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2020/07/06の創作日記(〆切まで117日)
ようやく時間がとれたので少し作業を進める。
頭の中では常にごねごねと考えていたので、アイデア自体は思いの外スムーズに出てくる。
昨日、海上の完全環境都市から3人の少年少女+αが脱出を図ろうとするお話を書こうとしていることに言及した。
僕が想定しているシチュエーションは、「顔見知りの三人が目覚めると全く知らない場所にいた」というもの。パロロワ(バトルロワイヤルの二次創作)に親しんだ人ならばおなじみのお約束だろう。
今回は「主催者」なる存在が早々に出現することはなく、ここは何処なのか、何の目的でここに連れてこられたのか、どうして自分たちなのか、という大きな謎を舞台に仕掛け、主人公と読者が同じ視点で謎を追っていく、という構図にするつもりだ。
今の所「当然たどるだろう自然な流れ」と「バックグラウンドとなる神話」は思いついたが、2つを結びつけるとどうしてもバッドエンド、よくてビターエンドになってしまうという問題に直面している。
考えに考えてバッドエンドやビターエンドをその作品に最もふさわしい終わりだと考えるならまだいい。しかし、なんとなくでハッピーエンドを放棄してしまうのはただの逃げだ。実際に書いてみると分かるが、ハッピーエンドよりもバッドエンドの方が余程書きやすい。
これは「転」の部分でどんでん返しを必要とせず、後片付けをせずに進めばできるのがバッドエンドだからだ。
意外性のあるストーリー展開が続くほど「読者の望むハッピーエンド」 からは遠のき、取ってつけたような理屈で迎えるハッピーエンドを描けば読者の失望を買うことは想像に難くない。
ご都合主義の大団円についてまわるのは、「だったら最初から殺すな」「覚悟が安っぽく見える」「全部どうでも良くなった」などの否定の言葉だ。
綺麗なハッピーエンドを書くのが難しいのは、あらゆる帳尻を合わせながら伏線を回収し、作中に一貫して流れるテーマをも集約させた終わり方にしなければならないからだ。
その点、バッドエンドは帳尻合わせが不要で綺麗な形に整える必要もない。
だから僕はひとまずはハッピーエンドを目指す。結果的にバッドエンドに変更されようとも、「解決策が思いつかないから」という逃げでバッドエンドにしたシナリオと、解決策を用意しながらそれをあえて投げ捨てるバッドエンドとでは読者の感じ方はまるで違う。解決の具体案があるのなら、それを読者にちらつかせて期待を煽りつつ最後でどん底に叩き落すという感情誘導も楽にできる。
で。僕が想像した当然たどるだろう自然な流れは、どうやらハッピーエンドに向かいそうにない。多くの場合、相応の困難を与えられた物語であれば、自然に流れればバッドエンドに向かってしまう。最初からハッピーエンドを迎えるようであれば、それは世界全体の難易度が低いのであり、きっと読者は読んでいてどきどきもはらはらもしないはずだ。完全な予定調和のハッピーエンドが許されるのは、読者がそれを望んでやまない場合だけである。これはこれで読者の感情と視線の操作を完全に行わなかれば成り立たず、難易度はかなり高い。
僕がこれから取り掛からなければならない作業は、放っておけばバッドエンドに流れるストーリーをハッピーエンドにするために設定やキャラやシナリオに手を加えることだ。キャラクターの素質を強化したり、「気づき」を得るエピソードを追加したり、ハッピーエンド達成条件に抜け穴を仕掛けたり……一見無理ゲーでも状況を正しく理解すれば光明が見えるシチュエーションの下準備が急務と言える。
だいぶ抽象的な話になってきたが、結局は読者が気持ちよく納得できるハッピーエンドを達成するために手を尽くすだけだ。
今回は元となる「神話」の方に抜け穴にこじつけられる情報がありそうな気がするので、そちらを詳しく調べる作業も並行して行っていくつもりだ・
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