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Day.17 高尿酸血症の診療メモ【総合診療トピックゼミ】


<尿酸降下薬の適応の考え方>

◇無症候性の場合には、尿酸降下薬は使用しない

ここでいう無症候性とは、以下のいずれも認めないことを意味します。
1)痛風結節
2)腎機能障害
3)尿路結石
4)慢性関節炎
いずれも認めない無症候性であれば、尿酸降下薬の使用は推奨されません。生活指導で対応します。生活指導の内容は……
1)肥満があれば運動
2)アルコール摂取量の制限
3)果糖を含む飲料など甘いものを避ける
となります。

◇発作がないが薬物療法を開始する場合

〇高血圧や心不全、心血管障害がある患者さんの場合
☞発作の有無に関係なく、薬物療法の開始を検討してください。

◇発作があった場合の薬物療法検討

……まず、発作中は尿酸値を下げにいってはなりません。一応。
そして、発作が落ち着いたら……

〇年に2回以上の痛風発作がある場合
☞薬物療法を開始して、尿酸値を低い値で安定させてあげてください。

〇初回発作だが、若年or腎機能障害がある患者さんの場合
☞薬物療法を開始してください。
若年発症の場合には、痛風が重症化する場合があります。
腎機能障害があると薬剤選択が限定されるので、早期から介入します。また、エビデンスがはっきりしていませんが、尿酸値のコントロールが腎機能の悪化にある程度歯止めをかける可能性も指摘されています。

<薬物療法>

◇薬物療法の目標
尿酸値が6.0mg/dL未満となるように調整してください。

◇第一選択薬:アロプリノール
200~300mgを1日2~3回に分けて投与
1回あたりの投与量は50~100mgから開始
*腎機能低下があれば、調整が必要。皮疹に注意。

◇第二選択薬:フェブリク
1日1回10mgで開始して、1日1回40mgまで増量する。

<Column>

 痛風で今、足に激痛がきている人にはごめんなさい、なんですが、健康を守ることを考えると、「痛い」ってめちゃめちゃ重要ですよね。高血圧とか糖尿病って「症状がないのに治療したほうがいい」ことをすっと納得して頂くのって結構難しいなって思います。高尿酸血症については、「もう、あの痛みは嫌ですよね」で話が通じてしまうので。そういう私は肥満に痛みがないせいで、BMIが下がらないのですが……。

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