uneune防災フェスタ2024実行委員会メンバーによる能登半島ツアー報告会レポート
2024年10月6日(日)20時~、uneune防災フェスタ2024実行委員会メンバー3人で9月19日夜~9月21日まで能登半島に行ってきた報告会(ZOOM)を開催しました。
行ってきた3人の他、8名の方に参加して頂きました。
1.能登半島ツアー趣旨
(1)uneune防災フェスタでオープンした「能登応援商店」にご協力して頂いた方やお店、プレイベントでスピーカーとしてご協力頂いた宮口さんに、直接御礼を伝えることと、(2)現地を直接見に行き、住んでいる方々のお話を聴いたりする中で、能登半島の現状の理解を深め、自分たちにできそうなことは何かを考える機会とすること、(3)ボランティアをすること、の3点です。
能登のみなさまに、感謝を伝えるに当たり、千葉県内の友人を介して「能登応援クッキー」を製造して頂き、お土産として持参しました。
製造にご協力頂いた「オリーブの樹」さま↓
2.ツアー行程
以下、報告会でシェアした今回の能登半島ツアー行程の詳細です。
3.能登半島(地理関係など)について
(1)能登半島位置関係
「能登」と言っても、指すエリアが異なる場合がありますが、石川県のホームページで指定されているエリアをシェアします。
(2)珠洲市について
珠洲市は、「すずし」とよみます。以下、報告会でシェアしたスライドです。
4.【9月20日】珠洲市到着、そこに広がっていた風景
ここからは、ツアー行程の詳細です。珠洲市に到着したところから振り返っていきます。
珠洲市に入り、国道沿いはほぼ整備されていましたが、少し入って海岸近くのエリアは、手つかずの場所もありました。
5.【9月20日】10時~ ギフト館イマイさま到着 御礼ご挨拶など
約束していた10時に、能登町のぶなの森の今井さん(筆者の大学のゼミ仲間であり、「能登応援商店」企画者でもある)と、ギフト館イマイにて合流。
uneune防災フェスタ「能登応援商店」にて大活躍した、素敵な能登の商品たち、切り干し大根・しおサイダー飴・米飴各種・能登復興茶と再会することができ、お店の方々にも御礼の挨拶をすることができました。
また、新たな魅力的な商品、オンノキバ・能登大納言小豆姫どら・NOTOJIN(お酒)・珠洲の塩マドレーヌ・宗玄えいひれ・奥能登しおポテトチップスなどと出会う機会にもなりました。ギフト館イマイの今井さんは、オンノキバ・能登大納言小豆姫どらの商品エピソードや、奥能登独自の風習「ヨバレ」のお話など、貴重なお話をたっぷりと語ってくださいました。
(1)オンノキバ
「これからも じしんにまけん じしんあり」というパッケージが印象的な「オンノキバ」という、心地よい食感のおかきをまず紹介します。
(2)大納言小豆姫どら
続きまして、<朱い宝石>と呼ばれている奥能登珠洲の特産品「能登大納言小豆」を使って作られている「姫どら」をご紹介します。
(3)NOTOJIN
ツアーに一緒に行ったuneune防災フェスタ実行委員長がNOTOJINを購入し、非常に美味しいと言っていたので、こちらもご紹介します。
〇 NOTOJIN
〇 NOTOJIN -願い星-
(4)その他商品(珠洲の塩マドレーヌ・えいひれ・奥能登しおポテトチップスなど)
その他、KI-TAまつり2024「能登応援商店」での販売候補商品となっているものを中心にご紹介します。
〇 珠洲の塩マドレーヌ
〇 宗玄えいひれ
〇 奥能登しおポテトチップスなど
(5)奥能登独自の風習「ヨバレ」
ギフト館イマイさんは、「ヨバレ」という奥能登独自の風習について沢山話してくださいました。奥能登には、豊かなおもてなしの文化があるようです。
6.【9月20日】仮設店舗「すずなり食堂」にて昼食、古川商店御礼のご挨拶
ぶなの森の今井さんの案内で、道の駅すずなり隣にある仮設店舗「すずなり食堂」にて昼食を食べながら、実行委員会メンバーと今井さんと交流を深めました。
昼食後は、uneune防災フェスタ「能登応援商店」にて、塩クッキーの販売にご協力頂いた、「古川商店」さまに、御礼・ご挨拶。
お土産にクッキーを購入させて頂きました。
7.【9月20日】「本町ステーション」訪問
2024年5月5日夜に開催したuneune防災フェスタプレイベント(ZOOM)にてスピーカーとしてご協力頂いた、宮口智美さんが知人とともに4月から立ち上げたコミュニティスペース「本町ステーション」にも訪問しました。
本町ステーションにいらっしゃった方から、仮設住宅が入れるタイミングが違ったり、内装に差があったりする話など具体的な話を伺うことができました。
8.【9月20日】能登半島地震復興支援ツアーに参加
2024年5月5日夜に開催したuneune防災フェスタプレイベントにスピーカーとしてご協力頂いた、宮口智美さんが7月に立ち上げた、能登半島地震復興支援ツアー「リブート珠洲」のツアーに、13時半から参加しました。
(1)「リブート珠洲」とは
「リブート珠洲(能登半島地震復興支援ツアー)」の詳細サイトやパンフレット、ツアー開始時に頂いた珠洲市のイラストマップなどをシェアします。
(2)ツアーガイド・宮口智美さんのご紹介
ツアー終了時に、「報告会で使ってください」と宮口さんから、避難所で実際に必要だった食料や備品リストなどの貴重な資料を頂き、その中には、宮口さんの紹介の資料もありましたので、スライド化してシェアさせて頂きます。
(3)能登半島地震復興支援ツアー行程
ツアー行程プログラムを以下のように組んで頂きました。
(4)ツアーの様子
ここからは、写真を中心にツアーで見た風景を振り返っていきます。
①見附島~七夕まつりキリコ倉庫
②災害ゴミ集積所
さいたま市北区の地域イベント・uneune防災フェスタ実行委員会メンバー3人が参加した後のメッセージ等は、リブート珠洲のホームページからみることができます。
9.【9月20日】キリコ祭り@飯田町 鑑賞
ギフト館イマイのお店の方より情報を得て、この日、18時過ぎから、飯田町でキリコ祭りがあると知り、是非観に行きたいということで、遅くまで飯田町に残り、キリコ祭りの情緒ある風景を見ることができました。お囃子が聴こえ、そこには若い人や子どもたちも沢山いて、珠洲市の大事なお祭りなのだということを伝えていました。
10.【9月21日】ボランティアをしに穴水町に向かう
9月21日は、ぶなの森の今井さんに手配して頂き、穴水町でボランティアをすることにしていました。
【予定していたボランティア内容】
◎集合場所
穴水町災害ボランティアセンター/さわやか交流館プルート内(穴水駅前)
◎時間
8:30〜16:00
8:30集合
作業状況によっては終了時間が早まります
◎作業内容
側溝の泥揚げ作業
※長靴必須
汚れてもよい服装で
8時半にギリギリ間に合わず、作業内容は変更、「茅葺屋根の茅を下ろす作業」となりました。
現場には到着することができましたが、豪雨が始まっており、センターに引き返す指示が出て、ボランティアをせずに帰ってくることとなりました。
11.9月21日(土)~、能登半島豪雨発生
皆さんご存知の通り、9月21日は、能登半島で災害級の大雨が降る事態となりました。今回、能登半島に行ってきたものの、この大雨があったことで、自分たちが観てきた奥能登の状況は、今、また一変していると思います。
2024年9月22日付の読売新聞サイト
12.<10月6日ZOOM>スピーカー、参加者の感想・キーワードなど
スピーカー1(能登ツアー参加者)
○知り合いが大きな被害を受けた災害だからこそ、アクションを続けていきたい
○避難所運営は誰がいて、誰がいないか把握、管理が大変だという避難所運営者の声があった
○自分自身が町内会、自治会加入していない状況に危機感
○珠洲市の方々とつながりを継続し、衣食住だけではない、癒しにつながるようなイベントの在り方など、災害後の前向きなコミュニティ形成に関して学びあえる関係性をつくりたい
スピーカー2(能登ツアー参加者)
○とてもよい人たちと沢山出会うことができた。
〇復旧するに当たっての手続きなどに関してスピード感に欠ける印象があるところもあった。
○仮設住宅の集会所が使われていないと嘆く声もあった
○能登はやさしや土までも
スピーカー3(能登ツアー参加者)
○能登の人は被災しても前向きな姿勢があり、困っている話じゃなくて地域特性の話を気丈に話していた
○元旦から支払いがされていない業者の話を聴いてしまった
○井戸水で救われた命が沢山ある
ZOOM参加者1
○避難所の管理(図上訓練、緊急連絡先)
○個人情報
○都市防災
ZOOM参加者2
○一度現地に行くとその後が気になる。
〇能登では、まだ近所の顔見知りやコミュニティが比較的残っていたので、安否確認や助け合いなどが出来た部分もあると思う。都市部では、それができないので、要支援者の名簿などを作っている。名簿がであるだけではいざというときに機能しないので、日々更新したり、それをもとに訓練できることが望ましい。それができているところはまだ一部だと思う。
〇マンションなどでは、無事に避難した人はドアにマグネットやハンカチなど決まった印で示すなど決まりごとを作っておくと、効率的に避難の支援がしやすい。
ZOOM参加者3
○さいたま市は避難行動用支援者名簿というのを作成しています。要介護、要支援認定を受けていれば、役所から申請書類が届きますが、認定を受けていない独居老人などは該当しないので、名簿には載りません。 地域の民生委員などが相談に来てくれれば良いですが、地域と繋がりのない人はどうしても漏れてしまうと思います。 ケアマネの役割としては、その地域に住んでいる人たちと日頃から交流をして情報を入れておく必要があるのかなと思います。
○外から、大丈夫な場合は何度も確認しなくていいように、中にいるかいないかのシグナルが決まってる地域もある
○能登の物産を買って応援していきたい
ZOOM参加者4
○3人が無事で良かった
○感じたことがすべてではない。感じたことから深掘りして学びを広げていくことが大事。
○元旦から支払いがないという話は非常に気になった。聴いたことがなかった。気の毒すぎる。
ZOOM参加者5
○近所付き合いがない都市部で大災害がおきた場合の想像がつかない ○uneune防災フェスタも無関心な人が沢山いた。どうすればつながっていけるのだろう?
○能登の復旧は他の災害より時間がかかっている印象がある。
ZOOM参加者6
〇(さいたま市北区のイベント)松原秋祭り で地域の方があんなに集まって終日イベントをしていたのに 防災のことには一切触れず、もったいないなと感じた。 こんなに地震がもう起こるよ、と言われているので防災イベントに限らず、地域イベントの際には地域の方の繋がりがもっと強まる取り組みや、防災知識が深まる取り組みがあっても良いと思った。
〇普段パパママの育児リフレッシュのためのイベントを企画している立場としては、通常時でも育児というのは時としてメンタルにくるものであり、被災時には衣食住など目の前の課題が優先される中、育児世代の方のメンタル面が心配。 通常時は楽しめるイベント企画などをメインにおこなっているが、被災時、衣食住に困っている状況では、まず楽しむことよりも、癒し要素の強い育児リフレッシュ方法を考える必要があるのかもしれない。 そういったことを想定して考えておくのは、自分の役目かもしれないなと思いました。
ZOOM参加者7
〇これから能登は寒くなる。 防寒着などのケアで、 自分達にできることはないか。
13.編集後記
2024年4月に、5月にuneune防災フェスタが開催されるにあたり、このイベントが始まったのは能登半島地震のことがきっかけであるというお話を伺い、能登半島出身の知り合いが2人もいた私は、この縁をイベントに生かせないか、と動きました。
大学のゼミ仲間に能登半島出身者が2人いて、ゼミの先生も震災復興コミュニティを専門としていることから、私も含めた4人で、まず4月28日に座談会(ZOOM)を開きました。
続いて、ゼミ仲間のうちの1人の知り合いで、避難所運営に携わった方がいるとご紹介頂き、uneune防災フェスタプレイベントを5月5日夜に開催することになり、スピーカーとして参加ご協力頂くことが決まりました。
以下、5月5日プレイベントの情報一覧です。
プレイベントダイジェスト動画↓
プレイベント(ほぼ)全編↓
プレイベントレポート記事↓
5月25・26日には、uneune防災フェスタが開催され、大盛況のうちに終わりました。
uneune防災フェスタレポート記事↓
「能登応援商店」で大活躍したのは、被災地の現状を伝える商品POPでした。このPOPがあることで、物の売り買いだけではない、売り手と買い手が能登半島地震に思いを馳せる交流の場を醸成するきっかけとなりました。
また、uneune防災フェスタ終了後は、宮原駅西口コンコースで、uneune防災フェスタ感謝御礼の看板とともに、能登応援商店に関する看板も掲示することになり、関心を続け、広げていくことを様々な形で試みています。
uneune防災フェスタが「能登応援商店」誕生を生み、実際にフェスタでお店をオープンしたことで、能登半島への関心・想いが高まり、その後も「能登応援勉強&交流会」グループが生まれ、2024年11月10日に開催されるKI-TAまつり2024でも「能登応援商店」をオープンすることが決まり、その前の9月に、実行委員会メンバーで実際に能登半島に行ってみることもできました。それが、10月のツアー報告会につながり、今回のレポート記事となったということになります。
ツアーでは、豪雨の影響でボランティアを実施することもできなかったですし、能登半島で起こった災害に対して自分たちが足を運ぶことで力になれたという実感は正直ありません。ただ、uneune防災フェスタがきっかけとなって、能登半島の魅力的な人たちと縁ができ、実際に会って御礼を言うことができて、また「能登応援商店」をオープンすることができるということが、わずかながらでも自分たちができたこと・これからもできることだと信じて、さらに豊かに縁を広げて、深めて、大きな力になっていけるように努めていきたいと思います。
今もなお、現在進行形で深刻な被害が続いており、刻々と状況が変化し続ける能登半島。今回の報告会では、都市災害、顔のみえないさいたま市で、もし災害が起きた時に、何が起こるのか想像がつかないという声も上がり、危機感が高まる機会になりました。能登半島を応援することは、自分たちのまちの防災を同時に見つめなおす機会でもあります。まだまだ危機感が足りない部分、勉強不足の部分、知恵が足りない部分が私たちにあるという自覚をもって、具体的な被災地支援のアクション、防災のアクションを生み出すことを続けていきたいと思います。
そんな想いを胸に、まずは、11月10日のKI-TAまつり2024で「能登応援商店」をオープンしたいと思っています。
14.KI-TAまつり2024「能登応援商店」再オープン告知
2024年11月10日(日)9:30~15:30、宮原駅西口ロータリーにて、KI-TAまつり2024が開催されます。
今年5月に開催された、uneune防災フェスタの実行委員会から、「能登応援商店」が再オープンします。今回は、現地に実際に足を運んだ後の開催ということで、能登半島に対する想いもさらに濃くなった状態でオープンします。
魅力的な能登半島の物産を通じて、能登半島の今を知り、思いを馳せ、自分たちにできること、能登半島の支援や、自分たちが住んでいるまちで起こりうる災害に対する防災の知恵を育てることなどを考える機会にできればと思います。
いただいたサポートは、全額、「能登応援商店」準備・オープン費用及び、能登災害支援金として活用させていただきます。