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第3章 ビジネス英語力向上のために その24) 話す場合の割り切り方

日本語そのままを正確な英語に翻訳することはまず無理ですし、それにこだわることはあまり意味がない、と言うよりむしろ有害であることは説明しました。
 
また、会話には基本的にはリアルタイムの応答が必要です。
 
ですから、余り考え込まずに、言いたいことの半分でもなんとか伝えようとする事が大事だと思います。
 
特に最初の頃は、会話の場合は最低限のことを伝えるのに多くの英語の語彙はいらないと割り切って、have, take, getなどを駆使して、複数形、三人称単数形、前置詞や冠詞、時制等は最悪置いといても話し続けたほうが良いと思いますね。
この辺は簡単な文法ですが、会話では慣れるまではとっさには出てきませんから。
 
例えば「犬が好き」という場合、“ I like dogs.“と言うべきですが、日本語の場合一般名詞の単数と複数を区別しないため、つい” I like dog.“と言ってしまうと思います。
そうするとネイティブの人には犬の肉を好むというニュアンスでとらえられてしまうようですが、それでネイティブの相手が顔をしかめることはないですし(まあ、人によるかもしれませんが)、そういう仔細なニュアンスや文法にこだわって話すことをためらうのは非常にもったいないです。
 
最初はそんなところにまで気が回らないのは当たり前です。
我々が日本語を話す時に言い間違いをすることがあるのと同様に、英語のネイティブだって言い間違いすることはあるので、堂々と話す方が相手の印象は良いと思います。
 
特に冠詞は日本語にはないので、なかなか慣れるのが難しいと思います。
“the”なのか”a”もしくは”an”なのかなんて気にしていたらきりがないです。
「その写真を持っていますか」と聞きたい場合、所有格をとる(his, her, their等)場合は比較的わかりやすいですよね。
「彼女の写真を持っていますか?」の場合は” Do you have her picture ? “となり、”her”がないと誰(あるいは何)の写真を言っているかわからないですよね。
まあ前後関係から通じることもありますけど。

ところが「その場所の写真はありますか?」という場合、” Do you have the picture of the place ? ”となるわけですが、特に”picture”に対する”the”は忘れがちになると思います。
日本語の感覚からすると” the place “といって「その場所」ということが明確なのであえて「その」と限定するための”the”をつけるという意識は薄いですからね。
でも極端な話この2つの”the”ともなくても意味は通じるので、大丈夫です。
 
前置詞もそうですよね。
「~から作られた」という場合” made of(材質が変化しない) ”なのか” made from(材質が変化する) ”なのか、なんてどちらでも通じますから、あまり深く考えなくても良いと思います。
先ほどの三人称単数形や複数形等の文法的な間違いに関してもそうですが、慣れてくると間違った表現が変に聞こえる様になるのです。
 
そこにたどり着くまでには実践的な英会話を業務を通じて時間をかけてやる必要がありますが、実質的には問題にはなりません。
 
外国の方には日本語の助詞の使い方が難しい様です。
我々からすると使い方がおかしいと変に聞こえますが、それだけのことで、我々だって「が、に、を、の、と」等の助詞は感覚的に使っているもので、格助詞だとか、接続助詞だとか、終助詞だとか文法的には説明できませんよね(あ、少なくともボクはできません)。
冠詞や前置詞が抜けたり、不適切でも会話の場合は問題ないと割り切ることも大切です。
慣れてくると徐々に正しい言い方が身に付いてきます。
 
先ほどの”made”でいくと「(日本)で作られた(日本製)」という場合は” made in (Japan) “という言い方は「メイド イン ジャパン」とカタカナ言葉で日本語化しているので、誰でもわかりますよね。
この時に、「『日本』という『場所』の前置詞だから” in “なのだ。」なんて誰も意識していないはずです。
 
仮に外国の方が日本語の助詞の使い方が間違っても、それを馬鹿にしたり、咎めたりする人はいません。
同様に我々がビジネス上の英会話で多少の文法的な間違いを犯してもそれを問題にする人はいないです。
 
我々は受験英語の弊害で「文法的に間違ってはいけない」とどうしても思いがちですが、コミュニケーションの場合は、試験ではないので、そこには目をつぶって、がんばってみましょう。

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