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【ワットラーチャオーラサラーム】ラーマ3世の好みぎっしり詰め合わせ!あの涅槃仏のモデルもある寺院

こちらはソンクラーン期間中に滞在していたホテルの近くにあった寺院で、第1級王室寺院やし仕上がりすぎてるやろしサラッと見るかぁと思っていたら面白い歴史を持った寺院でした。

今日はラーマ三世ゆかりの寺院を紹介したいと思います。


この寺院は正式名称をワットラーチャオーラサラーム・ラーチャウォラウィハーンと呼び、ラーマ3世が眠るお寺として第1級王室寺院として登録されています。

国鉄マハーチャイ線のチョームトーン駅からすぐの場所に位置しています。

門構えからして中国様式だと分かる、金ピカチョーファーなどの過剰な飾りがない、陶器で装飾された白を基調とした作り。

中に入ってみても、色んなところが中華風。

ラーマ三世の時代には隣国との争いも少なく、対清貿易で莫大な利益を得たため、熱心な仏教徒でもあった彼は多くの寺院を再建・建立しました。

そんな寺院建築ラッシュ真っ最中の時代。
従来の建築様式では時間もかかり耐久性に乏しかったこともあり、ラーマ三世時代には中国の建築様式を取り入れて、合わせて中華風装飾も取り入れられることになります。

この寺院はラーマ三世が一番初めに中華様式で再建した寺院だそうで、一番最初だから気合が入っているのか、結構やり過ぎ感があって面白いです。

中国傾倒ポイントは他にもあって、この寺院では中国の風水に基づいてそれぞれの建物が配置されています。

風水を立地面で見ると入り口を川や海に向け、背後に山があり、周りを丘に囲まれていると良いとされています。
この寺院は東側の運河側に本堂の入り口があり、もっとラージスケールでみると背面はカーンチャナブリーやペッチャブリーの山を背にしている作りになっています。

方角はあまり関係なく
配置してるっぽい?

この配置はノンタブリーのワットチャルームプラキアットと2つだけだそうです。

さて、本堂に行ってみます。

本堂の周りには結界石があるのですが、結界石を祠のように囲む様式もここから始まったそうです。

それ以前に建立されたものは結界石は台に置かれただけのものがほとんどです。

そして本堂のドア。
門番の絵が描かれていることが多いのですが、こちらではどうみても京劇の人形が飾られていました。
手には何も持っていませんが、設置された当初は鉾か棍棒かどちらかを持っていたのでしょう。

すんごい違和感ですが、その当時は「めっちゃ斬新やん!かっこいい!」となったんでしょうね。

中華風ガーディアン

中も仏像以外は中国の宝物まみれ!
四方の壁面には中国で縁起が良いとされているものがびっしりと描かれています。

この瞑想座像の仏像の下にラーマ三世が眠っていらっしゃいます。

一部の壁画には観音像なども描かれていて、上座部&大乗饗宴な感じでなかなか面白いです。

香炉から出た煙に
のっているのはなんだ?

扉には雲を吐き出す龍の螺鈿細工で描かれており圧巻です。
これも本当に素晴らしいのでぜひご覧いただきたいです。

螺鈿細工ってほんとすごいよね

鮮やかな朱赤の壁面に、中国の吉祥文字にも使われる「招財進寶(しょうざいしんぽう)」と、商才に優れていた呂不韋が優秀な食客たちに編纂させた「呂氏春秋」が一緒に描かれているのも、ラーマ三世に相応しい柄だなと思います。

待ち受けにしたら良さそう

本堂を後にして、涅槃仏のいらっしゃるお堂へ。
なかなか立派な涅槃像です。

この涅槃像はワットポーにある涅槃像のモデルになったものだそうで、普段はあまりの混雑ぶりに避けてきたワットポーに再訪して見比べたくなりました。

もちろん足の裏もしっかり見ることができます。

一番大きな涅槃像には金箔を貼ってお願い事が出来ないので(本尊には貼れないことがほとんど)小さめの涅槃像が置いてあるのですが、これがなかなかエモい雰囲気で、私はこちらの方が好き。

赤ちゃんみたいでかわいい

他にも苦行中の釈尊やら、タラパットという扇を持った仏像などもあります。

小ぶりな仏像がことごとく良い造形で、大満足です。
みんないい顔してる。

この手の形は
すごくインドの修行ぽくて良い

仏足石もとても立派でした。
喜捨する時に、硬貨を上手に立てることができると願いが叶うということで私もやってみました!

本当は一回ぽっきりなんだと思うのですが、何回か挑戦して出来ました!

嬉しくて写真撮る

ギラギラしてるんやろなぁと思ってあまり期待せずに訪問した寺院ですが、違った意味でイケイケで面白かったです。

当時の流行最先端てんこもりの寺院、みなさんもぜひ立ち寄ってみて下さい。

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