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中世の雰囲気漂うのカタルーニャ州政府庁舎
バルセロナ旧市街ゴシック地区の大聖堂裏にあるサン・ジャウマ広場。その広場に構える建物の一つがカタルーニャ州政府庁舎(Palacio de la Generalitat de Cataluña)。カタルーニャ州首相を長としたカタルーニャ州政府が入る建物です。
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この正面はバルセロナ市庁舎でこちらは以前訪れています。
州政府庁舎は普段は8月を除いて、月に2回(第2と第4週末)ツアー見学が可能で、それらに加えてお祭りなどの特別なときに無料開放されます(ウェブサイトから要予約)。
サン・ジョルディの日を祝って無料開放の日があったので今回訪れてみました。サン・ジョルディの日のお祝いについてはこちら。
カタルーニャ州政府庁舎の歴史
15世紀初めにゴシック様式として建てられ、その後幾度かの拡張工事が行われ、17世紀初めに現在のサン・ジャウマ広場に面したイタリア・ルネッサンス様式のファサードが追加されたそう。
14世紀から131人のカタルーニャ首相がここで政治を行っていたという歴史のある建物です。18世紀初めにスペイン王のフェリペ5世が侵略し、スペインの支配下になるとカタルーニャ政府は廃止され、1930年代になってようやくスペイン政府との合意によってカタルーニャ州政府が復活しました。
それもつかの間、1930年代後半の内戦後にカタルーニャ州政府は再び廃止されますが、フランコ政権が終焉を迎え、民主化によって再び1977年に復活します。
カタルーニャ州政府庁舎を見学
当日予約し行ってみるとオープンハウスの旨が書かれていました。この手のイベントはカタルーニャ語でしか書かれていないので、ビジターはほぼ地元の人達。セキュリティチェックとIDチェックをして中に入ります。
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正面入口は普段は車庫のようになっていますが、週末なので車はなし。両サイドには大きなライオン像があります。
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立派なライオンで三越の前に座るライオンを連想してしまいました。
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正面を入ってすぐある階段。ゴシック様式の古い部分ではなく後から拡張した部分ということが分かります。
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そのまま進むとすぐ15世紀のゴシック様式の回廊が現れます。
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南欧の古い建物は回廊があるところが多いですが、一般が入れないことが多いのでバルセロナでもたまにしか見る機会はありません。
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こういう厳かな雰囲気がいかにもスペインという感じで好きです。
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サン・ジョルディの日を記念してバラが植わっていました。
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太陽が燦々と降り注ぎキレイです。
シンプルな州首相の執務室と応接室
回廊に面している一つの部屋がカタルーニャ州首相の執務室と応接室。立派なドアで両脇には制服を着たガードが構えています。
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応接スペースはゆったりしていて意外とシンプル。内装は中世のものではないそう。
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郊外のモンセラット修道院にある黒いマリア像のレプリカが飾られていました。
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カタルーニャ州の守護聖人サン・ジョルディを描いた絵画も。
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やはりミロの絵も。バルセロナ市庁舎の市長の部屋にもミロの絵がありました。
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首相の執務室もドア越しに覗けます。日本では都知事の部屋など一般人は入る機会はないですが、オープンな政府を推奨し執務室まで開放するのはスペインやヨーロッパならではな気がします。
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厳かなサン・ジョルディ・チャペル
首相の執務室の向かいはゴシック様式のサン・ジョルディ・チャペル。モンジュイックの丘の石を使ったファサードの装飾が豪華で素晴らしいです。
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赤い壁と大きなタペストリーが印象的です。
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元々は祭壇にベルナト・マルトレルによる聖ジョルディの絵画があったそうですが、後に紛失し、現在は分割されてシカゴ美術館、フィラデルフィア美術館、ルーブル美術館に所蔵されているそうです。他方で同じくベルナト・マルトレルがデザインした15世紀のタペストリーは健在です。
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天井はドームになっていて、上手なのか良くわからないフレスコ画描かれていました。
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隣の宝物庫には宗教的なお宝が展示されています。
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宝物庫のライトや天井も素晴らしいです。
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隣には隣の建物とを結ぶビスべ橋がありました。
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この橋は外から見るととってもいい雰囲気です。
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普段何気に見ていましたが、ずっと裏にある大聖堂関係の建物だと思いこんでいました。古い見た目に反して1920年代に架けられたそう。
落ち着いた雰囲気の中庭
宝物庫を出ると景色が開け中庭に出てきました。表は観光客で込み合うエリアですが、まさかこんなところに落ち着いた中庭があるとは思いませんでした。
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16世紀の拡張の際に作られたそうです。オレンジの木が植えられ緑豊かです。
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中心には聖ジョルディの像のある噴水。
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こちらもバラで飾り付けられています。
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ガーゴイルが人間だったり、動物だったり一つ一つが異なります。
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サン・ジャウマ広場以外の他三面はかなり狭い通りに囲まれているので塔があるのは知りませんでした。
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とにかく装飾の一つ一つが素晴らしいです。
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中庭に面した中世の部屋
いくつかある中庭に面した部屋は16世紀後半のもの。
こちらはホアキン・トレス・グラシアによる大きな壁画がある部屋で、1910年代の作品だそうです。
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カタルーニャの精神、知能、生活を表しており、1920年代のミゲル・プリモ・デ・リベラの独裁政権時代にスペインを象徴する絵画で覆い隠したことで一部損傷したそうです。元々は他の部屋にあったそうですが、60年代に修復の機運が高まり、残っている部分だけこちらの部屋に移されたことで再び見れるようになったとのこと。
ガードがいて何人か列をつくっていました。
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州首相がセレモニーのときに身にまとうメダルで、20世紀初頭のものだそう。
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こちらは閣僚会議を行う会議室。カタルーニャを代表するアーティスであるアントニ・タピエスの大きな作品が後ろに見えます。
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イタリアン・ルネサンス様式の金色の天井とキラキラのシャンデリアで豪華。
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その他に記者会見を行うプレス・ルームなども公開されていました。
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バルセロナ市庁舎もそうでしたが、カタルーニャ州政府庁舎もゴシック建築が素晴らしく、見どころも多く存分に楽しめました。
スペインのある程度の大きさの街の自治体政府の建物は歴史のあるものが多く、しかも無料で開放されていることが多いのでオススメです。