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『ヴァルキーザ』魔法解説(2)

小説『ヴァルキーザ』(新シリーズでないほう)の
設定資料ファイルの中から、一部の内容を抜き出し、いま改正したものをリリースします。

今日は「魔法そのもの」の公開第二弾です。

当記事はヴァルキーザの魔法の呪文解説の一覧です。

今回は「黒魔法(メディアス)」、「白魔法(セレニス)」、「フォロス魔法(フォロス)」のうち、「メディアス」を挙げて解説します。

「メディアス」は、ヴァルキーザの世界で「黒魔法」と呼ばれている、攻撃呪文を中心とした魔法系の魔法です。

この記事では計10個をリストアップします。

太字は呪文の名称(数字はその呪文のレベル(難易度))。
下はその説明文です。

設定段階の資料を使用したため、名称が不同のものがあり、また実際には小説本文に出なかった呪文もあります。むしろその方が多いです。

呪文名は和製英語風になっています。
予めご了承下さい。

RPGをイメージしながら眺めるといいかも知れません。


メディアス(黒魔法)

 1.催眠(ヒュプノシス)

  対象の脳に作用する念波を発して、相手の脳波
  に干渉し、強制的に眠らせる呪文。この呪文が
  かかると、瞬時に脳の機能が一時的に麻痺し、
  最大1分間、強い睡眠状の意識に陥る。ただし対
  象者が抵抗した場合、必ずかかるとは限らな
  い。呪文に上手く抵抗した者には、何の作用も
  及ばない。呪文により眠った者はその間、自身
  の防御も含め、能動的な行動が取れなくなる。
  当然、武器を振るったり、魔法を使うこともで
  きない。術者より格段に強い者に対しては、こ
  の呪文は効かない。またアンデッドモンスター
  や妖精のような、通常の意味での身体を持たな
  い存在には、全く効力がない。
  

 2.雷撃(ライトニング)

  小規模の稲妻を発生させて、相手に放つ呪文。
  古世紀以前に魔法使いの護身用に開発された。
  稲妻は必ず相手に命中し、感電によるダメージ
  を及ぼす。この雷撃により即死する者もいる。
  一度の魔法につき、一人のみを標的とする。
  この呪文をかけるとき、術者は必ず両手を真上
  に伸ばし、掌を上にかざす姿勢を取らなければ
  ならない。
  

 3.竜火炎(ドラゴンブレス)

  非常に高熱の火炎を直線状に放射する呪文。
  竜の火炎(ブレス)のように瞬時に発火し、まっす
  ぐ長く伸びる炎のため、この呪文名がついた。
  炎は最長15メートル、幅1メートル、最高温度
  240℃である。この火炎放射は10秒間持続する。
  この呪文の用途は様々であるが、人に向けて放
  つと相手は焼死する恐れがあるため、特殊な場
  合を除いて、呪文を対人用に使うのは禁忌とさ
  れている。


 4.幻覚(イリュージョン)

  術者が脳内で念じるオブジェクトを眼前の現実
  世界に投映する呪文。このオブジェクトは術者
  以外の他者にも等しく認識される。オブジェク
  トは実体を持たない光学的な幻影であり、術者
  のイメージした任意の像が、空間上に展開され
  る。像は、一見では本物と見紛う出来である。
  オブジェクトは色彩を伴い、静止画像だけでな
  く、動画像や立体物も作れる。また卓越した術
  者ならば、視覚だけでなく聴覚や嗅覚、触覚に
  も作用する幻影、つまりニセの音や匂い、感覚
  をも作り展開することができる。
  幻影は最大100立方メートルまで造影でき、それ
  は最長1時間まで持続する。
  ただし、大きく複雑な幻影を作るには、術者が
  より多くの精神力を消費する必要がある。


 5.魔法封じ(サイレンス)

  術者を中心に、半径10メートルの範囲に全ての
  音波を中和する魔法の結界を張る呪文。
  この結界の領域内では、一切の音が聞こえなく
  なり、ただ静寂のみが支配する状態となる。
  そのため、魔法の発動に必要な、呪文の詠唱に
  際して出る言語音も封じられ、術者自身を含め
  領域内にいる魔法使いたちは一切の魔法が使え
  なくなる。
  この結界は、最長5分間持続して存在する。


 6.凍結(ブリザード)

  多数の雪片や氷の粒を含んだ非常に冷たい凍気
  の烈風を相手に向けて放つ呪文。この凍気は、
  比較的広範囲に拡がるので、多数の相手を同時
  に捉え、冷気によるダメージを与えることがで
  きる。大概のモンスターに対して有効な攻撃呪
  文だが、アンデッド・モンスターの中には、こ
  の呪文が効かない者もいる。


 7.混乱(コンヒュージョン)

  術者の視界内にある全ての敵の脳に作用する魔
  法の念波を送り、その脳波に干渉して、相手を
  一瞬のうちに混乱させる呪文。この呪文がかか
  ると、瞬時に相手は脳が一時的に混乱し、最大3
  分間、パニックに陥る。ただし対象者が抵抗し
  た場合、必ずかかるとは限らない。呪文に上手
  く抵抗した者には、何の作用も及ばない。呪文
  により混乱した者はその間、自身の行動を統御
  できなくなる。その結果、敵同士で攻撃し合っ
  たり、能動的な行動が取れなったりする。パニ
  ックに陥った敵は、その間、脳の機能が阻害さ
  れるため、魔法、つまり複雑な呪文の詠唱を要
  する業を行うことはできなくなる。術者より格
  段に強い者に対しては、この呪文は効かない。
  またそもそも精神を有さないモンスター、たと
  えば魔法で操られて動くゴレムのような人工物
  の存在には、全く効力がない。


 8.魔法戦士(マジカルガード)

  この呪文のために特別に定められた触媒を用い
  て呪文を唱えると、瞬時に全身金属製のパペッ
  トが召喚される。パペットは人間型で人間大の
  体であり、武器を装備しており、魔法使いであ
  る術者の魔力により管制されつつも半ば自律的
  に行動して彼のために敵と戦い、彼の護衛とし
  て用いることができる。魔法使いは通常、自ら
  武器を手に取って戦闘することが不得手である
  ため、彼の代わりに敵に剣を振るってくれる魔
  法の護衛は、魔法使いたちに重宝されている。
  パペットは一度に最大3体、10分間まで召喚で
  き、その数と持続時間に応じて、術者は精神力
  を消費させられる。パペットの強さは、レベル5
  の戦士に相当する。この魔法の護衛はある程度
  のダメージを被った場合、壊れて消滅する。パ
  ペットに対しては、催眠や混乱など、精神的な
  作用を及ぼす呪文は通用しない。


 9.流星(メテオ)

  星界より呼び集めた無数の小さな隕石を天空よ
  り一斉に、地上に降らせる呪文。隕石は術者の
  背後の高空から、彼の遠く前方に拡がる広範囲
  の地表のエリアに、燃えながら斜め方向に高速
  で落下する。そして大地を直撃した隕石群はそ
  の衝撃で爆発し、大地にクレーターをつくる程
  の強力な破壊を周囲に及ぼす。集団で展開して
  いる敵の群に向けてこの呪文を放った場合、全
  ての相手が同時に、隕石落下の衝撃波による物
  理的な大ダメージを受け、殆どの者が一瞬のう
  ちに戦闘不能になる。この呪文はその威力に相
  応し、多大な精神点を術者に消費させる。


 10.時間転移(タイムシフト)

  術者の周囲千立方メートルの範囲の時間を一時
  的に停止したり、遡行させる呪文。この呪文は
  瞬時に発動し、効果圏内の時間の進行を強制的
  に一時停止する。これにより捉われる敵はすべ
  て、成功判定を要さず、必ず5分間一切の身動き
  がとれなくなる。5分間経過の後、呪文は解け、
  相手は何も無かったかのように我に返る。ま
  た、術者はこの呪文により時間を遡行させる選
  択も行なうことができる。その場合、効果圏内
  の時間は、5分前のそれに遡行し、捉われた敵は
  皆、5分間前の自分に戻る。成功判定は不要。
  この呪文は任意の対象を呪文の効果から外すこ
  とができる。例えば、術者は効果範囲内の味方
  を全て予め呪文から解き放ち、結果的に全ての
  時間停止中の敵を動ける味方たちに攻撃させ
  る、という戦術が可能である。






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