名前
花の名前は実に様々である。
育種家の名前から、
まあなんかそれっぽいのまで。
その名前が持つ意味と、彼らの主張が合致していると思って居るのは我々人間だけだ。
蜂は違うことを言うだろう
名前はそのものの存在を示す一つのサインだ
その名前は姓名だけに及ばず
妻とかホモ・サピエンスとか
非正規労働者だって
その人の名前とも言えなくはない
君の存在は誰かにとってはブルジョワだろうし
大井農園にとっては子なのだろう
どんなものも多くの名前を持つ
そのひとつひとつを手に取り
見つめる瞬間は訪れないが
存在とはそんなものなのだろう
誰かにとってはブルジョワで、
誰かにとっては子であるように
存在などと言うものは
多くの名前をもつだけで
実体ですらないのだ
手には取れないけれど
私は確かに君を見ている
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