自然と身に付くようになってきた。
なんとなく良さそうと思っていたビタミンC誘導体の役割・老化のメカニズム、などなど。
化粧品を知ることは、私の体の仕組みを理解することでもあり、良い商品を手にとって、目に見えないレベルの小さな細胞たちが喜んでいくさまを想像するのは、なんとも面白い。

私の仕事の助けになる知識としても、私の人体の不思議を探っていく意味でも。
これを機に、イチから化粧品についての勉強をしてみたいと思った。そして勉強するにあたっては、わかりやすい目標を立ててみようと思い、
今年の冬に開催される「日本化粧品検定」の試験にチャレンジすることを決めた。(我ながら、ほんとうに分かりやすい。)

資格取得そのものが目的ではないが、これをゴールに据えれば、
きっと飽きやすい私でも、合格へのモチベーションに押されて学習意欲が湧いてくるはず。
化粧品をロジカルに、そして愛を持って語れるように、これからコツコツと知識を積み上げていきたいと思う。


スキンケアのクオリティというのは、ハリツヤを自分自身で実感することはあっても、人からはその差が見えにくいものだと思う。
この人、肌荒れちゃっているなぁと思っても、スキンケアが足りないというよりは、寝られてないのかな?疲れてるのかな?という、身体のコンディションの心配が先にくるのではないだろうか。

一方で、これがお化粧となると、上手い・下手のスキルの差が、わかりやすく表に出てきてしまう。

私が初めて自分でメイクをしたのは、大学生に入ってからだったと記憶しているが、
当時はYouTuberのような動画で解説をしてくれる人もいなかったので、
プロによって完璧にメイクされた誌面のモデルを参考に、商品を試したり塗り方をマネしてみたりしていた。

そんなふうに、メイクというのは見よう見まねで試すしか方法がなく、誰かが丁寧に教えてくれるわけでもなかった。
それなのに、ある一定の年齢になったらみんながみんな化粧ができるのが当たり前で、
自分の身の丈にあったメイクを知らないと、まるで恥ずかしいことのように言われてしまうのは、いささか厳しすぎはしないだろうか。。

投資の授業なんて受けていないのに、社会人になればうまく運用していかないと、とプレッシャーをかけられるみたいに、この大人のたしなみというのは、なんとも付き合い方が難しいものだ。

日本化粧品検定は、当然スキンケア領域だけではなく、お化粧についても学んでいかなければならない。好きこそものの上手なれ、という言葉の通り、やはり強制されてイヤイヤやるよりも、心も前向きにできる方が良いに決まっている。

大人のたしなみたるお化粧も、やらねばと思ってやるよりも、どうせなら自分をアップデートするお守りのような存在としてスキルを磨いていった方が、きっと仕上がりもうまく整えられるだろう。

30代になってやっと真剣に向き合おうと思えた化粧品たち。
日々のメイクも自信を持ってできるように、実践と座学の両輪で頑張ってみようと思う。

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