嫌いな人が教えてくれたこと

アパレル店員時代の先輩へ
―100人に感謝を伝えたい⑰


本当に嫌いだった、この先輩

どうしてかというと
簡単に売上を伸ばすことができるから

高単価なものも簡単に売るし
なんなら高単価のほうを売るし
カードの入会数も多いし…

私が
(やりたくないのに、仕事だから仕方なく)
試行錯誤して考えてやっていることを
簡単にやってのけるから、です。

どうしても勝てない。
勝てない自分が悔しくて、情けなくて
でも嫉妬してる気持ちは認めたくなくて
『わたし、なんにも感じてません』のように
自分を偽るけど
やっぱり胸の中にあるモヤモヤしたものは
大きくなる一方。

つい先輩の悪口を言いたくなるけど
それこそ負け犬だと思って、やめる。
でもこのモヤモヤはいっこうに収まらない。

もう、こんな気持ちにいちいちなっている自分が嫌だなと。
自分に自信を無くしかけてたときに

この先輩は、販売が得意で
私は販売が苦手なんじゃないか?と
本能的に理解はしていたけど
認識していない事実に気付きました。

そう、本能では分かっていたんです。
自分は苦手だから、
試行錯誤して頑張っていただんだと。

逆に先輩に言われたのが、
『お客様となんでそんなに話できるの?』
『なんでそんなに頑張れるの?』
ということ。

え・・?みなさん、頑張れないのですか??

と、私は自分の得意なことにここで気づかされました。

どうも、私は”他の人よりも頑張れる”らしい。
たしかに『そんなに頑張らなくていいよ』ってよく言われる。
自分はそんなにがんばっているつもりなんてなくて、
むしろ頑張ってないほうだと思った。

だから苦手なことも『まだまだ!』って言って
自分追い込んで
得意な人と比べて、へこんで
『あー、私なんにもできない』
って自分責めていた。

そうか、
私頑張って先輩に追いつこうとしていたんだ。
苦手な販売も、先輩に勝とうと
ここまで頑張ることができたんだ
って思ったら

今まで先輩に抱いてた大きなモヤモヤが
スーってなくなり、心が軽くなりました。

そうしたら
先輩のことが受け入れることができるようになって
この人には販売ではかなわないと、
素直に認めることができるようになりました。

でも、時には勝つこともありましたけどね!

不思議なことに、そんな関係になったら
先輩に対して思っていることを
素直に伝えられるようになって

お互い会社を辞めた今でも
遊ぶ仲です♪


今は、あの時はマジで嫌いだったと
本人にも伝えられるくらいの仲。
(嫌いというか、苦手のほうが近いかも)

でも最初に先輩が私のことを
認めてくれていたから
私も先輩のことを認めることが
できたのかなと思っています。

頭では分かっていたけど
相手を認めるってこんな感じなんだと
心で理解できました。

そしてやはり思うのは
人間、認め合えば分かり合えるんだなということ。

もともと嫌いだと思っていた人が
ここまで大切な人になるとは
思いませんでした。

先輩、いろいろ気づかせてくれてありがとうございます。

こういって伝えると
めちゃめちゃ嬉しそうに
強がって照れる先輩が私は大好きです。




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