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・秘境線乗り継ぎ梅雨の三河路へ 姫 (三河&遠州の旅 その1)


大雨警報にも関わらず、三河方面に2泊3日の旅をした。
三河は近いので大方は日帰りだが、再訪して泊まりたい宿があるのだ。

まずは奥三河へ。
豊橋で飯田線に乗り換えるため、下車して市内見物を少々。

気になっていたレトロビル群「水上ビル」へ。
戦後の闇市の流れを汲む、再開発ビルだ。


1964年〜1967年、豊橋駅近くの農業用水路を暗渠にして、800メートルに及ぶ低層ビル3棟を建てた。
それぞれ飲食店中心、問屋中心、何でもありのビルだった。

お互いに住み分けて、機能し賑わっていたが90年代、バブル崩壊後は、シャッター街と化した。

近年、若者たちが中心となり、イベントを頻繁に行うことで、活性化が成功しつつあるという。

この日も、手づくり作品のマルシェが開かれ、
若い人たちが大勢訪れていた。


ランチは豊橋名物のカレーうどんにしよう。
しかし、界隈にはないようだ。
大通りの名店まではちょっとある。

駅前に、昔ながらの中華そば屋を見つけたので、500円のそばとビールにする。
900円の焼肉定食が売りらしく、満員の客の全員がそれを注文していた。

中華そばは、気持ちが入っていない感じ。
何だかなあ…。


さて、飯田線に乗り1時間、16駅。
市街地からずんずん山奥へ入り、「本長篠」駅に到着。

鳳来寺山東照宮の門前町にある、山菜民芸料理の宿「雲龍荘」まで、送迎をお願いする。

昔、ひっそりとした奥三河の佇まいと、美味しい山菜料理が好きで、ランチでお邪魔したことがある。
父母も健在で、ドライブウエイを利用して、東照宮にも詣った。

今回は先日、日光の東照宮に詣ったところだし、車もないし、1425段もある石段は無理だし…。

宿ではお抹茶のもてなしの後、総檜風呂に浸かる。
あじさい宿と言ってよいほど、多彩な種類の紫陽花が盛りだ。

夕食は17:30〜19:30。
サワガニ、イナゴ、鯉の洗い、クチナシとツツジの酢の物、ワラビ、山菜の天ぷら山盛り、鮎の塩焼き、冬瓜の印篭蒸し、鯉こくなど、食べ切れない程出た。

田舎料理なので、味付けは濃い。
私は、外食は家でも作れるような料理や素材は、なるべくお腹に入れない様にしている。
残すのは嫌だが、沢山食べられないのだ。
昔の味とは程遠く。残念だった。

20:00、近所のホタルのスポットへ連れて行ってもらう。
道路に車を停めて、対向車が来たら移動する趣向。

雨は小降りだが、ゲンジボタルは、ものともせずに現れた。
大きいので、よく見える。
夢中で追った。
西表島でマムシにおびえながら、見て以来か?

約10分間。
幻想の世界に浸った。
見頃は6月初めとか。

奥田瑛二や山下清の色紙に混じり、山頭火の小さな色紙を見つけた。ジーンと来た。
瀬音を聴きながら、山の宿を満喫した。

梅雨マルシェ昭和のままの水上ビル 

露天商と映画談義や梅雨晴れ間

町中華にワンコインそば水中花 

梅雨激し東照宮は幾社ある? 

東照宮の階千五百梅雨寒し 

紫陽花の触るるばかりや野天風呂 

山頭火の小さき色紙蛍宿 

源氏螢大きすぎますちと怖い 

星よりも大きな蛍頬掠め 

手のひらに魂ひとつ初螢 

現世と来世のあはひ蛍の世 

蛍盛ん休耕田の増えへしより 

源平に蛍と我が家の出自かな 

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