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古代の高級ビーチリゾート、世界遺産エルコラーノ遺跡

バルセロナからフェリーを乗り継いで到着したナポリ。前回はナポリ旧市街のクリスマス通りについて。

今回はナポリ中央駅直結のガリバルディ駅から電車で20分弱のところにあるエルコラーノ遺跡


エルコラーノ遺跡とは

エルコラーノ遺跡の場所にはかつてヘルクラネウム(Herculaneum )という町があり、ポンペイと同じ紀元79年のヴェスヴィオ火山の噴火によって消滅したそうです。18世紀に発見され、現在ポンペイ遺跡とともに世界遺産に登録されています。

灰で多くのものが燃えたポンペイと異なり、エルコラーノは泥流が流れ込んだ後に灰が積もったため、木造のもの(ドア、屋根、家具など)や書物、食物なども一部そのまま残っていたそうです。そして、5mほどしか灰が積もらなかったポンペイに対し、泥や灰の高さは20mにも及び、2階建ての建物の屋根まで残っているものも。

当時、20ヘクタールほどの町に約4,000人が住んでいたといわれ、現在見ることのできるのは30%ほどといいます。残りは現在の住宅の下に埋もれているそうです。

このエルコラーノは当時海沿いで(現在の海岸線は500mほど先)、富裕層の別荘が並び、ローマのお金持ちもここに別荘を持っていたそうです。それこそ古代の高級ビーチリゾート!そのため、ポンペイに比べて、エルコラーノで発見された家々は大理石の柱があったり、カラフルな壁画があったりと豪華絢爛なものが多いそう。そして裕福なエルコラーノにはポンペイにはなかった上下水道が地下に通っていたそう。

エルコラーノ遺跡の見学情報

エルコラーノ遺跡は、南北150m、東西200mほど。

以前訪れたことのあるギリシャやローマの歴史が大好きな(でも飽きやすい)パートーナーの話では、2時間位で見学できるとのことでした。私はそれほど歴史には興味はないものの隅から隅まで一通り見学したいタイプ。今回一人で行き、併設の小さな博物館をスキップしてちょうど2時間ほどで周りました。混雑具合も考慮して余裕を持って計画したければ2〜3時間が目安。

2023年5月現在、チケットはネットで調べたら時間指定制ではなかったので窓口で購入しました。窓口には列はなく、閉館2時間半前ほどに入場したらガラガラ!私は有名な観光地は開館と同時に入ることが多いですが、閉館近くも悪くないです。大人は13ユーロでした。

エルコラーノ遺跡の正面入口

QRコードを読み込んでパンフレットをダウンロード↓ PDFなのであまり使い勝手は良くなく、途中で面倒になり読むのを辞めました。

ポンペイもそうなのですが、ファイルが重くてデータを結構使うので、事前にホームページでダウンロードできればしたほうが良いです。

いざ、エルコラーノ遺跡でタイムスリップ!

噴火によって泥や灰が20mも積もったということは、20m掘り起こしたということ。当初は地下にトンネルを掘って発掘していたらしいですが、結局掘り起こすことになったとのこと。写真だと深さがあまり伝わりませんが、上から眺めた景色は圧巻!

入口から坂を下っていきます。

両脇に柱の残る通り。歩道には屋根がついていたのでしょうか。

通りのところどころにある公共の給水場。

さすがの高級リゾート地、彫刻が飾られた広い中庭に大きな別荘。この遺跡からの出土品の多くがナポリの考古学博物館に展示されているそうで、主なものはここにはありません。

真っ赤な壁に真っ赤な柱のある中庭。白いディスク形の魔除けが軒に架かっています。

壁が一面真っ赤だったり、真っ黒だったりする邸宅もあり、今の常識を超えるインテリアデザイン?!

玄関の上にフレスコ画が見事。

二階部分もキレイに形を留めています。

ローマの神が描かれている部屋。

色彩艶やかでかなり保存状態がいいです。

ネプチューンとアンフィトリテがモザイクで描かれている家。

これがびっくりするほど色彩鮮やかでとても2千年前のものとは思えません。

床のモザイクも結構凝っていて素晴らしいです。

町にはレストランやパブなどもあり、コの字型に並んだ釜戸が残っています。どんな食事を提供していたのでしょうか?

そして、1980年代に発掘されたという写真手前のエリアは当時の海岸線があったところ↓

発掘前は、この遺跡では人骨が見つからなかったことから、噴火でみんな無事に逃げることができたと信じられていたそうです。ところが1980年に船などを保管していた倉庫が見つかり、そこから300もの人骨が見つかったそうです。

なんでも空から降ってきたものの熱で亡くなったそうで、亡くなった当時のまま床に並んで座っている人骨もあり、2,000年たった今も当時の状況が想像できます。

このほかにも多くの家々や公衆浴場などもありました。

エルコラーノ遺跡の猫

そして最後にネコ。

南イタリアなので遺跡にはやはり野良猫がチラホラ。

チケットオフィスの建物の中のお土産屋さんにいたネコ。屋内なのに係員誰も気にする気配なしでした。首輪がないので看板猫ではなくおそらく野良ですが、とっても人懐っこかったです。

チケットオフィスの外の階段で寝るネコ。

20m下の古代遺跡の邸宅前で眠るネコ。

これくらいしか見かけませんでしたが、敷地外のエルコラーノの町には結構たくさんいました。

エルコラーノ遺跡を訪れてみて

各家や見どころは説明文が掲示されているところがあったりなかったりなので、ツアーに申し込んで説明してもらって、ツアーで行かなかったところを自分で回るのが一番良いのかなと思いました。とは言いつつも私はツアーはすぐ飽きてしまうのでいつも自分で周っています。

ポンペイ見学前に行ったので、裕福かつ近代的な町にとにかく驚きの連続でした。飽きずに見学できるサイズなのも良かったです。

次回はナポリの美しい地下鉄駅について。



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