世のちり洗う四万温泉 番外編
四万温泉を後にしたのは良いが、一つ問題があった。帰りの列車までに変な間があるのだ。
そもそも、四万温泉最寄駅の中之条駅がある吾妻線はなかなかのローカル線で、そこまで列車の本数は多くない。そのうえ、バスとの接続が微妙な感じだったのだ。
例えば、平日の朝10時頃のチェックアウトで、四万温泉を出ると路線バスの時刻表は以下のような感じになる。
これに対して、中之条駅発の上り方面の列車は以下のような感じ。
ベストは、③とCの組み合わせで、中之条駅で乗り換え22分間(バスの遅延を考慮すれば、もう少し短くなる)待つという感じだろうが、個人的には平日の朝10時台の四万温泉で1時間近く時間をつぶすのが、少し難しい気がした。(もちろん、土産物屋や喫茶店はあるので楽しめる人は楽しめる)
ただ、②のバスに乗ると、中之条駅前で1時間弱の待ちぼうけを食ってしまう。①のバスだと中之条駅での待ちぼうけは40分ほどに短縮されるが、やはり長いし、旅館を楽しみたい身からすると、9時過ぎのチェックアウトは、いささか早すぎる。
そこで、今回は逆に中之条での待ちぼうけ時間を最大化し、それを活用して、中之条のまちなか散策をするという方針を取ることにした。
まちなか散策をするなら、バスでわざわざ終点の中之条駅まで行く必要はない。私は、途中の「資料館前」という停留所で降りた。
停留所のすぐ近くに何やらおしゃれな建物が建っている。ここは「中之条町ふるさと交流センターつむじ」という施設で、カフェや雑貨店、足湯などがある。ここで、時間を過ごすのも面白そうだ。
また、ここからすぐ近くにあるのが中之条町歴史と民俗の博物館「ミュゼ」である。修築しているがレトロな建物だ。
ここは、もともと吾妻第三小学校として明治18年に建てられた校舎だった。大正から昭和53年までは町役場としても使用され、その後、博物館として使用されることになったようだ。群馬県内に残る明治期の洋風小学校の建物で貴重らしく、群馬県指定重要文化財にもなっている。
せっかくなので、こちらの博物館に入って、歴史を学ぶ。展示パネルなどは、やや年季が入っているが、内容は盛りだくさんだ。また、かつての校舎の雰囲気を大事にしているようで、廊下なども結構、雰囲気がある。
博物館を後にし、駅の方面に向かって、またぶらぶらする。昔ながらの街並みが残されているので、意外と楽しめる。
通り沿いを歩いていくと、立派なお寺が見えた。楼門の棟には六文銭が入っている。六文銭は、真田氏の家紋だ。こちらは「曹洞宗 宝満山 林昌寺」といって、真田家の血縁者で家臣の矢沢頼綱(「真田丸」では綾田俊樹さんが演じていた)が再興した寺院だそうだ。
立派な三門は、町の文化財にもなっている。
こうやってぶらぶらしながら程よい時間に中之条駅に到着した。結局、中之条駅周辺の散策は1時間強ほどだったが、もう少し時間を取っても楽しめるかなあという感じだった。
四万温泉お立ち寄りの際は、中之条駅周辺の散策も是非ご検討を。