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永遠のトキメキを感じてきました。

こんにちは!映画部・齊藤です。
今年も残すところ3か月を切りました。24年下半期には『ぼくが生きてる、ふたつの世界』『HAPPYEND』『ぼくのお日さま』『石がある』など珠玉の日本映画が続々輩出され、映画ファンの一部界隈では話題に。
都合のいい時間がない。思い切ってはしごで観てしまうか?と観たい映画が多い故にあーだーこーだ悩む時間がなんだか久しぶりな感じがして、ワクワクしております。

そんな最中、『SUPER HAPPY FOREVER』を鑑賞してまいりました。
(※以下ネタバレ注意※)

2023年8月19日。伊豆のとあるリゾートホテルへやってきた、幼馴染の佐野と宮田。2人は海辺の様々な場所を巡りながら、かつて失くした赤い帽子を探し始める。ここは5年前、佐野が亡き妻・凪と初めて出会い、恋に落ちた場所だった——。

公式HPより

「喪失と再生」って映画としてはよく描かれるテーマであると思うのですが、本作は「喪失」にフォーカスを当てた作品。
「再生」を描かないとなると悲観的な映画にもなりかねない中、絶妙なバランスで描き切った五十嵐耕平監督の手腕はお見事でした。
もしかしたら佐野は「再生」へと向かわないかもしれない、これからどうなっていくかもわからない。「喪失」と「回想シーン」との対比が痛々しいけど、通過点をさりげなく爽やかに切り取っていて、鑑賞後の余韻がまだ続いています。

閉業予定のホテルや夜のシャッター商店街など、どこか物寂しいロケーションとそれを映し出すざらついた映像がとても印象的な中、特に佐野と凪の回想シーンはどこを切り出しても愛おしくて、永遠に色褪せることのないタイムカプセルのような「大切な時間」を覗き見した気分に。

そんな2人が夜ホテルに帰り、部屋の前で会話をする場面。
お互いにお酒も入り、どちらかがその気になってリードすれば一夜を共にすることだってあり得たけど、朝食の約束をしそれぞれの部屋に戻っていく。
付き合うかもしれない一歩手前の男女のあの雰囲気がスクリーンからひしひしと伝わってくる大好きなシーンです。


現在絶賛公開中なのでぜひ映画館でご覧ください!酒を片手に各々の好きなシーンを語らいたいそんな映画です。





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