埋木

適応障害の診断を受け休職→元の職場へ復職→転職した28歳です。本と珈琲と古い建物が好き…

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適応障害の診断を受け休職→元の職場へ復職→転職した28歳です。本と珈琲と古い建物が好き。主に休職日記や旅行記などを書いています。なお、記事の記載の中には、特定されないよう一部脚色がされている場合もあります。ご了承ください。

マガジン

  • 福島移住録

  • 休職日記 2022.3~

    2022年3月から5月の休職に入っていた間の日常、感じたこと、復職後に考えたことなどを綴っています。

  • 諸国巡行録

    あちこちを出歩いた時の記録です。旅先の検討材料、あるいは旅行記として。

最近の記事

冷やし中華にマヨネーズ

先日、通勤途中の車内でラジオを聞いていると「福島では冷やし中華にマヨネーズをつける人が多い」という話が聞こえてきた。私は耳を疑った。「冷やし中華にマヨネーズだなんて!!」ということではない。むしろ、逆で「福島もなのか!おお、同士よ!」という感動のためだ。 全国的には「冷やし中華にマヨネーズ」は、あまり見られない食文化ではあるのだが、一部の地域ではわりと親しまれている。特に有名なのが東海地方で、東海出身の私も(自分自身はつけないものの)なじみのある食文化ではあった。 しかし、

    • 「じゃあ私はどうしたらいいんだ!」

      職場の人と「虎に翼」の話になった。 先週、主人公である寅子が恩師・穂高先生の退官記念パーティーの席で花束贈呈役を拒否し、先生に面と向かって「許さない」とまで言ったシーンの解釈についてである。このシーンだけ取り出せば、間違いなく「恩師に対してなんという無礼を」と思うかもしれないが、実際にはそれまでの蓄積がある。 穂高先生は、司法界への女性の進出に積極的な立場で、当時としては唯一の女性のための法曹教育の場を設け、寅子に進学を勧めた。最終的に、寅子は日本で最初の女性弁護士の一人に

      • 移住1周年

        東京から福島に移住して、ちょうど1年を迎えた。 振り返ってみると、私の東京(での社会人)生活はコロナに始まり、コロナに終わったことになる。 初めて緊急事態宣言が発令された春、都内の会社に就職し、自分なりに懸命に取り組みながら仕事を続けていたら、いつの間にか磨り減っていたようで最後にまん防が出た年の3月、ポッキリと折れてしまった。およそ3か月の休職を経て、元の仕事に戻ったものの長くこの仕事を続けることは出来ないと決心し、繁忙期が終わるころに転職活動をし始めた。縁あって福島で働

        • 支援する・されるを超えて

          再び、フォーラム福島(映画館)に足を運ぶ。今度は「ラジオ下神白」というドキュメンタリー映画である。 舞台は、いわき市にある県営下神白(しもかじろ)団地。ここは、福島第一原発事故により避難を強いられた富岡町、大熊町、双葉町、浪江町の町民が住む災害公営住宅である。原発事故により、別のまちで暮らすことになった、4つの町の住民たち。全国の災害復興住宅の例に漏れず、ここの入居者も高齢者が中心で、コミュニティの再生・孤独死の防止が最重要課題となっていた。 映画は、コミュニティ支援とし

        冷やし中華にマヨネーズ

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        記事

          理解と共感を切り離す

          福島市に「フォーラム福島」という映画館がある。 新作映画も上映するシネコンではあるのだが、単館で扱うような映画もやってくれる良い映画館である。その映画館が3月から3.11関連の映画をほぼ週替わりで上映している。いろいろ理由をつけて、あまり行けなかったのだがようやく見に行くことが出来た。 見たのは「決断 運命を変えた3.11母子避難」という映画で題名のとおり、福島第一原発事故後の自主避難者にフォーカスを当てたドキュメンタリー映画である。 まず、「自主避難」という言葉を説明し

          理解と共感を切り離す

          揺れる大地

          先週の木曜夜、日付が変わったので厳密に言うと金曜日。 特に仕事で疲弊していたわけではないのだが、どうも疲れて何をするでもなく、うつらうつらしていた。さっさと風呂に入るなり、布団で寝るなりすれば良いのだが、その一歩が踏み出せないでいたら、どーんっと衝撃のようなものが来て掛け時計がゆらゆら揺れ始めた。 寝ぼけた頭で、いったい何が起こったのか掴みかねていたのだが、スマホがけたたましいアラート音とともに「地震です」と叫んだので、ようやくこの事象が地震であることを認識した。何かしなくて

          揺れる大地

          3月11日の更新作業

          「メディアは節目が好きだからね」 職場の人が冷ややかに言う。3月を控えた、ある日のヒトコマである。 福島に住んで1年足らずの私からすれば、日常生活にかまけてしまい、どうしてもあの日の記憶が薄れてしまうので、記憶を想起させてくれる節目というのは、存外ありがたいものではあるのだが、この地にずっと居る側からすれば、うんざりする面も大きいのだろう。 確かに、こちらに来て9カ月ほど、いろいろと見聞きするうちに自分の中でぼんやりとしていた「ふくしま」の輪郭がだいぶはっきりとする一方で

          3月11日の更新作業

          年の暮れ

          帰省ラッシュのピークを迎えた東京駅は絶望的な大混雑で、一秒でも早くこの場から脱出したいという一心で人込みをかき分け、東北新幹線のホームから東海道新幹線のホームへと向かう。 毎年、この時期は実家に帰省しているので、今回も例年どおり帰省したのだが、ここまでの混雑に直面すると「もう、年末年始に無理して帰省しなくてもいいかな」という発想が頭をかすめる。 実際、転職してから休みは取りやすくなったので、もはや年末年始しか休めないという訳でもない。そのうえ、福島へ転居したために帰省にかか

          年の暮れ

          M氏を連れて

          土曜の朝7時前、昨日の深酒のせいかなかなか寝付けず、ようやく手に入れた惰眠をむさぼっていたらM氏に急に起こされた。 「朝飯買うの忘れてたから、コンビニ行ってくる」 そんなもん、人をわざわざ起こさずとも書き置きするなり、LINEで一言メッセージ送っておくなりすればいいのに・・・と思いながら、眠い目をこすって「はい」と返した。この人は、いつもそうだ。気が利かない。 M氏は、学生時代の知り合いで1ケ上である。1ケ上なので、私は敬語で話すが、この人が年上らしいことをしてくれたことは

          M氏を連れて

          伊達市・伊達郡の近代建築まとめ

          福島県伊達市および伊達郡(桑折町・国見町・川俣町)の近代建築をまとめていきます(随時更新予定) 伊達市旧亀岡家住宅 住所:伊達市保原町大泉字宮脇265 竣工:1904(明治37)年頃 文化財指定等:国指定重要文化財 概要:現在の福島市や伊達市周辺は信達蚕糸業地帯と言われるほどに養蚕や絹織物が盛んであった。豪農であり、のちには県会議員などを務めた亀岡正元の住宅として建てられた。外観は洋風だが、内部は一室を除くと和風となっており、そのギャップが面白い。贅を尽くした意匠も

          伊達市・伊達郡の近代建築まとめ

          福島市の近代建築まとめ

          福島市の近代建築をまとめています(随時、情報更新予定) 中心市街地福島市写真写真美術館(旧日本電気計器検定所福島試験所社屋) 住所:福島市森合町11番36号 竣工:1922(大正11)年 文化財指定等:福島市有形文化財 御倉邸(旧日本銀行福島支店長役宅) 住所:福島市御倉町1番78号 竣工:1927(昭和2)年 旧日赤赤レンガ倉庫 住所:福島市舟場町2-2 竣工:1916(大正5)年 宍戸理容所(旧第百七銀行豊田町派出所) 住所:福島市豊田町2-30

          福島市の近代建築まとめ

          「なんか、いいのかな…」

          「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、福島もいい季節になってきた。 行楽の秋ということもあり、東京時代の友人が福島来訪の計画の話をしてきてくれるのは、旅行ついでとはいえありがたい限りだ。 ただ、残念なことに福島市近郊には、めぼしい観光地が少ない。 もちろん、飯坂・高湯・土湯などのいい温泉はあるのだが、温泉を求めている場面ばかりとは限らない。 また、磐梯吾妻スカイラインなんかは超絶おすすめスポットなのだが、いかんせん天気に左右されてしまう。会津まで行ってもいいのだが、

          「なんか、いいのかな…」

          福島移住録 #6 足の確保

          福島駅を使っていると、学生さんが多いなと感じる。 朝夕は制服姿の高校生や近隣の大学の大学生と思しき若人で利用者の7割程度を占めているのではないだろうか。そのくらい多い。もちろん、少子化・人口減少・過疎化の最前線に立つ福島の地である。若者が多い訳ではない。通勤に鉄道を利用する大人たちが少ないので、鉄道利用客に占める学生の割合が高く、駅で学生が多く見えるだけである。やはり、移動の中心は車なのだ。 現在、職場が福島駅から数駅隣が最寄りで全然歩ける距離にあるため鉄道通勤をしている。

          福島移住録 #6 足の確保

          福島移住録 #5 いざ引っ越し

          家と荷物の搬入の算段は付いたので、手続き関係を済ませれば、残るは実際の引っ越し作業のみである。5月下旬の某日、3日間に渡って引っ越しを実施した。 <1日目> タスクは、荷物の搬出である。 内訳は、ヤマトの単身パックによる搬出と家電量販店による冷蔵庫・洗濯機・テレビなど家電の引き取りである。この二つは、引っ越し業者に任せれば一緒に済むのだろうが、バラバラに依頼しているので、こうなってしまう。 当日は、朝から荷物のパッキングと掃除を行う。ギリギリまで使っていた食器類などを段

          福島移住録 #5 いざ引っ越し

          福島移住録#4 家について

          話が前後するが、流石に転居する家については家電の購入等より前に先に決めていた。 宿舎が使えるとのことだったので、生活費の観点からしても当初の想定から宿舎一択であったのだが、いくつか空きがあるらしく、実際に見させてもらって、どこがいいのか決めることが出来た。 5月の連休前後で、福島に行くことになった。 ちなみに、移住支援策の一つに物件探しなどで福島を訪ねる際の費用の助成もあった。 使おうかなと思ったものの、利用に当たっては訪問の10営業日前までの申請が必要(使いづらっ)との

          福島移住録#4 家について

          福島移住録#3 家電の寿命

          我が家の大型家電は、主に冷蔵庫・洗濯機・テレビである。いずれも上京した際から使っているもので、10年近く使っている。既に洗濯機は変な音がし始め、テレビは残像が残るようになっている。今回の移住を機に買い替えるのも悪くないなと思い、最寄りの家電量販店に足を運んだ。(なお、足を運ぶ前に家電の大きさや型番などをメモしておくと、いろいろと楽だ) 相談をしてみると、今の家に家電を引き取りに来てもらい、転居先に改めて配送するということはできる。ただ、店側にとっては二度手間なので、追加で少

          福島移住録#3 家電の寿命