人を疑うな、仕組みを疑え:事故を防ぐ5 Whysとハインリッヒの法則を徹底解説
こんにちは。タイシン工業の櫻田です。
現場での事故や品質問題が発生したとき、私たちはしばしば「誰がやった?」と人を疑ってしまいがちです。
私もつい「お前なにやってんだよ」なんて言ってしまった時期がありました。
しかし、本当に重要なのは「なぜそのミスが起きたのか?」という点に焦点を当てることです。この記事では、「人を疑うのではなく、仕組みを疑え」という考え方を取り入れ、5 Whysとハインリッヒの法則を使って、どのように問題を根本から解決し、再発を防ぐことができるかを解説します。
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なぜ「仕組み」を疑うべきなのか?
人間はミスをするものです。しかし、そのミスがなぜ発生したのかを深掘りすることで、より大きな問題、つまり「仕組みの問題」が浮き彫りになることが多いのです。仕組みとは、業務の流れ、使用するツールや機器、手順、教育や訓練、そして組織全体の文化を指します。これらが適切に機能していれば、人間のミスは最小限に抑えられるはずです。
5 Whysとは?
5 Whysは、世界のTOYOTAが日ごろから使っている分析方法です。
これは問題の根本原因を探るためのシンプルで効果的な手法です。
問題が発生した際、「なぜ?」を5回程度繰り返して問いかけることで、表面的な原因を超えて、真の原因にたどり着くことができます。
具体例:冷媒配管工事における事故
問題: 冷媒配管工事中に冷媒ガスが漏れて、作業員が負傷(低温火傷)した。
5 Whysのプロセス:
なぜ冷媒ガスが漏れたのか?
フレア接続部が緩んでいたため。
なぜ接続部が緩んでいたのか?
接続時に適切なトルクレンチが使用されていなかったため。
なぜ適切なトルクレンチが使用されなかったのか?
本数が不足しており、代用品を使用したため。
なぜ本数が不足していたのか?
一つの現場で急遽、複数個所でフレア接続工事があったため。
なぜ急遽複数個所で接続工事があったのか?
行程が周知されていなかったため。
根本原因: 毎日決まった時間に職長と現場監督が工程を打ち合わせし、お互いがその工程を守っていれば事故は防げた可能性が高い。
ハインリッヒの法則とは?
ハインリッヒの法則は、労働災害に関する研究から生まれた理論で、アメリカの保険会社のハインリッヒさんという人が提唱しました。
これは「1件の重大事故の背後には、29件の軽微な事故と300件のヒヤリハット(潜在的な危険)が存在する」という考え方です。この法則は、軽微な事故やヒヤリハットを軽視せずに対策を講じることで、重大事故を未然に防ぐことができることを示唆しています。
具体例:冷媒配管工事における品質事故
重大事故: 冷媒配管工事後に大規模な冷媒ガス漏れが発生し、建物内の設備に損傷が発生した。
軽微な事故(29件):
工事中に接続部から微量のガス漏れが発生したが、その場での応急処置のみで済まされ、原因究明や修理は行われなかった。
耐圧試験中に微量ではあるが圧力が低下したが、詳細な検査は行われなかった。
ヒヤリハット(300件):
現場での作業中、作業員が適切な工具を使用せず、接続部の締め付けが不十分だった。
配管の取り扱いが不慣れな作業員が、手順を省略して作業を行ったが、特に問題は報告されなかった。
対策:
ハインリッヒの法則に基づけば、これらの軽微な事故やヒヤリハットに対して適切な対策が講じられていれば、重大なガス漏れ事故は防げた可能性が高い。現場での継続的な監視と検査、そして作業員への適切な教育が必要であることが分かります。
仕組みを疑うことで得られるメリット
「仕組みを疑う」ことによって、個人に責任を押し付けるのではなく、システム全体を改善することができます。これにより、再発防止のための効果的な対策が講じられ、長期的に見て職場の安全性と効率性が向上します。さらに、現場での信頼関係も保たれるため、チーム全体の士気も高まります。
まとめ: 事故を防ぐために
事故や品質問題が発生したとき、個人を疑うのではなく、まず仕組みを疑い、問題の根本原因を明らかにすることが重要です。5 Whysとハインリッヒの法則は、これらの問題を解決し、再発を防ぐための強力なツールです。現場での適切なリスク管理と仕組みの見直しを行い、職場の安全性と品質を高めていきましょう。
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それでは今日もご安全に!
櫻田 泰
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