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夏、はじめての お悩み相談

夏、初、ハツのお悩み相談です。

 ドキドキです。
 青空先生って、どんな人なんだろう。

夏さん、お待たせしました。

 ( なんだか、先生っぽくない
  感じ。よかった。
  話しやすそう )

  はじめまして、青空先生
 (ミスターブルースカイ?)

はじめまして、夏さん。
きょうは、どうしたのかな?

 なつさんが…… なつさんが
 風のように光のように速く走れ    
    って言うんです。
 でも、
    全力疾走は苦手なんです。

ああ、そうだったの。
走るのは、苦手なんだね。

 はい。暑くなるから……。

夏なのに?
暑いの、苦手なの?

 はい。
 汗かくと、
 おふろに入らなきゃ、
 でしょ。
 それが、イヤで。

おふろ、気持ちいいけどね。

 そうなんだけど、
 小さいときに、
 すべって、
 溺れそうになってしまって……。

そうかー。
それは、思い出してしまうね……。
それじゃあ、もう、
走るのをやめてみたらどう?

 えっ、
 それだと、
 秋にバトンを渡せない。

だいじょうぶ、だいじょうぶ。
追いかけられると、逃げたくなるもの。
夏さんが走ってこないと気になって、
秋さんの方から、近づいてくるよ。

 そんなものでしょうか。

そんなものさ。
夏さんの心の中を
秋さんに話してごらん。
きっと、わかってくれるよ。

 そうかなあ……

そうだよ、だいじょうぶ。

 バトンを、受け取ってくれるかなあ。

だいじょうぶ、だいじょうぶ。
きっと、受け取ってくれます。

 青空先生、やってみます!
 走るのをやめて
 秋さんが振り返ってくれるのを
 待ってみます。
 きょうは、ありがとうございました。

そう言うと、夏は、汗をふきふき、
帰っていきました。

 ( 青空先生のひとりごと

    ああは言ったものの、
          もし、秋が
   バトンを受け取らなかったら、
   このまま、いつまでも
            夏なのか……。
   冬と春の出番は、来ないのか?
   いやいや、まさか、
   それは ないな )





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