4.Paris(パリ) Pont Neuf (ポン・ヌフ)で親子のスリに遭遇したこと
10年位前のこと、パリのOrly(オルリー)空港での乗り継ぎ時間がかなりあったため、数名の同僚と電車に乗って2時間ほどのパリ市内見物に。
まだかなり早い時間だったので、美術館やお店も開いておらず、とりあえずSeine(セーヌ)川沿いを5-6人でぞろぞろ散歩しながら写真を撮ったり、ポン・ヌフの上から(昔駅前にあった立ち食いソバの店名だったように日本語にすると「新橋」ですね。個人的には子供の頃アルセーヌ・ルパン物が大好きだったので「あー、よくこの橋を走ってガニマール警部から逃げてたよなぁ。」と感慨深いものが有り、パリに来ると毎回渡ります)観光船に手をふったりという完全なお上りさんの状態の我々にニコニコしながら親子3人が近寄ってきました。
失礼ながらややみすぼらしい風体の、ちょっと年配の母親と10歳前後の兄と妹で、口々に「Orsay(オルセー)?Ruble(ルーブル)?」と話しかけてきたので、橋の上から左右の建物を指さしてそれぞれ「←オルセー(は向かって右側)、ルーブル→(は向かって左)」と教えてあげました。
すると、地図を持ち出してそれをボクのウエストバッグの上に広げてまたも「オルセー?ルーブル?」と訊いてくるのです。
なんか胡散臭いなぁとは思いつつ、再度「←オルセー!、ルーブル→!」と繰り返しても、その方向は全く見ずに、こっちを見てニコニコしながら「オルセー?ルーブル?」と繰り返すので、これは絶対おかしいと思った時、ウエストバッグのジッパーが開く感じがベルト越しに伝わってきました。
それは微かな動きで、かつボクのお腹も(残念なことにここ数十年来)ぽよよんとした、振動を吸収しやすい状態ではあったのですが。
驚いて地図をどけて、開いているバッグの中を見たら財布がなくなっていました。
そう、その一見可哀そうな感じに見える3人連れの親子はスリだったわけです。(多分ロマの方々)
やむなく、お母さんの腕をつかんで、
“You are robber. I take you to police station !“
(泥棒め!突き出してやるぞ!)
といいつつ、同僚たちも逃げない様に取り囲んでくれたのですが、
突然兄の方が道路を指さして、
”Hey, your wallet is here.”
(ヘイ、アンタの財布がココにあるよ)
こちらが大勢なので逃げ切れないと思って一旦は掏った財布を道路に落とした様でした。
拾って中を確認したらまだ何も取られておらず、事なきを得たのでそれで解放してあげましたが。
実はその日、空港からパリへ行く電車の中で財布を取り出して中身を数えている後輩がいたので、車中は余り混んでいなかったものの、「ここは日本じゃないんだから電車の中で財布なんか出してちゃダメだよ。」と注意したんですが、逃げていくロマの親子を眺めつつ、そいつから「センパイ、気を付けてくださいよ。」と言われてしましました。😢
そう言えば最初にパリに来たときに、横断歩道を渡っていたら子供の集団に取り囲まれてバッグを奪われそうになったヒトの話を聞いたことがあります。
真昼間の話だった由で、やはり海外では日本人は狙われやすいみたいなので気を抜いてはいけませんねぇ。