サルバドール・ダリの故郷、フィゲレスを歩く
前回はバルセロナから日帰りでフィゲレスのダリ劇場美術館を訪れました。
今回はダリが生まれ育ち、晩年も住んだそのフィゲレスの町を歩きます。
ダリ劇場美術館だけを見てすぐ帰って来る人も多いかと思いますが、小さい町の割にはそこそこの見どころがあります。
そしてダリ芸術美術館のチケットがあれば、エンポルダ美術館(Museu de l'Empordà)は無料、カタルーニャ玩具博物館(Museu del Joguet de Catalunya)は3割引きで入場できます。観光局の担当者はダリの生家も4割引きだと言っていましたが、これについてはウェブサイトでは確認できませんでした。
まずはフィゲレスの市場へ
フィゲレス駅から数分のところに市場があるのでまずはそちらへ。Plaça del Graという広場にある屋根付きの屋外市場です。
火・木・土の午前中のみ開かれる市場で、それほど大きい市場ではありませんが、野菜や果物などが並びます。
隣にあるカタルーニャ広場にはさらに大きい市場があります。こちらも営業日と時間は同じです。
じゃがいもと玉ねぎがバルセロナよりもかなり安いです。フィゲレスという種の玉ねぎがあるくらいなので恐らくこの辺りでジャガイモや玉ねぎが採れるのでしょう。
イチジクやブドウなど旬の果物も。
カラフルで見ていて楽しいです。
Escorxador市場という常設の市場もありました。いかにも1960年代くらいに建てられたという雰囲気の建物。
中に入ると昭和レトロな雰囲気でほとんどのお店が閉店していました。
なんとも味のあるレトロな看板。
人もまばら。
やはり屋外市場の方に行く人が多いようです。
新旧建物が入り乱れるフィゲレス新市街を歩く
市場の裏手にはこんな美しい建物がありました。もともとは屠殺場として建てられた建物だそうですが、今は観光局等が入っています。
旧市街の方へ歩いていくと、1950~60年代くらいに建てられたと思われる昭和レトロな建物がチラホラ。フィゲレスはカタルーニャ州でも内戦の被害が一番大きかったらしく、新市街の中心にはその後建てられた建物が結構あります。
レストランのサインがレトロ。テナント募集中と書いてあります。
ランブラス通りに出てきました。この辺りが町の中心です。プラタナスの木が生い茂っていて気持ちの良い通り。
フィゲレスの町自体はイマイチという声も聞いていたので、意外と良い印象です。
雰囲気の良いフィゲレス旧市街を歩く
ランブラス通りから北はすぐ旧市街で、かなり小さいながらなかなか趣があります。
迷路のような作りになっていないので歩きやすいです。
見事な旧社交場。
最後は雰囲気の良い広場でまったり地元エンポルダ・ワインを。
20分もあればぐるっと周れるくらいの旧市街をのんびり堪能しました。
ダリの縁の場所を訪れる
そしてダリ縁の場所もいくつかあります。ダリの縁の場所にはダリのシルエットの標識が立っています。
ダリの生家
まずは、ダリの生家(Casa Natal Salvador Dalí)。30年ほど前にフィゲレス市が1階と2階を買い取り、2023年10月にダリ生家博物館がオープンしました。
1898年に建てられた建物で、1904年にダリがこの家で生まれました。ダリの家族が住んでいた当時は、1階がダリの父が経営する公証役場があり、2階にダリ家族が住んでいたそうです。
生家博物館は入りませんでしたが、ダリの住んでいたころの部屋を再現したり、イマーシブ体験ができるようになっているようです。
ダリー家の2番目の家
その後1912年にダリ一家は生家の2軒先の家の3階に引っ越します。写真正面の建物がそれです。この建物のバルコニーから描かれたダリの初期の絵画がいくつかあるそうです。
こちらの家の方が天井が高くゆったりしてそうです。
ダリの一生を見守った教会
旧市街にあるダリ劇場美術館前には、Sant Pere教会があります。この教会でダリは生後洗礼を受けました。そしてダリの葬儀もこの教会で行われたそうです。
シンプルで暗く厳かな雰囲気です。
チャペルはフレスコ画がありきれいでした。
探してみると楽しいダリにちなんだもの
ダリにちなんだものを探してみるのも楽しいです。
生家からランブラス通りに向けて歩くとランブラス通りが始まるところにダリにちなんだアートがありました。地面に歪んで描かれた顔がステンレスのポールに写り込むとダリの顔がきれいに見えます。
「ダリカテッセン」というカフェ。
ダリ劇場美術館の左手にあるギフトショップにはダリのアートと肖像と写真を撮れるインスタ映えしそうなスペースがあります。
ダリ劇場美術館50周年記念をお祝いして地元のお菓子屋さんやパン屋さんではダリ劇場美術館の壁に埋め尽くされている「Crostons」と呼ばれるパンを模ったクッキーが売られていました。
駐車場の標識には卵形のダリ。
なにやらダリが時折帽子としてかぶっていた「Croston」が上部に。ドアの上にも卵や杖などダリにまつわるアイテムが描かれています。
ダリがあってこその観光地で旧市街は特にダリ一色のフィゲレス。フランスの国境から近いのでフランス人観光客が多くレストランなどでフランス語で書かれていることも多く少し異国情緒を感じました。
フィゲレスへの公共交通機関での行き方はこちら。