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無人島は、いかが?

無人島に行きたい人 手をあげて〜

「はーい!」

3人いました。

それじゃあ、出発しまーす!

あ、その前に ひとつ お知らせです。

無人島では、
スマホは使えません。
圏外となっていますので、あしからず。

エーッ!使えないの、スマホ。
じゃあ、
私は、行かない。

あー、そうですか。
それじゃあ、
おふたりは参加、ということでいいですか?

はい、お願いします。

はい、行きたいです。

おふたり、それぞれ、
こちらのドアからご出発 となります。

エッ、別々ですか?

はい、無人島体験ですから、
おひとりずつ となっておりますが、
なにか?

い、いやあ。
それはそうですね。
わかりました。
行きます。

おひとりは
右の赤いドアからの、ご出発です!
いってらしゃーい。

もうひとかたは
左の青いドアから、ご出発となります!
お気をつけて〜。


右の赤いドアを開けたら、
開けたとたん
無人島だった。
いきなり?
船かヨットで、風を感じながら海を満喫しながら、
行かないの?
ま、早くていいか……
 それにしても、なあんにもないや
 聞こえてくるのは 鳥の声 波の音 風の音
 気持ちいいなあ 空気がきれい
 まず したいことは
 この自然の中で お昼寝
 おなかがすいたら 釣りしようっと
 得意だもんね
 まずは、お昼寝お昼寝……


左の青いドアを開けたら、
そこは 無人島
ひとりで のびのび 自由だー
 それにしても、だあれもいないや
 ま、あたりまえか
 無人島だもんね
 私が まずしたいことは 
 ぼーーーーーっと すること
 誰にも何にも言われないもんね
 海風が心地いいし、
 裸足で歩くと気持ちいい。
 私、詩人になれそうだわ 
 なんて 思ってしまう


…………



無人島生活 3日目


赤いドアの向こうの無人島の人

 あーあ
 朝も昼も夜も、魚ばっかり食べてたら、
 私、
 目が覚めたら魚になって
 泳いでいるんじゃないかしら
 お昼寝も飽きたし……
 あー
 誰かと 話したーい!
 私の話を 聞いてほしーい!


青いドアの向こうの無人島の人

 あーあ
 自由って ひま 暇すぎ
 詩人になんかなれないわ
 浜辺の散歩も 飽きちゃった
 あー
 誰かと 話したーい!
 誰か、私の話を聞いてー!


帰りたい
今すぐ 帰りたい

でも、

ドアが 
 ドアが 
  ドアが

消えてるーーーっ!

誰かー

無人島に 来てーーーーー!!


あなたの話も
 聞きたいよーーー
 
 







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