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ゴビ砂漠250kmマラソンへの挑戦②

◼︎はじめて娘に「いかないで」と泣かれて

出発の2ヶ月前から娘はこれまでにないくらいのママモードでした。
北海道合宿で4泊してもケロッとしていたのに、理解力が高くなってきて、イヤイヤ期も重なり不安になったのかな。

出発前日の夜は「ぎゅうしてからいってね」と言っていた娘。
玄関でぎゅっとしたら「ままいかないでぇぇぇぇぇ」とまさかの号泣。
その娘の姿に私も泣きそうになり「二週間したら絶対帰ってくるからね!二週間分のお手紙書いたから毎日パパに読んでもらってね!」と急いで出てきました。
そしたらなんと最後はちゃんと「バイバイ」と泣きながら見送ってくれたのです。すごいよね。

こういうのを”後ろ髪引かれる思い”って表現するんだろうななんて思いながら、泣かないように早足で駅に向かいました。

バスで名古屋から東京に向かったので移動時間がたっぷりあり、ゴビ砂漠に行けるまでを振り返りながらいろんな気持ちをスマホのメモ帳に残すことにしました。
それがこのブログにつながっています。


◼︎日本人同士でも言葉が通じ合わないこともあるよね

実は一人で東京に来るのも今回がはじめての私。
広すぎる東京駅に戸惑ってバスの受付にいたお兄さんに聞いてみました。
バスオタクが好きすぎてバスの仕事に就きました!みたいな感じの人で、めちゃ早口で捲し立てるように説明されて全く聞き取れない…。
日本人同士で日本語話してるのになんでこんなことに…と軽くショックを受け「ありがとうございました」とそこから離れました。笑

なんとか成田空港行きのバス乗り場に着いたらそこはもう外国人だらけ。
外国人観光客がどうやってチケットを買ってバスに乗っているのかを20分くらいじっと観察して、バス停に。
するとなぜか私も外国人として接客され、雰囲気に流された私はジェスチャーと指差しで言葉を交わさずコミュニケーションをとり、荷物を預け、バスに乗ることができたのです。

さっきは日本人同士で会話がうまくいかなかったのに、ジェスチャーと指差しだけでこんなにも分かり合える世界があるなんて…!これには本当に感動しました。


◼︎いよいよ出発

空港近くのホテルで一泊し、翌日集合しました。
大会が二度も延期になり、ここ半年くらいは色んな問題が出てきて、本当にいけるのか行ってもいいのか悩み、足を故障し、おばあちゃんが亡くなり、娘には「いかないで」と号泣され、色んなことがあったけどみんなの顔を見たら不思議とモヤモヤがなくなりました。
あぁ、今回は本当に行けるんだ。

チームメンバーの中には砂漠マラソンのリピーターがとても多く、飛行機の中では色んな人のレースのエピソードを聞かせてもらったんです。

スタート前日に夜中まで揉めに揉めて、それがあったから全員が完走できた話。
癌の手術を終えてからレースに臨んだ話。
リタイヤした日のこと、その後の想い。
【TEAM A☆H☆O】の挑戦を描いた映画が2作あるけど、そこでは語られていないそれぞれのストーリーが心に響きました。

このときあきちゃんがしてくれた「痛みは自分の意識がつくり出している」という話のおかげで足の怪我、顔の湿疹、眼球のむくみはこの後全て治ることになります。


◼︎はじめての海外

モンゴルの空港に着いて「はじめての海外はどう?」そう聞かれて思ったのは「よくわからない」でした。
東京駅は外国人だらけで東京はもはや海外みたいだったし、知らない土地に行くという感覚は国内もそう変わらないと思ったからです。

でも、外の景色を見るとまた違った感覚になりました。

夜の8時半でもまだ夕方みたいに明るくて、外は木が一本もなく見渡す限りの平原、左右の空には稲光が見える。
日本では絶対に見られないであろう景色を見て「違う国にいる」ということを感じました。

3日間ウランバートルの街を観光したり、レースのためのパッキングをしたり、チームメンバーの誕生日のお祝いをしたり、自炊したりとたくさん楽しみました。



泊まったところはアメニティ類やドライヤーが置いてなくて、万が一のためにと持っていた固形石鹸で洗って乾かせない髪は信じられないくらいキシキシだったけど、それすらも楽しく思えました。

日本の快適さは素晴らしくてありがたいです。
でも、不便で快適でない=不幸ではないと改めて思いました。

どんなときも自分の心持ち次第で幸せは感じられます。


◼︎大会指定のホテルに移動

この日、なんと大雪が降りました。

季節は夏で、この日は夏至。
前日は半袖着て暑いねってアイス食べていたのに…。
後から知ったんだけど37年ぶりのことだったらしいです。

選手全員が集まってのブリーフィング(大会説明)があって、ここではじめてドキドキしてきました。

装備のチェックがあったり、荷物の重さを一人ひとり測ったりするんだけど、あやちゃんの荷物はなんと大会で一番重い15.1kg!

本番はここにさらにお水が2.5kgプラスされるので17.6kgです(笑)
これでゴールできるんだから本当にすごい!
ちなみに私は荷物が8.5kgだったので、スタートは11kgでした。


◼︎キャンプ地へ

いよいよキャンプ地へ移動です。
バスに揺られながら5〜6時間かかりました。
街を出てからはずーーーーっと平原。ひたすら平原でした。

バスから降りると美しい景色が。

夜9時でもこの明るさ。

コンディションは良くない。
左の膝と股関節が痛いし、湿疹は出てるし、目もまだ痛い。
それでも明日の朝にはレースがスタートする。

その日は期待と少しの不安でドキドキしながら眠りにつきました。


続く


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