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オタクたち、駅に愛を刻め! -合理性ゼロ、満足度∞の応援広告主催論-

はじめに


アイドルやVtuber、ゲームキャラの巨大ポスターを、駅で目撃したことはありませんか? それこそが、ファン有志が手掛ける「応援広告」です。

推し活に没頭するあなたなら、noteや広告代理店のサイトで幾多の成功例を見てきたはずです。

「いつか自分も…!」と憧れる気持ち、すごく分かります!
 そんなあなたに。駅ポスター型の応援広告を2回主催した筆者の経験談をお伝えします。

応援広告は、数字では測れない情熱の発露。

その情熱を注ぎ込む前に知っておいてほしいことがあります。
予算、効果の不確実さ、主催者の責任…もしかしたら、あなたの夢にすこしだけ水を差すかもしれません。

それでもこれから主催する方に役立ててほしい情報を、8000字超えのボリュームで詰め込みました。

応援広告の、嬉しいことも大変なことも少し覗いてみませんか?


時間がない人向けの三行要約

  • 応援広告は、コスパより愛の表現を重視したかなり特殊な広告形態

  • 多大な労力と責任を伴うが、ファンの結束を強める機会にもなる。

  • 広告効果よりファンの満足度が成功の指標であり、プロセスを楽しむことが重要。



応援広告は「広告」ではない?!

まずはじめに応援広告は「広告」ではありません。
広告の皮をかぶった、「非合理で非効率的なファンレター」です。
覚悟をしっかり固めていただくために、少し厳しい現実をお話しします。

「広告」だけども広告効果を狙ってやるものではない

普通の広告なら、エンゲージメント率などで効果を測りますよね。

でも、応援広告は?

当然ですが、オタク側は推しの「正確な分析データ」にアクセスできません。
広告を出したことで推しのファンが何人増えたか、どのくらい認知されたかなどの効果がまったくわからないのです。

「なんとなく推しが喜んでくれた気がする」「通行人たちの無意識下に名前と顔を刷り込んだ気がする。推し、人類の夢に出演しろ」程度の、あいまいな実感しか得ることはできません。

推しの売上には直接つながらない

推しを直接支援したいなら、グッズやスパチャやライブなどにお金を使った方が効果的です。そちらのほうが確実に推しのお腹を満たせます。

「こうした広告は、ビルボードに推しの広告がボーンと打たれてファンは満足します。ただ、実はアーティストとしては事務所公認ではなく、アーティスト本人が喜ぶから事務所は目をつぶっているだけ。サードパーティーのビルボードが儲かるだけで、実は誰にも還元できていない」

石井 徹."街中充電サービスが「推し活市場」に新たな選択肢".東洋経済オンライン.2024/11/18

と引用元記事にあるように、「現状の」応援広告は直接推しの売り上げにはつながりません。版権料を追加で支払い、推しに還元されるプランなどが登場すればいいのにと思うこともあります。
応援広告が間接的な支援になる可能性もあるでしょう。しかしコスパを考えるのであれば、SNSでの布教や口コミなどほかの手段を検討するほうが賢明です。

個人的で巨大な「お祝いメッセージ」

 応援広告の本質は、祝電や寄せ書きに似ています。「私たちファンはこんなに熱烈で大勢いるんです!」というメッセージを、駅などのスペースを借りて伝える行為です。

特定の人物への祝電や寄せ書き(ごくごく私的なメッセージ)を公共スペースに貼り出す。
冷静に考えると、特異な行動だということがお分かりいただけるでしょうか。


……なぜこんな非効率を?

つまり、応援広告は「広告」としての機能をあまり果たしません。推しの支援方法としても「最」善ではありません。費用対効果としては、正直コスパが悪いでしょう。

しかしなぜ筆者は2回も応援広告を出稿したのでしょうか?
なぜなら応援広告は、我々オタクを強く惹きつけ、時には感動さえ与える不可思議なものだから。熱狂の前では、ときに合理思考は霞んでしまうのです。 


応援広告の目的を理解する


応援広告はいったい何のために存在しているのでしょうか?当然「応援」のためです。
そのまますぎて身も蓋もないですが、もう少し深堀していきましょう。

駅のまんなかで愛を叫ぶ

応援広告の第一の目的は、「支援と祝福の表現」です。
「推しに対する 『愛してる!応援してます!』のメッセージを駅で1週間見せびらかす権利」を買っているようなものです。

お金と労力をかけて「駅で1週間、私的な愛のメッセージを掲出する」ことにあなたがどれだけの価値を見いだせるか、でしょうか。

推しの宣伝効果……って本当にあるの?

「応援広告で推しの知名度が上がるかもしれない!」と思われるかもしれません。おそらくそう期待して支援してくださった方も多いでしょう。

ごめんなさい!全くないとまでは言いません。ですが我々が期待するほどには、広告効果は見込めません。
より正確に言うと「広告効果を確認することができない」のです。

 
広告内容で興味が湧いたり、もともと知的好奇心が強い方なら。知らないアイドルやキャラの応援広告を見て、名前を検索したり、混雑する構内でQRを読み取ったりした経験があるかもしれません。

ですがオタクでない人々、興味関心が湧かなかった人にとっては? 

ふだんの通勤通学の背景でしかないでしょう。むしろ数百人〜数千人の通勤通学の背景になれるということです。人類の脳裏に刷り込んでいきましょうね。

企業広告であればQRコードなどのアクセス解析、広告期間中の各種数値などを指標に効果を見るのかもしれませんが、内部の数値や資料を見られない我々オタク側には、実際の効果はわかりません。

そもそも効果に期待するどころか、効果そのものをチェックすることができないのです。


愛の再確認のために

ここまで厳しいことを書き連ねてしまいました。そろそろメリットについても記載していきます。

まず応援広告は、主催のあなたが先頭に立ち、数ヶ月かけて進めるプロジェクトです。
 無事に完了できたあかつきには、「あなた自身が」大きな達成感を味わうことができます。そして、ある程度の金銭を扱ったり関係各所とやりとりするために、学業や仕事でも役立つ経験になります。

事務作業や各所への調整、広告ビジュアルの作成などの楽しく苦しい作業を通して、推しへの愛を再確認することができるでしょう。


「推しのことをもう知っている人」たちの交流活性化

応援広告はファン同士の、大きな交流のきっかけになりえます。

企画内容の検討やデザイン・イラスト、クラファン。さまざまな工程を、他のファンのみなさんと力を合わせて経験することができます。

実際に掲出がはじまると、グッズと一緒に広告を撮影してくれたり、「見かけた!」「あった!」とSNSに投稿してくれることもあります。
ふだんは他のタレントやキャラを推している人、名前を知っているくらいの人も「〇〇の広告出てた」と反応してくれることがあります。

「同じ推しの仲間がこんなにいるんだ!」という安心感や連帯感、そして大きな幸福を生み出すきっかけになります。
そして、推しをぼんやり知っている人々に、推しのことを思い出してもらうきっかけにもなります。

(事務所への間接的プレッシャー)

あなたの推しがアイドルやタレントであれば、事務所や運営に「推しには熱意あるファンたちがついているから、くれぐれもよろしくね」というのを示す機会にもなるかもしれません。
正直売上や数字で結果を出したほうがより強い圧力になると思いますが、実際どうであろうと「我々が思い込める」というのが重要ですね。

愚直な愛のかたまり

率直に言ってしまうと、応援広告の最大の目的は「我々ファンたちの祝辞を大きな形にすること。それによる満足」です。

自己満足をかたちにした愛の表現であり、ファン同士の連帯感を醸成するきっかけになるものです。


応援広告実践ノウハウ


ここまで応援広告のメリットとデメリットを語ってきました。
それでも「やるぞ!」というオタクの皆さん。頑張ってください!でも熱意だけでは難しい部分があります。

ここからは、2回主催を経験した人間の経験談や知見を語っていきます。
基本的な流れについては、広告代理店様のサイトに正確かつ最新の状況が載っています。かならずこちらを確認してください。


主催をやるのに最低限必要なもの、資格は以下の4点です。

  • 18歳以上であること

  • 注意事項やルールをよく確認する能力

  • 期日を厳守し、多額の金銭を扱う責任感

  • 十数万程度の貯金

あったほうがいいもの

  • ファンコミュニティからの協力

  • 入稿データ(CMYKカラー)を扱える画像編集ソフト

  • イラストやデザインをディレクションする、または作成する能力

(紙とえんぴつ、画像検索などなどどんな手段でも他者にイメージを伝えられればよし。技法書買って付け焼き刃で挑んでもよし)

代理店を使って、クラウドファンディングで資金調達

まず完全個人で広告を出稿するのは、もろもろの手続きや社会的信頼上難しいです。駅広告の秩序がある程度保たれている理由や、仕組みを想像してみてください。

広告代理店様を利用しましょう。彼らは応援広告のプロです。公式への許可取り、広告枠取得など、個人ではとても難しい作業をやってくれます。本当に本当にありがたい存在です。

そして広告費は自腹を切るか、クラウドファンディングで他のファンの方々に支援を募るのが一般的です。


スケジュールと金銭管理は命

メールや提出物の対応スケジュールを厳密に管理し、期日を守りましょう。
広告データだけでなく、ポスター内容や当日告知向けの文面審査など……思ったより多くの締め切りがあります。ひとつでも遅れたら広告を掲出できません。
特にクラファンで資金を募る場合、たくさんの方々から高額のお金を預かることになります。

主催のあなたは、ファンの方々の愛と期待を背負うことになるのです。それを強く自覚したうえで、期日と金銭の管理を担う必要があります。

1人で背負うのが難しければ、身近な人やファンコミュニティに助けを求めながら進めるべきだと思います。 お金と時間がかかる以上どうしても強い責任を伴いますが、その責任は分散させてもよいと思います。


広告ルールを確認しよう

応援広告自体のルール電鉄会社側のルール推しの所属事務所の独自ルール
確認して守るべきルールがたくさんあります。

代理店や事務所、電鉄会社側のチェックも当然入りますが、企画をスムーズに進めるためにも主催がしっかりと確認しておきましょう。


ファン団体を組織する

個人名では広告を出せません。そこで、ファン仲間にお声をかけてファン団体を組織しましょう。 
名義上であなたともう1人。合計2人以上所属している必要があります。なんらかのファン活動実績(ファンとしてSNSをやっていればOK)があると良いです。

ファン団体名は、「推しの誕生日にも周年にもライブ出演にも対応できる名前」にしておきましょう。
具体的には「西暦」や「『誕生日お祝い』などの用途が限られる語句」などを含めないようにしてください。名前が変わると別団体扱いになります。

私のときはこんな感じ(実際は成果物リンクを貼った)で通りました


ファンコミュニティは神様です

ファンコミュニティに助けていただきましょう。そして多大に感謝しましょう。
金銭的支援だけでなく、掲出場所や広告の内容の相談、広告イラストの提供.……沢山助けていただきました。

「効果的な」応援広告の計画

ここでいう「効果的」とは何か。携わってくださったファンの皆様の満足度です。
推しの知名度アップ、売上増加―期待したいですが期待してはいけません。

大切なのは、あなたとファンの満足感です。それを最大化しましょう。


スケジュールは早め早めに

代理店のモデルスケジュールを確認したら、それより前倒しで計画を立てましょう。

特に広告のイラストやデザインの作業スケジュールは早めに引いておきましょう。他のファンの方々に依頼する場合はなおさらです。私が上手くできていたとは本当に言い難いのですが、なるべくゆったりとした納期を用意したいところですね…。

そうすれば、途中で起こる予期せぬトラブル(メールの不調や確認漏れなどなど)にも対応できます。

実際に私は、こんな想定外の出来事を経験しました。

  • データ入稿間近になって広告代理店とのメールが不調になり、あわてて電話でやりとり。

  • ポスターや当日告知内容などの審査手戻り。QRコード付近に「Youtube」などのリンク先がわかる文字列があるか、駅出口の正式名称などは確認しましょう。

  • 審査側(電鉄会社)からの質問。衣装によってかなり外見が変わる推しなので「ぜんぶ同一人物(広告対象のタレント)です」と説明した。


予算は「死なない金額」で

ここだけは、あなたの生活や信頼に関わるため強めに警告をさせてください。

応援広告の費用は安くても5万円程度、出稿場所や数にもよりますが大体の場合10~20万円以上を覚悟する必要があります。
予算の目安は「あなたが全額自腹を切ったとしても死なない金額」です。

なぜなら申し込み後早い段階で、広告枠の確保のために「広告費全額」を支払う必要があるためです。
頼みの綱のクラファン支援金は、企画終了後しばらく(2ヶ月程度)経ってから振り込まれます。 
口座から10〜20万円マイナスされている状態で、あなたは数ヶ月生活できるでしょうか。

応援広告で破産するくらいなら、CDやグッズ、スパチャのほうで破産してくれよ、と推しは思うでしょう。少なくともそっちのほうが推しのご飯に直結するので。  

私が企画を進めていた23年時は、(期限が許すならば)あとから掲出場所を追加することも可能でした。
ですので、まずは小規模で安全な計画で始めた方が絶対によいです。

最近は広告代理店さま直営のクラウドファンディングサービスも登場。こちらを利用すると立て替え期間がなくなるようです。
航空機ラッピングなどワクワクする高額広告枠もありますが、基本的に「全額自腹で行える規模」ではじめるのが良いかと思います。


聖地に出すとエモい

広告の掲載場所も重要です。ファンが最も目にする場所、そして最も喜ぶ場所を選びたいところです。

・推しの出身地や活動拠点の駅、名前もじり。
 →私は名前もじり+出身地付近の2か所にしていました。

・ ライブなどがあるなら日程合わせて会場の近く

予算とファンの皆様と相談しながら最適な場所を選びましょう。


事務作業を的確にこなせ

広告代理店とのメールのやりとりの他にも、やるべき事務タスクはけっこうあります。

企画用twitterアカウントの運用
 
後述する企画進捗報告と同タイミングで動かせばいいかと思います。

サプライズのために推しをブロック→掲出当日にブロック解除する風習がありましたが、twitter仕様変更により意味がなくなりました。 堂々と運用してしまうか、検索避けを試みるかはお好みで。
悪意ありなし問わず、どこかから企画の存在は漏れると思っておいたほうがよいです。

クラファンの企画進行
 掲出県決定、広告イラスト完成報告などの進捗報告を上げていきます。クラファンの締め切り前リマインド(1週間前など目安)などもやると親切だと思います。

コンビニ決済で決済期限切れした方へのフォロー
 寄せ書きや支援者名一覧を作る前なら間に合うので、参加ご意思をお尋ねして対応していました。

クラファンのリワード対応
推しの事務所では寄せ書きメッセージ募集が許されていました。
クラファン申し込み時にいただいた寄せ書きメッセージ内容の確認、転記。
寄せ書きサービスの仕様で使えない文字種が含まれている(絵文字など)、文字数が超えていた場合の文言変更確認対応。
これは地味に工数がかかったので企画要項に書いておくべきでした。

掲出告知文章、画像の作成
告知文面と画像内容にも事前審査が入ります。有志のデザイナーさんにお願いできるならこちらも忘れずにお願いしましょう。
掲出先の地図を自分たちで書き起こす必要があり、土地勘のない駅に出す場合少し大変。
作成ルールがあるのでチェックしながら作業してください。

地図の例

ファンコミュニティ(discordなど)での相談、進捗報告、やりとり
困ったな、悩むなということがあればファンコミュニティや代理店の担当者に相談しましょう。きっと助けてくれるはずです。


デザイン・イラスト:愛をぶちかませ

いよいよ応援広告のビジュアルを作る段階にきました。
デザイン作成は、応援広告企画の中で最も楽しく、そして最も苦悩する部分です。

広告効果はそもそも測定できません。「広告性」を意識するよりも「推しへの祝福」1点に全betするほうがいいモノができると(個人的には)考えています。

ですが実際に企画進行するのは、あなたやあなたの属するファンコミュニティです。やりたいように進めるのが1番いいと思います。

  • イラストやデザイン(広告代理店のオプションプラン以外)の有償依頼が版権元ルールで許可されているか?

  • ポスター内容にも注意や禁止事項がないか?

この2点に気を付けて作成していきましょう。

プロセスを楽しむ

ここで重要なのは、作り上げるプロセスをめいっぱい楽しむことです!

私の企画の場合、様々な衣装や姿をとる推しなので、
「メイン等身イラスト+その周りに複数のミニキャラ」というイラスト構成に決定。
ファンコミュニティの絵描きさんにご協力を募り合作をしていました。 
私はデータの取りまとめや色調補正、デザイン面を担当しました。

このレベルのラフからすごく素敵なイラストに仕上げていただきました
何を表現したいか伝わればいいんですよ

取りまとめやスケジュール管理のタスクもその分増えてはしまいますが、「ファン有志で協力して作り上げている実感、複数名による推しへのダイレクトな熱意」を表現できるためやってよかったと思っています。

カラーラフをいったん作成頂いて認識合わせ
清書データの要項連絡

そして、ラフスケッチ〜色調補正や加工などの段階でフィードバックを集め、たくさんのアドバイスをいただきました!
何度も修正を重ねて作り上げましょう。

我々の作ったデザインやイラストには、我々にしか表現できない「愛」が詰まっているはずです。
それを公共空間で大々的に誇示する。それが応援広告の真髄なのだと思います。


効果測定と評価(満足度の計測)

ついに広告の掲出当日を迎えた未来のあなた。たいへんお疲れさまでした!
 
実際に掲出場所を観に行ったときの喜びはひとしおです。あなたの数か月の準備が報われるときがきました。ここで今までの取り組みを振り返ってみましょう。

広告の効果測定はできません

もう一度言っておきますが、ファン側から広告効果を測ることはできません。
広告ルールにより、QRコードにアクセス解析(仕組み上リダイレクトが発生する)を仕込むことなどはできません。つまり、何人がその広告を見て、どんな行動を取ったのか全くわからないのです。

推しの反応 = 超ラッキー

「でも、推しが喜んでくれたら意味があるよね?」
実際、3次元のタレントさんやVtuberさんが応援広告に反応してくれるケースもあります。
ただし、推しがその広告を現地まで見に来てSNSで喜んでくれたら、それはかなりラッキーなケースです

考えられる(そして割と起こりうる)ケースをいくつかあげておきましょう。

  • 多忙のため広告を見にいく時間がない

  • 遠方での掲出で物理的に見られない

  • 性格上、あまり派手な反応を示さないタイプ

  • 体調不良や忙しさで、企画に気づかない or 言及を忘れてしまう

「応援広告って、推しに喜んでもらうためにやるんじゃないの?」と思われるかもしれません。
しかし推しの喜びを「メイン」の成功指標にしてしまうと、予期せぬダメージを負う可能性があります。「もしかしたら推しに届かない可能性」も冷静に受け入れる覚悟が必要です。
もちろん、推しが喜んでくれたなら盛大に喜びましょう!


唯一の測定可能な指標:自己満足度

結局のところ、効果を測る唯一の方法はあなた自身の満足度です

チェックリストを作ってみたので、これで満足度を測定してみてください。

  1.  [ ] あなたが達成感を味わえた

  2.  [ ] 他のファンが喜んでくれた

  3. [ ] スケジュール管理や他者との調整、ビジネスメールの経験が積めた

このうち1つでも当てはまれば、あなたの応援広告は「大成功」です。

再三お伝えしますが、応援広告は推しの知名度が上がるとか、売上が増えることを目的に出稿するものではありません(効果が確認できないためです)
我々オタクの愛や熱意を形にし、公共空間に貼り出して満足。もしも推しに届いて喜んでもらえたらハッピー。そういう難儀な媒体です。


おわりに

効果測定できない広告を、大金と労力をかけて出す。冷静に見れば不可解な行為だと思います。

でもそこには理屈ではなく、数字で測れず、でも確かに存在する熱狂があります。
それが応援広告、もとい「推し活」などという、摩訶不思議なものの本質なのでしょう。

ここまで厳しいことも含めて書き進めてしまいました。
「それでもやりたい!」と思ったあなた。
あなたなら大丈夫だと思います。応援しています!

応援広告は「誰かが誰かのためにやりたくなる」不思議な文化です。
推しのため、ファンのため、そして何より自分のために。駅や街に我々の愛を飾り立てましょう。


付録:決定、作成物まとめ

決定しておくものまとめ

  • ファン団体概要

    • 構成員(2名以上)

    • 団体名(汎用性を考慮する)

    • 団体審査向けの申請内容

  • 予算規模

    • 掲出場所・ポスター印刷費・デザイン費含む合計費用

  • 掲出場所の候補

  • クラウドファンディングを利用する場合はその準備

作成が必要なもの

  • 団体用アカウント

    • メール、広告代理店、Twitter、クラウドファンディングの各アカウント

  • 企画概要

    • 募集要項テキスト

    • クラウドファンディング、Twitterアカウントなどでの企画ヘッダー画像

  • デザインデータ(要審査)

    • イラスト依頼、ポスターデザイン

  • 当日告知内容(要審査)

    • 告知文面(例: 駅名表記の確認、但し文の挿入)

    • 告知画像(地図や駅案内の図)

  • クラウドファンディングのリターン品準備

  • 収支報告

    • 企画完了時の報告資料、参加者への謝辞