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シャチ大好き!愛らしくてユニークな海の動物を描き続ける漫画家・まつおるかさんインタビュー

心がゆったりとする大きな海原、耳に心地よい浜辺に打ち寄せる波。海にはさまざまな魅力がありますが、中でもさまざまな姿かたち、生態を持つ海の動物たちに心を惹かれる人も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな多様性のある海の動物たちのかわいいイラストを描き続けている漫画家・まつおるかさんに、海の動物、そして海の魅力について語っていただきました! まわりの友達にちょっと教えたくなる素敵なお話がたくさんあるので、ぜひこの夏休み中にお子さんと一緒に読んでみてくださいね!

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(プロフィール)
まつおるか
漫画家、イラストレーター。特に好きな動物はシャチ!Twitterにてイラストエッセイを投稿中。

大好きなシャチの魅力をもっと知ってほしい!溢れ出るシャチ愛が動物漫画を描くきっかけに

―まず、まつおさんが海の動物に興味を持ったきっかけは何だったんですか?

もともと水陸問わず、動物が好きで、テレビで動物特集を見たり情報を集めていました。ある時、大学の友達から「シャチの生態がヤバい」という話を聞いてシャチの生態を調べてみたんです。シャチは、サメ、アザラシ、ペンギンも食べるし、「最強の動物だ!」と驚きましたね。でも、海の動物というと、最強のトップはサメで人気なのはアザラシやイルカ。シャチは結構マイナーな存在なので、もっとシャチを押してもらいたいなと思ったんです。もともと漫画家を目指していたこともあって、漫画ならいろんな方に読んでもらえそうだとTwitterを使い、描いた漫画を配信するようになりました。

―海の動物の中でも、まつおさんイチ押しはシャチですよね。まつおさんが感じている、シャチのかわいさや魅力ってどんな所ですか?

小さい頃はシャチの顔のあの白い部分が目かと思っていて、「なんかウルトラマンみたいだな」と(笑)。でも後にそれが目ではなく、目の上の眉毛のようなものであったことを知って。顔が特徴的だし、大きいし、すごくかわいいと思いました。

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動物も同じ生き物! 彼らの世界にふれて、共感や親しみを感じてもらいたい

―え!! あの白い部分、目じゃないんですか…!(し、知らなかった…)それにしても、まつおさんが描く海の動物たちは本当に愛らしいですよね。海の動物を描く時はどんなことをポイントにしているんですか?

私、クジラ類が好きなんですが、彼らの体の色って一色とかはっきりした色合いじゃないんですよ。例えば、ザトウクジラの胸びれの後ろは少し白くなっているんですが、白一色ではなく斑になっていたりするんです。そういう特徴をつかみながら、グラデーションをかけて色を塗ったり、あとは、図鑑にあるようなリアルな絵柄ではなく、見ていて「かわいい、きれい」と思ってもらえるようにイラストチックに描くようにしています。

―描く時は、どんなものを参考にしたりするんですか?

本や論文を読んだり、インターネットで探したりしています。今はなかなか行けませんが、水族館に行って飼育員さんにお話を伺ったりもします。水族館には解説もあるので、それを参考にしたりもしますし、あとはテレビの特集番組を見直したりもしますよ。

―まつおさんの描くイラストは、動物の特徴がしっかり描かれていながらほっこりする絵柄で子ども大人問わず楽しめますね。

当初は、大人ターゲットで描いていましたが、お子さんが読んでくれることが結構多いんですよ。ファンレターもお子さんからが多いです。「シャチがかわいい」「わたしはクマノミが好きです」なんて言葉と一緒にイラストが便箋に描かれていたり。すごいかわいくて、うれしくて、いただいたファンレターは大事にとっています。

―それから、まつおさんの漫画を読んでいると、動物たちに親しみを持てたり、同じ生き物として生き方の参考になるなと感じます。

ラッコ

ちょうど6月24日に新刊『どうぶつの恋愛が不思議すぎて!』を出させていただいたのですが、この本は動物の出産、結婚、恋愛をテーマにしています。今、ママ友との関係性や子育てのワンオペ育児などの問題も世の中的に話題になることも多いですが、動物の世界でも同じような光景が見られたりするんですよ。ラッコはお父さんが何もせずお母さんだけのワンオペ育児をしているとか、人間だけじゃなく、動物たちも結婚や出産にこんなに悩んで苦労しているというのを関西弁の突っ込みを入れてノリよく描いています。この本を読んで、「私だけじゃないんだ」とお母さんやお父さんには、共感や親しみを感じてもらえたらうれしいと思っています。

それぞれに特徴があるから面白い! 漫画を描くことで守っていきたい奥深い動物の世界

―これまで出会った海の動物の中で、特に生態が面白いと思ったのは、どんな動物ですか?

ヒトデです。人間もそうですが、普通、生き物って口から物を食べるじゃないですか。ヒトデも基本的に口から食べますが、食べ物がどうしても口に入りきらない場合、胃袋を外に出して胃袋ごと食べ物を迎えに行くんですよ。「胃袋が迎えに行くって何?」っていう(笑)。ヒトデって海のモチーフとしてかわいく描かれていていますが、たくましい生き物だなあと思いましたね。それから、裏に足がいっぱい生えていて、岩などに張り付いているだけじゃなくて、その足でうにゃうにゃ移動しているらしいです。「それで移動してんのや」みたいな(笑)。

―なんと…胃袋で直接食料ゲットしに行くなんて…! ヒトデのイメージが完全に変わりました(笑)。かわいいだけじゃないんだなあ、海の動物って…。

そうなんですよ。かわいいというイメージだけで終わりがちですけど、解説を読んだり飼育員さんの話を聞くと、面白いと思えることがすごくあるんですよね。やっぱり水族館でさっと見ただけではわからないことってたくさんあると思いました。

―他にも、まつおさんが、うらやましいなと思う動物の生態ってありますか?

海の動物ではないですが、ウーパールーパーですね。ウーパールーパーは、生体になることが稀で、ずっと子どものままでいることができる動物なんですよ。子どものまま、結婚や出産もできます。

ウーパールーパー

最近、私は実家を出たばかりなのですが、親のありがたみというか、家族に愛されていたことをすごく実感して。両親は、大学を出て就活をせずに漫画家になる夢を追い続けた私をいつでも応援してくれました。この両親の子どもとして生まれてきてよかったと思うと同時に、ずっと家族と一緒にいたかったなとも思いました。いずれは親も亡くなってしまうので、自力で生活しなければいけないなと思って家を出たんですけど、「ずっと赤ちゃんでいたい。もう一回生まれなおしたい」と言ったら、両親がさすがに引いてましたね(笑)。

―漫画を描くことで、世の中にどんなことを伝えたいですか?

動物をかわいい、水族館って楽しいという気持ちだけではなく、動物たちがどういう風に生きているかや、彼らの生きる環境について考えてもらいたいです。そして、それらを考えた上で、環境を守るために自分ができること、例えばポイ捨てをしない、食べ残しをしないとかそういった簡単なことでもいいから、何かアクションを起こしてもらうことにつながったらうれしいですね。

それから、例えば、サメは本来ほとんど人間を襲うことがありませんが、狂暴、怖いというイメージがついてしまっている動物がいますよね。そういった動物に対するネガティブなイメージも、漫画を通して変えていけたらいいなと思っています。

―まつおさんの漫画を読んでいると、生き物として共感できる部分がたくさんあるし、動物も自分たちと同じ生き物だという意識がより高まるように思います。

人間はやっぱり他の動物とは違う、別の生き物だと捉える人が多いのではないかと思いますが、私はそうは考えていません。どんな生き物であっても、同じ動物として対等に生きているつもりですし、そういう想いも漫画を通して伝わればいいなと思っています。

まだまだ未知の野生の世界。入っていくなら、自分の身は自分で守る意識が大切

―まつおさんは、海といえばどんな思い出がありますか?

海

海水浴は小さい頃しか行ってなくて、私自身は海自体と疎遠になっていたのですが、最近、ダイビングを始めたんです。自ら海に入るようになって、水面からは何も見えなったけど、中に入ったらたくさんの生き物がいて、「ここには、いっぱい命がある。やっぱり地球って生きているんだな」というのをダイレクトに感じることができました。

―新たな感覚を得て、作品づくりにも影響は出てきそうでしょうか?

水族館だけではなく、野生の生き物も見に行こうと思いました。水族館は自然に近い状態で飼育していますが、人の手が加わっているので野生ではないんですね。「こんな所に生き物おったんやー」という感覚が海の中では強かったので、野生をちゃんと見に行ってその上で感じたことを描ければと思っています。

―そういった魅力あふれる海を楽しむために、海へ行った時はどんなそなえを心掛けていますか?

災害や水難事故のニュースには普段から積極的にアンテナを張っていますし、命が関わる遊びであるダイビングの学科講習など、気をつけるべきことを教わる際はしっかり聞くようにしています。 “自分の身は自分で守る”ということを常に意識して考えるようにしていますね。

それから、人間ってやっぱり自分が危険な目に遭わないとわからないので、自分は大丈夫だろうとつい思ってしまいがちです。私はまわりの身近な人が事故などに遭ってほしくないので、まず自分がめちゃくちゃ知識をつけることも心掛けています。

漫画

―ちなみに、まつおさんのおすすめの海はどこですか?

海に入るなら沖縄です。高校時代に修学旅行で行ってシュノーケリングをしたんですが、海はきれいだし、生き物もたくさんいて。突然、底が見えないくらい深い穴があったりして、地球ってすごいなと感動したのを覚えています。

あとは、北海道の知床・羅臼には、野生のシャチがいるので、そこもシャチという生き物がこの地球上にいることをダイレクトに感じることができるスポットでおすすめですね。

―それから、水族館のおすすめもぜひ…!

やっぱりシャチのいる、鴨川シーワールドですね。シャチとトレーナーさんとがジャンプをしたり、息を合わせたショーが見られるのはここだけなんですよ。ショーを見ていると、シャチとトレーナーさんがすごい信頼し合っているのが分かって、違う種族でも一緒に生きていけるんだなと感動します。おすすめですね。

―最後に、まつおさんの現在、そして今後の活動について教えてください!

さっき話に出させていただきましたが、6月に新刊『どうぶつの恋愛が不思議すぎて!』が出ました。絵だけであれば小さなお子さんも楽しめますが、内容的には小学生低学年のお子さんから読める作品になっています。読んで、「こうやって動物たちは生き延びているんだ、子育てしてるんだ」というのを感じてもらえたらうれしいです。


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まつおさん、ありがとうございました!まつおさんの新作、早速読ませていただきましたが、「動物も人間も同じだなー」と動物に対してさらに親しみとそれぞれの命の尊さを感じました。相手をよりよく知ることで、自分の世界も広がりますし、もっとまわりを大事にしようという想いも生まれますよね。まつおさんの描く愛らしい動物たちの世界を通して、海や動物のことを知り、そんな想いをお子さんと育んでもらえたら素敵だなと思います。

まつおるかさんの情報はこちら!
公式Twitter https://twitter.com/matsuorca524
■書籍
『どうぶつの恋愛が不思議すぎて!』(www.amazon.co.jp/dp/404680582X
『海のどうぶつマンガ図鑑』(www.amazon.co.jp/dp/4040648781
『水族館が好きすぎて!』(www.amazon.co.jp/dp/4040642783
『海のどうぶつが可愛すぎて!』(www.amazon.co.jp/dp/4040656873
■かわいいイラストが描かれたグッズも販売中!
https://suzuri.jp/matsuorca