ガウディのカサ・カルベットをディナーを食べながら優雅に堪能
建築家アントニ・ガウディといえば、サグラダ・ファミリア、カサ・ミラ、カサ・バトリョ、グエル公園などの有名な建築がありますが、彼の初期の作品で意外と知られていないのが、カサ・カルベット(Casa Calvet)。
ガウディ建築のカサ・カルベットとは
カタルーニャ広場からも近くアクセスは抜群。ただ、意外と人通りが少なくわざわざ見に行く人もあまりいないよう。
素晴らしい建物ですが、バルセロナのこのエリアにはこのような装飾の建物が結構あるので、ガウディ作と言われないとそのまま通り過ぎてしまいます。
カサ・カルベットはガウディが設計し1899年に完成した建物。初期の作品で、繊維業を営むPere Màrtir Calvetのために建設され、1階と地下は彼のビジネスに使用され、2階以上の階私邸だったそう。
翌年の1900年には、バルセロナ市より「年間最優秀建築賞」を受賞。バロック・カタラン建築で、市内のモンジュイックの丘で採掘された石が使われているそうです。
ファサードの一番上には所有者にちなんだ3人の聖人の胸像があり、 また綿糸のボビンの形をした柱やイニシャルのCの彫刻を玄関上部にいれるなど、ガウディは所有者にちなんだ装飾を施したそう。
カサ・カルベットの内部を見学
カサ・カルベットは今でも住宅やオフィスとして使用されているので見学はできませんが、1階にChina Crownという中華料理店があります。写真で見ると食事も美味しそうだったので行って見ました。
夜は特にライトアップもないので真っ暗。
ガウディのオリジナルのデザインなのかは分かりませんが、1899と建設された年号の書かれた木製のドアとステンドグラスが素敵です。
曲線を描いたドアのハンドル。内部の天井にはこの頃のカタルーニャの建築の特徴であるスチールの梁と波打つ天井が伺えます。
高級中華の面持ちで、落ち着いた装飾です。こちらは入口を入ってすぐ右手のダイニング。帰るときも誰も座っていませんでした。
正面奥の開放的なダイニングに通されました。
入口のドアの装飾と似た装飾のある大きなすりガラスが印象的です。
ドアも素敵です。反対側はキッチンやレストルームなので、個室でしょうか?
カサ・カルベットで高級中華を堪能
テーブルセッティングも素晴らしいです。高級感のある絵皿は着席とともに下げられましたが、19世紀初めにもし中華料理店がバルセロナにあったとしたらこういう雰囲気なのかなと思わせてくれます。
揚げワンタンのアミューズ。プレゼンテーションも良いです。
小籠包はバルセロナで美味しいところが少なくてあまり期待はしていなかったのですが、美味しい!肉汁もたっぷりでぷりぷり。
海老の蒸し餃子も美味しかったです。もう一点色々な種類のミックスを頼みましたが点心系はどれもジューシーで◎。
揚げ豆腐。
炒飯。
海老のXO醤炒め。これが繊細な味付けで凄く美味しかったです。スペインの中華だと炒めものは安い人参、ピーマン、玉ねぎが多いのですが、絹さやとアスパラ。
ポークリブ。こちらも美味しかったです。
マンゴープリン。これはあまりまろやかではなくイマイチ。
当たり外れはありましたが、バルセロナではトップレベルの味でした。ただ値段もトップレベル。メインは25ユーロ前後、小籠包なども15ユーロ程なので普通の中華レストランの倍かそれ以上のお値段で1人70ユーロほどでした。
ガウディの建築なので美味しかったらこれくらいなの価格なのかな思います。結構空いていたので、のんびりとレトロな雰囲気で食事ができたのは良かったです。ガウディの建築物の見学は拝観料が高めで混んでいるところがほとんどなので、それらを考慮するとそこまで高くはないです。
観光で訪れていてアジア料理が恋しくなったとき、ガウディの建築物をできる限り楽しみたいという人、ちょっと特別なときに良さそうです。