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ヤモリ

窓の桟から此の家を御守り致しんす

御姿を納めていたら
ごめんね、嫌だったかしら
2m下へと飛下りてった
君はいつもこの家に居てくれるけど
自分の家はないの?
家守って人間の家を守るための
家守じゃないでしょう
人間が勝手につけたの名前なのは承知

家というのはなんだろう
我々人間は雨風を凌ぐ箱を欲するけれど
その箱をそう呼ぶ訳ではないでしょう
その人にとっての“拠点”とも違う
休む所でも 物置でもない
何処かへ行く為の場所

家というのはなんだろう
私には帰る場所がないと思う時があるけれど
家の定義が解らないからだろうか
彼にとっての家がもし此処なら それで良い


あ、もしかしてウチを守るのって労働?
住み込みの単身赴任生活?
彼は一家の大黒柱かもしれない

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